世界は小さな祝祭であふれている

著者 :
  • モ・クシュラ
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本棚登録 : 58
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773812183

作品紹介・あらすじ

終わるかもしれないありふれた日常のなかで、
小さな声で語られる、大切なことのほうへ―

世界 70ヶ国、100 都市を歩いて、東京からアムステルダムに移り住んだ写真家による、等身大の言葉で綴られた〈希望のかたち〉

ボクのこの世界に対してのささやかなレジスタンスは、ボクがもっと気持ちよくて、明るいと思う方向になにがあろうとたゆまなく歩き続けてきたということだ。(本文より)

美大受験・浪人時代・学生生活・社会人生活と岡山から東京に出てきた著者が生きづらさを抱えながら煩悶した日々の思い出を語るエッセイ、オランダと日本の風景を同じ希望の地平で映し出した写真、そして国籍を問わずさまざまな背景を持つ人々の織り成す日常を肯定し許容することのできるオランダ–アムステルダムという場所の特異性をあたたかくユーモラスな眼差しで浮かびあがらせた日記、の3部構成で編まれた幸福の断片。
発行元 モ・クシュラ/発売元 現代企画室

感想・レビュー・書評

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  • 小野博のトークインベントが色々あるみたい。。。

    モ・クシュラ | 本プラスαを編む、出版レーベル
    http://mochuisle-books.com/
    Beautiful Cloud Amsterdam
    http://onounit.jugem.jp/

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    「終わるかもしれないありふれた日常のなかで、
    小さな声で語られる、大切なことのほうへ――

    モ・クシュラから初めての書籍『世界は小さな祝祭であふれている』を刊行します。著者は、写真家でアムステルダム在住の小野博さん。
    小野さんは、この本を日本から約9600キロ離れたアムステルダムで、日夜、書いてくれました。
    この本に書かれた東京の思い出は暗く、アムステルダムの日々が明るいのは、それぞれの町に宿るシステムの違いのせいかもしれませんが、小野さんがレンズを向けた日本/オランダの風景には、共通して幸福の断片が映し出されています。
    それは小野さんが「明るいほうに歩き続けること」「希望のほうへ眼差しを向けること」という想いを、いつも持ち続けているからだと思います。」

  • 作者がオランダの友人に
    「デモ来てたんだ?」と聞くと、
    「当たり前でしょ、来ないとこの政策を受け入れたことになっちゃうでしょ」と言われたシーンが印象的。

    日本ではどこか政治について無関心で、誰かが何とかやってくれる雰囲気というか、そーいった感じがあるように思う。

    当たり前だけど、政策(ルール)の上で日本という国が成り立っている。そこが不適切だったり、ましてや裏金問題など、さすがにおかしいんじゃない?って国民全体が思わないと国がどんどん良くない方向に向かっていく気がしてしまう。

    政治にもっと関心を持たなければならないと改めて思わされた。

    アムステルダム・マッサージを感じにいつかオランダに行ってみたい!

  • 本のモ*クシュラより発行されている、写真家・小野博さんのエッセイ『世界は小さな祝祭であふれている』。
    http://mochuisle-books.com/book01.html
    読み終わるのがもったいなくて、ちびちび読んでいたのですが、ついに本日読み終わってしまいました…。
    小野さんの東京での日々、アムステルダムに移り住んでからの日々、帰省した岡山での日々、どれもとてもプライベートな内容なのに、だからか、なにかドキュメンタリー映像を見ているような、不思議な、穏やかな気持ちで読み進めていました。
    特に、毎日が東日本大震災と隣り合わせのワタシにとっては、読んでいる間だけは、アムステルダムに行けました。(逆に小野さんも、東日本大震災のことはずっと考えてくださっている様ですが)

    小野さん、編集者の大谷 薫子さん、ありがとうございます。
    また、小野さんの作品、読みたいです!

  • 写真家の著者が、東京からオランダに定住するまでの、感じたこと・写真・風景・オランダでの人とのかかわりなど綴ったエッセイ・紀行文。とても優しい語り口で、読んでいると人の持つ弱さや脆さみたいなものを大切にしたくなる。そうした気持ちでいることが、周囲のものに対する感受性を高めることになるのだと思う。この著者も、東京にうまく馴染めず、アムステルダムに移住し多様な文化と触れ合い、その社会に参画する中で、そういった弱さみたいなものを大切にしてきたから、すっとその小さな祝祭にあふれた世界に交われたのではないかと思う。写真はどれも優しく、とてもきれいなものでした。

  • 「アムステルダムが地球にあって、ボクは本当に嬉しい。」

    感受性の豊かな著者にとって日本は、日本の都市部はどれほど生きづらかっただろうか。

    搾取し合うんじゃなくて、助け合う。苛立つよりも、自然に笑える。それが当たり前でなくなった現代社会に、わたしたちは麻痺してる部分があると思う。
    「ボクのこの世界に対してのささやかなレジスタンスは、ボクがもっと気持ちよくて、明るいと思う方向になにがあろうと、たゆまなく歩き続けてきたということだ。」
    無理しなくてもみんなが笑える国がある。
    無理して笑うことに労力を使うくらいなら、無理しなくても笑える環境をつかみとるにはどうしたらいいかを考えた方がいいんじゃない? っていうことだと思います。それはお金持ちだけに許された権利ではないはず。

  • 自分になかった事物への視点、それは規模感だったり着眼点そのものだったり。この本を読む以前以後で自分の人生への向き合い方が変わってしまったかもしれない。

  • 著者に対して、ちょっとセンチメンタルすぎやしないかい?と感じるが、ものすごくオランダに住みたい気分にさせてくれる。
    「他人の当たり前を当たり前のこととして受け入れられる寛容さを、人は、自由、と呼ぶのだと思う。」

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著者プロフィール

1971年生まれ。1996年、多摩美術大学彫刻科卒業。2005年、サンドベルグ・インスティテュート・ファインアート科修士課程修了。1992年から世界を移動し作品制作を始める。2002年からアムステルダムで生活している。1997年、コニカ写真奨励賞を受賞。2003年「旅—ここではないどこかを生きるための10のレッ スン」(東京国立近代美術館)に出品。著書に写真集『In-between 4 オーストリア、スロベニア』(EU・ジャパンフェスト日本委員会) や、フォトエッセー『ライン・オン・ジ・アース』(エディマン/新宿書房)がある。

「2012年 『世界は小さな祝祭であふれている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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