サンタクロースの部屋 改訂新版: 子どもと本をめぐって

著者 :
  • こぐま社
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本棚登録 : 147
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772190589

作品紹介・あらすじ

子どもを本の世界にさそいこむために、おとなは何ができるでしょうか。子どもたちの豊かな心を育むヒントがつまったロングセラーが、普遍的な内容はそのままに、よりいっそう読みやすくなりました。

感想・レビュー・書評

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  • 「本とは何かを教えるためのものではない。本にとって肝心なのは、それがどれだけ子どもの心を中に引き入れ、楽しませ、動かすかということ」「その子がほかで自分を伸ばすすべを知っているのなら、本を読まない子がいたっていい」の言葉が力強い。
    人はことばという他人の経験を先取りして成長していくため、これから成長をしていく子どもたちにとってはことばの力が重要になる。この力を養うためには、
    ①子どもたちのまわりに静けさを取り戻す
    ②子どもの方から本に手を伸ばすよう、ことばに対する飢えを取り戻す
    ③大人がはなしかけることばを節約する
    ④経験で裏打ちできるよう、実体験の経験をさせてやる
    ⑤お話をしてやる
    ことが有効である。

  • 装画・カット/古賀由紀子
    装丁/名久井直子

  • 「子どもを本の世界にさそいこむために、おとなは何ができるでしょうか。子どもたちの豊かな心を育むヒントがつまったロングセラー」

  • そろそろ子どもが「サンタさんって本当にいるの?」と聞いてきそうなので手に取りました。サンタさんを信じていた心の場所はずっと子供の中にあり続けるとのこと。そうした心の場所を沢山作ってあげたい。松岡享子さんの『子どもと本』同様、子どもの読書を考えるにあたり大変勉強になりました。

  • 1976年以前の内容とあり驚いた。「心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中に、サンタクロースを収容する空間をつくりあげている。サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出ていってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここに迎えいれることができる」という文章が印象的。「最近の子は…」みたいな描写にはやや辟易したが、本を通して子どもたちを大事にはぐくみたいという思いは伝わった。

  • 子どもと本の関係、図書館について書かれている。
    図書館を利用する人や本に期待する人の想いがわかる。
    本は学ぶものという意識が先行しているので、楽しいものという認識になると良いという思いがあるのだと思う。

  • 「幼い日に、サンタクロースの存在を信じることは、その人の中に、信じるという能力を養う。
    サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出ていってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここに迎え入れることができる。」
    この部分、いいなぁ。とてもいいなぁ。
    前半の、アメリカで司書として勤めていた時の経験や、子供は絵本をどう読んでいるかといった話は興味深く、面白かった。
    後半が、昔は良かった調になってしまったのが残念だったが、改版あとがきではまた前向きな空気になっており、読後感良く本を閉じられた。

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著者プロフィール

兵庫県神戸市生まれ。大学卒業後、渡米。ウェスタンミシガン大学大学院で児童図書館学を学んだ後、ボルチモアの公共図書館に勤める。帰国後、子どもの本の普及に努め翻訳、創作など多方面で活躍。

「2015年 『新・小学校国語の教科書に出てくる読み物セット 全11巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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