「人見知り」は案外うまくいく

著者 :
  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774128702

感想・レビュー・書評

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  • 人見知り肯定本。
    気持ちいいくらいにバッサリした内容。

  • 目的が無い会話や、雑談が苦手。
    自分から人を誘ったり、紹介することをしない。
    自分が人見知りのくせして、
    同じような人見知りタイプが苦手。

    書いてある人見知りの特徴が、
    どれも自分の行動そのもの。
    え、全部私のことじゃん!
    やっぱり私って超人見知りなんだな!耳が痛いなぁ。
    でも、著者自身が、自分を超人見知りだと
    自負しているからか、超人見知り人を
    全力で肯定しにきてくれる。
    だから、「あなたってこんな人間でしょ?」って
    ポンポン自分の性格を当てにこられても、
    なんだか嫌じゃない。
    そうそう、そうなんです、
    私のことわかってくれてるな〜、とさえ思える。

    中でも、たしかに!と思ったのが、
    マズローの欲求5段階の話。

    人間には5段階の欲求があって、
    通常は、生存→安全→社会的欲求→自尊→自己実現、
    という、原始的な段階から社会的な段階へと、
    自分の欲求を満たそうとする。
    でも、超人見知りは、いきなり飛び級で
    安全から自己実現の欲求に向かっちゃう、という。
    それは、超人見知りは元来わがままな素質があって、
    やりたいことを優先させる人が多いから。

    これは、コミュニティのレベルを「会社」にして
    考えてみると、とてもわかりやすい。

    人と関わりたい、という「社会的欲求」は、
    会社員として生活していく中で満たされてく。
    例えば、同僚や上司との日頃のコミュニケーション。
    他愛も無い雑談から、勤務日以外の交流まで、
    頻度や密度の幅はあるだろうけど。

    でも、会社も一つの競争社会。
    役職や給与という、他人との差から、
    人より評価されたい、尊敬されたい、という
    「自尊心の欲求」が生まれるんだろうな。
    会社から与えられる職務、やるべきことに取り組み、
    給与や人事評価などの対価となるものを得ることで、
    この欲求は満たされていく。

    このように、会社員としての責務を全うし、
    人とのコミュニティを築くことで、
    安全、余裕、自信が生まれる。
    そこで初めて、「自己実現の欲求」に
    取り組むことができる。

    しかし、超人見知りの行動パターンは
    必ずしもこの段階に則ておらず、
    自己実現の欲求から逆方向へと欲求を満たしていくのだそう。

    自分がやりたいことを最優先させるけれど、
    続けていくこと、熱中することで技術を磨き、
    出来ることが増えることで、自尊の欲求が満たされる。
    結果、それが人を助ける力に繋がり、
    人から求められるレベルにまで上がることで、
    やるべきこと、自分の責務となって、
    その結果、社会的欲求が満たされていく。

    側から見たら現実逃れ、社会不適合者に
    見られがちだし、何より、損する場面も多い。
    でも、自分の欲求に素直であることは
    結果的に自分が生きやすい、働きやすいことへ
    繋がっていくんですよ、というのが
    著者の主論なのかなぁ。

    振り返ってみれば、
    もっと自分が若い時、
    会社で目標設定をする時期になると、
    会社全体の目標や会社の数年先のビジョンのことを考えず、
    自分がやりたいこと、興味があることを考えて
    堂々と上司に提出してきたなあ。
    常にみているものは「自己実現」。
    扱いづらかっただろうな。当時の上司、ごめんない。
    結果、今はやりたい仕事に就けているし、
    わがままに生きていて、良かったのかも?

    でもなんだかんだいって、人間、
    コミュニティの中に属してる以上、
    人とのコミュニケーションは重要ですよ。

    私も超人見知りで、何度も人が離れていった。
    そんな自分を変えたくて仕方なかったし、
    なぜか身の回りには社交的な友人しかいなかったから、
    自分もそうなりたい!と思って
    無理して営業の仕事をしてきて、自分を鍛えてきた。
    ある程度人とコミュニケーションを取るのにも慣れたし、
    可愛がられることも増えて、
    やっと少し生きやすくなったかと思った。

    でも、今思えば、超人見知りは、
    マズローの5段階欲求の話でもあったように、
    「コミュニティの中で生きている」という感覚が
    乏しいのでは、と思う。
    あるいは、あえて見ないようにしているのか。

    超人見知りが、コミュニティを意識して
    上手く立ち回ろうとすると、とてもしんどいです。
    私は毎日慣れないことをして、精神を磨耗してしまい
    自分にはコミュニケーション力を生業として
    生きていくのは無理だ、と挫折を味わいました。

    でも、辛いことばかりじゃなかった。
    自分には営業なんか無理!パソコン相手の仕事じゃないと出来ない!人間怖い!と、営業の仕事から
    逃げるように立ち去ろうとしたけれど、
    それでも、周りの人は、出来ない私をすごく褒めて、
    支えて、評価してくれていた。
    少人数のチームとなってする仕事だったから、
    人との関わり方の大切さがより一層身に染みたのだろうけど、このとき、
    「どう足掻いても、人との関わりから
    抜け出すことは出来ない。
    でも、人と関わり合って助け合うことは
    生きていく上でとても大切なこと」と、思えた。

    そこからは、過剰なコミュニケーションの取り方を
    やめるようにしたり、
    人に提案するコミュニケーションではなく
    傾聴メインのコミュニケーションに変えたりと、
    少しずつ、超人見知りの自分に出来るコミュニケーションを取るようにしてきた。

    この本の中では、超人見知りの人と対比させて
    超社交的な人をモデルとして出してるけど、
    なにもそんな両極端に比べなくていいと思うんですよ。
    自分自身が接点になり、相互に交流が持てるよう、
    人と人を繋げるようなハブになれる超社交的な人も
    とても魅力的だし、こういう人がいるから
    自分は仕事を与えられている、と思うし。
    だから、超社交的がダメとか超人見知りが最高とか
    そんな話ではなく、
    超人見知りにもこんな良いところがあるんだな、
    それは潰さないでおこう。
    社交的な人にはなれないけれど、自分に出来るやり方で
    人と関わろう、っていう考え方で生きたらいいと思う。

    著者は超人見知りの人たちを励ましたかったんだろうな、と思う。
    多くの自己肯定感低い人が、この本を手に取ってるだろうから。

    超人見知りの自分を受け入れて、
    いいところを生かす考え方は大いに賛成。
    でも、コミュニケーションは諦めちゃダメ。
    超社交的と比べるのもダメ。
    自分に無理なく出来るコミュニケーションの取り方は
    きっとあるから、
    それを模索しながら生きていく努力は、必要ですよね。
    そんな結論になりました。
    私はこの本好きです。
    ちょっと口調キツイけどね、この著者。

  • 実は私は人見知りじゃないのだろうか?と思ってしまうほど、納得できる部分が少なかったです。私は人見知りで、だからこそ社交的な人には憧れと尊敬を抱いているつもりなのですが、その社交的な人達を完全否定して「人見知りのほうが優れている!」って言われても・・・ねぇ?比較して優越感を味わうってのはなんか違うと思います。「社交的な人は人見知りに、人見知りは超人見知りになろう!」とかさぁ・・・人見知りから社交的になろうとはするなって言ってるのにその逆はいいんですか?
    人見知り肯定本というより人見知り選民思想本になっていて大変不愉快でした。

  • 私も人見知りなので本に書かれていることで共感できるものが多かった。人見知りの人も社会人でそれなりに仕事で対人スキルを身につけているので、仕事とか買い物とか何かの目的がある会話は普通にできるが、特に目的もなくする会話が苦手である旨が書かれていた。私もまさにそうである。会社の出張とかでそれほど親しくない人と出張先に向かう途中の会話が非常に苦手で何を話そうかと思いながら、頭に思い浮かばず無口になってしまうのである。この本に書かれているように無理して社交的な人間にならずとも苦手なものは苦手なままでいいとも思えた。

  • キャラクターに頼れないからこそ、技術を磨いていける。著者の言葉遣いがもう少し上品なら、と感じたので減点。

  • 案外知られていることが多かったように思う。
    ただ「過去の実績」でなく「未来への学び」こそが仕事力である。人見知りは「人」より「コト」に関心を持つため、仕事においてもっとも重要な『経験を学びにかえる能力』を持つ、という切り口が面白かった。

  • たくさんの人と接するところには顔を出したくない。人前で何かやらされるのはイヤだ。そんな人見知りの人こそ、実は上手くいく資質を隠し持っているのかも?

  • 人との出会いは縁にまかせるというのが印象に残った。

  • 人見知りのいいところがたくさん書いてあり、心強く思いました。

  • 読み始めは参考になるな、と思ったが、同じ内容の繰り返しで途中で読む気がなくなった。
    矛盾している箇所も少しあった。
    たとえば、最初のほうでは、想定している読者対象が「人見知りな人」もしくは「人見知りの人が周りにいて、その人がどんなことを考えているかを知りたい人」とあったが、本の途中では完全に読者が前者だけであるかのような書きっぷりになっている。
    それでもまぁ参考になった。

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著者プロフィール

1963年神戸市生まれ。1986年神戸大学経営学部卒業。2003年株式会社リクルート卒業。
リクルート在職中、IT業界の営業スタイルを研究するうちに「一方的なプレゼンテーションばかりのプロモーション・セミナーより、本音でディスカッションするセミナーのほうが効果的ではないか?」と発想し、ディスカッション形式セミナー「ナレッジワークショップ」を開発。自らファシリテーターとしてディスカッションを仕切りながら商談の切り口を見つけるという、斬新な発想のビジネスモデルで2003年株式会社ナレッジサインを設立。ファシリテーションを本格的に取り入れたビジネスモデルとして注目を浴び、IT業界に新しい営業・マーケティングスタイルを定着させることに成功。現在では、IT業界を中心にファシリテーション技術の教育・研修も手がける。
著書に『会議でヒーローになれる人、バカに見られる人』(技術評論社)、『「人見知り」は案外うまくいく』(技術評論社)、『大喜利式発想脳トレーニング』(こう書房)がある。

「2010年 『“アタマがいい”のに結果がついてこない人の逆転仕事術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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