大国政治の悲劇: 米中は必ず衝突する!

  • 五月書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772704564

作品紹介・あらすじ

米中の衝突を確実視し、各国の外交戦略を揺るがす、攻撃的現実主義(オフェンシヴ・リアリズム)とは!?今、最も注目すべき国際政治学者ミアシャイマーの主著、待望の邦訳化。

感想・レビュー・書評

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  • 軍事力に訴えてでもパワーを自国側に持ってくる。
    あくなきパワーへの欲求。
    戦争の原因は何か、そして具体的には安全保障の競争を激化させたり本物の紛争状態にしてしまうパワーとは何か。
    アメリカは基本的に楽観主義者である。
    大国にとっての最終目標は覇権国になることであり、常にライバルよりも多くのパワーを獲得しようとする。
    国家のパワーは相対的な量を最大化する。
    ある大国がライバルたちに比べてどれくらいの相対的なパワーの査が必要なのかを知るのが難しい。
    国家の実質的なパワーは軍事力。
    安全保障と経済という2つの目標が衝突した場合も常に安全保障が勝つ。
    大国が平和的な国際秩序を追求できないのは、世界のすべての国家が全く同じ理念の下で世界平和の姿が理想なのかの合意がなされたことは一度もない。

  • (1)諸国の政府をまとめる政府が無い点で、国際社会は無政府状態(アナーキー)であり、(2)その中で自国の安全保証を極大化するには、地域覇権を達成する事が最も安全と利益を確かなものに出来る。という国際社会の構造が、国家の衝突を呼び寄せる原因であるというのがミアシャイマーの主張です。 「オフェンシヴ・リアリズム」の名の通り、日本人には過激に感じられる主張が多いですが、国際社会の現実を理解するにはとても良い本です。訳も読みやすく、読み応えのある内容でした。

  • リアルポリティークにおける大国間の覇権争いの解析、そこから導き出される理論「オフェンシヴ・リアリズム」の解説と、既存の理論の否定。事例検討が豊富かつ500ページに及ぶ量や価格から万人に薦められるものではないが、専門用語は全て解説つきなので国際政治の初学者でも読める内容である。また、有名なマハンが主張した「独立シーパワー」の優位性、ドゥーエが主張した「戦略エアーパワー」の優越性についても独自の理論をもって論破するなど、非常に刺激的な内容。

  • サブタイトル「米中は必ず衝突する」はちょっとアレな感じがしますが、過去の大国間のパワーゲームについて分析した良書です。

  • 著者は、1世界はアナーキー(世界政府が存在しない。)、2各国が他国を攻撃する能力を保持している、3他国の意図は完全には理解できない、4国家は合理的に行動する、5国家は自己の生存を一番の目的とする、という5つの仮定を置き、その場合、大国は、地域覇権を追求するしかないという、オフェンシブリアリズム理論を提唱する。その理論の妥当性を問うため、ナポレオン戦争以来の大国間の戦争に、この理論を当てはめ、その妥当性を検証し、最後に、この理論によって見通せる未来に対し、警鐘を鳴らす。また訳が非常に分かり易く、どんどん読み進めることができた。

  • 地政学の名作(予定)

    地政学から世界を予測する。
    国際政治に興味があり、この先の世界がどうなるかが興味がある人におすすめ。
    リアリズムの視点が養える。

  • 誠にお恥ずかしい限りだが、私自身これまで全く現代史に触れてこなかったので、この200年の大国の覇権争いにおける道筋がよく分かる。リアリストとしての立場で書かれている本著は、その分析に公平さが際立ち、納得させられる。ただ副題の「米中は必ず衝突する」に惹かれて読むと、その記述は500ページを超える本書の中で数ページであるのは、いかがなものかと思うが。

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