- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774327105
作品紹介・あらすじ
そうりだいじんになりたい
水色の短冊に、大きな字で書いた将来の夢。
それは、小学校一年生の夏。
学童保育クラブで七夕かざりをつくったときのことだった。
過去のあるできごとから、”ソーリ”とよばれるようになってしまった小学校5年生の少女・照葉。
彼女は、ひょんなことから、"ソーリ”というあだ名を広めた張本人の東太とともに、学級委員をまかされることになります。さまざまな個性をもつ同級生のいるクラスをまとめるのは、とっても大変。
はじめは、自分には荷が重いと思っていた照葉ですが、クラスの仲間たちや区議会議員をめざしている田中さん、従姉の咲良とふれあうことで、徐々に自信をつけ、だれもが居心地の悪さを感じることのないクラスを目指していこうと決意します。5年生の最後の学級会で、彼女が語った将来の夢とは……。
照葉をはじめとする小学校5年生の登場人物たちが、未来にむかっていく姿をとおして、政治や社会について考えることのできる児童文学。
感想・レビュー・書評
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学級委員になって、本来の本領発揮といったところか。しかも学級委員としての仕事を、ド直球にやろうとしているところがおかしくて。ここまで正攻法でやろうとする子は、私が小学生だった時代でも(40年近く前)いなかったので。だけど、政治的な物事については、正攻法が1番正しく、ゆえに強いのかも、と思った。
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夢にむかってがんばることの大切さがわかった。
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子供に将来の夢を聞いたとき、現実的に考えて無理だろうな…って思ってしまった自分を反省しました。夢に近づくために身近なことからコツコツとできるように応援してあげたいです。
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とても素直な気持ちになれる本でした。
このお話のように、上手くいくことばかりではないと思うけど、登場人物たちが色んな悩みを抱えながらも真っ直ぐに行動する様子が読んでいてとても気持ちよかったです。
そして、「ソーリ」というタイトルから、小学生に政治に興味をもってもらいたくて書いたのかな?って思いましたが!そんな単純な本ではありませんでした。
沢山のテーマが盛り込まれていてビックリします。
政治はもちろんですが、いじめやLGBT、子どもの立場の不自由さについて、将来の夢、更には外国人との交流についてまで!
盛り過ぎじゃないかとも思うけど、不自然ではなく、このテーマたちが綺麗にお話に入り込んでいてすごいと思いました。
小学生向けの文章量なので、それぞれの内容は薄くなりがちだけど、読んだ子がそれぞれに気になるものを見つけて考えるきっかけになりそうだなと思いました。 -
小1の時、七夕の短冊にに「そうりだいじんになりたい」と書いたのを同級生に笑われてから、自分の考えを口に出すことをしなくなった照葉。
思いがけず学級委員になって、クラスをまとめる難しさを痛感した照葉は、区議会に立候補する女生と知り合い、みんなのために自分ができることを考え始めた。
大人の社会(政治)をちょっとのぞいた物語。珍しいかも。 -
1年生の時に、七夕の短冊に「そうりだいじんになりたい」と書いて、周りの子に笑われたことがある照葉。5年生になり、いっしょのクラスになった東太が、その話を他の子に話したせいで、「ソーリ」とからかわれる。夏休みに会った従姉の咲良ちゃん、駅などで演説をする田中さん、そして読書感想文を書くために読んだマンデラの伝記。照葉は、七夕の短冊の事件以来、思ったことをはっきり言わなくなっていたが、いじめや差別のようなことがあった時には、「やめよう」って言える人になりたいと考える。
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一年生のとき総理大臣になりたいと書いてばかにされたことがトラウマの主人公が、学級委員になって問題に対処していく。問題がいろいろ盛り込まれてる感があるが、登場人物たちが単純でないのが魅力的。
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1年生のときの「総理大臣になりたい」という夢がきっかけで「ソーリ」とからかわれる5年生の照葉
2学期の学級委員に推薦され、クラスメイトやまわりのおとなたちとの交流を通じて政治や社会を学び、成長していく
「あたしがどうするかは、あたしが決めるよ」
いじめ、差別、性的マイノリティ、政治、国際交流、親子関係...世の中に目を開くきっかけがいっぱいつまったさわやかな物語
子どもたちの表情が生き生きと描かれている挿絵にも惹かれる