三畳紀の生物 (生物ミステリー(生物ミステリー プロ))

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774174051

感想・レビュー・書評

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  • 恐竜前夜。前後に大絶滅を挟む、クルロタルシ類の時代。

  • このシリーズも5冊目。最新の研究成果を美麗な写真とイラストと共に解説してくれるので、刊行を楽しみにしていた。三畳紀は中生代が始まり、恐竜全盛のジュラ紀の手前の年代にあたる。2億5200万年前から2億100万年前まで。ペルム紀末の大絶滅を生き延びた生物たちが再び生態系を築いてゆく。

    陸上でその頂点に立ったのは、現生のワニの祖先を含む、クルロタルシ類だったらしい。ペルム紀の覇者だった、哺乳類の祖先でもある単弓類、次代の覇者である恐竜の祖先たちとの、生存競争が繰り広げられていた。現生のカメの祖先が初めて登場したのも三畳紀とのこと。カメの甲羅は肋骨に起源があり、生物として稀有な特徴であることを初めて知った。

    三畳紀の終わりはまたしても大絶滅で、ビッグ5の4番目にあたる。その原因はまだ解明されていないらしい。その後、覇者がクルロタルシ類から恐竜類に変わった理由も、多様性などを検討しても、説得力のある説明はされていないらしい。今後の研究の発展が待ち遠しい。

  • この巻から中生代となります。中生世代というと恐竜! なイメージだけど、でも恐竜ってジュラ紀や白亜紀の生き物という印象もあるし、三畳紀の恐竜とは…と思っていると、初期の恐竜たちが出てきます。
    また、この時代は恐竜だけじゃなくて、栄えてたのはワニに近いけどワニじゃない、クルロタルシ類。

    その他の爬虫類や両生類なども登場。カメの話からクエネオサウルス類の話に続くと、肋骨すごいな!? という気持ちになります。

  • 謎多きペルム紀末/三畳紀末の大絶滅の間の時代。昔の情報では恐竜に進化していった爬虫類が主役としてクローズアップされていた。しかし実際には一部が後の哺乳類に繋がる単弓類や、ワニに近縁で最も多様性に富んだクルロタルシ類も繁栄しており、三つ巴の時代だったと紹介されている。 三葉虫、棘魚類が絶滅、ウミユリ・腕足動物の最盛期生物相が転換。海に回帰した魚竜がまず台頭。前進的存在の魚竜形類の種も発見されている。胎生で出産中のチャオフサウルスの化石はとても悲しい気持ちにさせられる。
    最古の恐竜だけでなくカエルやカメ、滑空爬虫類から初期翼竜も登場。 単弓類もクルロタルシ類も素人から見ると恐竜っぽいが・・わずかな違いが長い年月をかけて進化していくと全く違った動物になるのは驚き。 竜盤類(獣脚類・竜脚類)と鳥盤類の分岐点になった動物たちも、細かい骨の特徴を除いてほとんど似た姿をしていたが、少しの違いが最終的にはステゴサウルスからアロサウルス、ブラキオサウルスまでの違いをもたらすから驚きだ。なぜジュラ紀以降恐竜が生き残って覇者となったのかは非常に興味深い謎で、生命の歴史におけるビッグクエスチョンの1つといえる。
    それにしてもT-Rexは古今東西ティラノサウルスとして知られているが、ティランノサウルスと記載されており、あえて浸透している名称にしない理由は不明

  • 読了

    このシリーズはとても楽しい読書だけど、とてもじゃないけど記憶に残りきりません

    ダイバーシティ!

  • 恐竜時代突入前夜。地味だけれど堅実に。しかしそんな努力も原因不明の大量絶滅にて藻屑と化す。

  • 請求記号 457.352/Ts 32

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著者プロフィール

著者:土屋健
オフィス・ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者、サブデスク(部長代理)を経て2012年に独立し、現職。近著に『怪獣古生物大襲撃』(技術評論社)、『前恐竜時代』(ブックマン社)、『生命の大進化40億年史 中生代編』(講談社)など多数。

「2023年 『も~っと! 恐竜・古生物ビフォーアフター』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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