学校では教えてくれない差別と排除の話

著者 :
  • 皓星社
3.68
  • (12)
  • (15)
  • (10)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 291
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774406411

作品紹介・あらすじ

「なぜ中学や高校で差別や排除を教えないのだろう?」という著者の素朴な疑問をきっかけに、この本は生まれた。外国人労働者、ヘイトスピーチ、そして沖縄。現代日本の差別と排除の問題を、豊富な現場での取材を元に語り、解決への道を示す。
「安田浩一の仕事」の現時点での集大成。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 学生向けの本のようでしたので
    わかりやすく書かれていました。

    著者は 実際に取材して得られた話しを記載していると書いていました。
    けれど 差別をしている人たちなどは
    本当の話を知らずに 違う解釈をしてしまって
    差別をしてしまっているようです。

    間違いを鵜呑みにしてしまうのは
    メディアなどにも責任があるとは 思うけれど
    教育の現場で 片側からの見方だけではなく
    反対側からの見方も するようにと 必ず教えるべきですね。

    本の中では
    いじめをしている人を見てるだけも 加害者であるし いじめをされて かわいそうと 思うだけではなく自分がいじめをされたら どう思うかを 考えられる人になって欲しいと書かれていました。
    当事者になってみないと わからない痛みを 
    理解するのは 難しいとは思うけど
    でも、相手に寄り添う努力をすることが
    お互い 傷つけあわずに 平和に生きていけると思います。

    差別や 排除などが 少しづつでも減っていく 世の中になる事を 祈ります。

  • 著者の主張に反対ではないのだが、特に新たな見方ができるようになったとか、こんな歴史や実態があるのかというような新たな発見があったとかいうことは、この本にはなかった。まあ知ってる内容。
    中高生向けに書かれた本だからべつにそれでもいいのかもしれないが、同じ子ども向けでも『感情的になる前に知らないと恥ずかしい中国・韓国・北朝鮮Q&A』や『娘に語る人種差別』は、大人が読んでも新たな見識が得られる良書だったから、残念な感じだ。
    何より引っかかったのは、著者が感情的というか理論的でないこと。
    ヘイトスピーチをしている人から「安田、死ね」と言われて「同じような言葉を相手に投げ返せば気が済みます。」(P146)って、いやいや、同じような言葉を返したら同レベルに成り下がっちゃうでしょう。死ねとか殺せとか言うような感情的な、知性もモラルもない人と同レベルになってどうするの。相手が恥ずかしくなるくらい、落ち着いて毅然としてなきゃ。

    サブカルチャーは自分にはクールでもなんでもないとか(P214)、全く本文と関係のないディスりも必要なし。ただ多文化共生はかっこいいって言えばいいだけなのに。

    読んでいても、ちっとも話が深まっていかない感じ。
    ヘイトスピーチをしたり、在特会に入ったり、ネットで韓国を叩きまくってる人たちはどういう人なのかというのも全く見えてこないし。そこをきちんと取材して書けば面白かったかもしれないが、そういう人達に同じレベルで暴言を吐くようじゃ、相手の懐に入って話を聞くようなことはできないだろう。

    学校では教えてくれない、と言いながら、読んでも教えてもらった気持ちにならない。

  • 著者の安田浩一さんの著作をまとめ読みしている最中ですが、中学生や高校生向けに書かれていることもあり、これまでの著作から伝えたいことのエッセンスが、わかりやすくまとまっているので、タイトルの通り、差別や排除を知るための入門書として、最適だと思いました。
    ただ、誤字が2ヶ所ほどあり残念。

  • 著者が経験した「いじめ」のこと、外国人労働者、実習生のこと、差別する人々はなぜ差別をするのか、ヘイトスピーチとはなにか、なぜ沖縄は差別されるのか

    私達はなぜ差別の心を持ってしまうのか。
    もしかしたら、はじまりは知らないものが怖いからなのではないか。だったらどうしたらいいんだろう?

    今、学校で現実にいじめられていたり、いじめの現場を見て苦しい思いをしている人、そしてできれば
    いじめを(した/された)経験のある、大人にこそこの本を読んでほしい。

  • もと週刊誌のライターである著者が、その職業を目指すきっかけになった差別問題について、中高生向きに書き下ろした1冊。「中高生向き」とはいえ、現場に足を運び関係者と直に接したならではの視点で、大人でも十分目を開かせてくれる内容。

    取り上げられているは外国人労働者、在日朝鮮・韓国人、そして沖縄の基地問題、これらに関する差別の実態だ。こうした「暗い」テーマについては、差別されていない僕らのような人間にとってみれば、知らなくとも何の不都合も起きないことだろう。でもやっぱり、人間には想像力があるのだから、そこを働かせて、直接の関係性はなくとも、この社会の仕組みの中で、不合理な差別を受けている人たちの痛みを感じることは必要だと思う。多くの人がそうした痛みを感じなくなった時、人は理性を損ない、人間関係、地域、社会が壊れていくんだろう。著者が述べているように。

    こうした差別解消に向けて、自分に何ができるのかはわからない。でも、事実を知る、そこから始まるんじゃないか、なんてことを感じてます。

  • 2022年11-12月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00539796

  • まあ、そうなんだけど。著者の立ち位置がもう少しフラットなほうが読みやすかったかな、と。

  • とてもわかりやすい内容でした。本気で差別をなくそうとされている人の言葉だと思います。「いまの日本の学校教育でなにが足りないのかといえば、他人に対する想像力を子どもたちが持てるような授業や啓発」重たい一文です。

  • SDGs|目標10 人や国の不平等をなくそう|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688325

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。産湯は伊東温泉(静岡県)。週刊誌記者を経てノンフィクションライターに。『ネットと愛国』(講談社+α文庫)で講談社ノンフィクション賞、「ルポ 外国人『隷属』労働者」(月刊「G2」記事)で大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞。『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『ヘイトスピーチ』(文春新書)、『学校では教えてくれない差別と排除の話』(皓星社) 、『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)、 『団地と移民』(KADOKAWA)、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日文庫)他、著書多数。
取材の合間にひとっ風呂、が基本動作。お気に入りは炭酸泉。

「2021年 『戦争とバスタオル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安田浩一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×