- Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774328720
作品紹介・あらすじ
テレビ番組で人気の「池の水ぜんぶ抜く」。生態系での外来生物の増加を受けて、もっぱら“外来生物さがし”をメインにして構成されています。
在来生物と外来生物のことを考えるきっかけになる番組ではありますが、池の水を抜くほんとう理由は、じつは別のところにあります。ひとことで言えば、“洪水が起きたあとの状態をつくる”ためなのです。
2006年から2013年まで神奈川県水産技術センター内水面試験場に勤務し、淡水魚の保護や外来種の駆除などの研究をしてきた著者が、“身近にあるけれど、意外に知らない池の知識”や、“人工的に管理している池の環境を、人の手で整え、いろいろな生物が生息できる豊かな状態にすることの大切さ”を、わかりやすく伝えます。
どんな生き物が見つかるのかを図鑑的に紹介したり、科学的な調査や研究の進め方、池を観察し、状態を見守り続けることの大切さを話したりしながら、身近な環境に生物が豊かにいることの大切さに気づかせてくれる一冊です。
感想・レビュー・書評
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良書。これは子どもに知っておいて欲しい。大人でも読んで分かりやすく良い。近くにある池の見方が変わる。
かいぼり、どびながし、池の水抜を見たことはあるけど、そこで行われていたことをこの本を読んで初めて知った。
色々な生き物についても詳しく書かれており、それもまた初めて知ることばかりだった。面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館の児童書に置いてあった本である。
テレビで、人気番組にもなった「池の水を抜く」。
はじめは、この企画も出来るかどうか、プロジューサーや上司が、興味を示さずに、企画が通るかどうか余りあてにならなかったのだそうだと、何かの時に聞いた事がある。
テレビでは、外来種の探索の所を拝見しただけであったので、本で読んでみた。
悪の権現のように、川に生息する外来種を生け捕りにするのか?と、思っていただが、読んでいて、間違いに気づいた。
生きものを守るための科学的取り組み。
そう言えば、昔住んで居た吹田市の万博記念公園には、ビオトープもあった。
子供達を連れて、よく遊びに行った。
本で読んでみて、魚類だけでなく、昆虫類、両生類、水草など・・・すべての生き物にこの企画は、通じているのだと・・・
川や池にゴミや廃棄物を捨てる人が、居るので、外来種やそんなゴミやヘドロを取り除くだけの事のように思われていたのだが、貴重な在来種の発見にも、役立っている。
しかし絶滅危惧種であっても、場所により、自然復元の為に淘汰しないといけない事もあるなんて、考えた事も無かった。
子供のための本だと、思っていたのが、恥ずかしい位、何も知らなかった。
今日、2021年4月13日 聖火リレーが、万博記念公園内を走る。
又、民族博物館やビオトープ辺りを散策したいと、頭に思い浮かべながら、本を閉じた。 -
子供向けの本ですが、大人も勉強になります。
池の水を抜く理由が丁寧に説明してあり、注意点や順序なども細かく書かれてありました。
池の水を全部抜く!外来種がこんなにいた!貴重な生物を発見!
という、インパクトのある部分が取り沙汰されがちですが、水を抜く目的、準備にかける期間や周囲への配慮など、これほど時間と手間をかけて行われているのだと知って驚きました。