「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策

著者 :
  • 白澤社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768479230

作品紹介・あらすじ

戦前の歴史観の代名詞「皇国史観」は、非科学的、独善的、排外的などとして、戦後しりぞけられてきた。しかし、そもそも「皇国史観」とは何であったのか?誰が、何のために提唱し、普及させたのか?本書は、「皇国史観」の成立と流布を、戦中に文部省が行なった修史事業に着目して再検証し、従来のイメージを一新。「皇国史観」の何が、いかに問題であるのかを明らかにする。

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  • 『「皇国史観」という問題―― 十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』

    【版元】
    長谷川亮一 著
    白澤社 刊
    判型:四六判 上製 368ページ
    定価:3800円+税
    ISBN:978-4-7684-7923-0
    http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-7923-0.htm

    【目次】
    はじめに 

    第1章 戦後における「皇国史観」をめぐる議論の展開
    1.1 今日における「皇国史観」の認識
    1.2 敗戦直後における「皇国史観」批判の展開
    1.3 1950年代における「皇国史観」についての認識
    1.4 1960年検定論争と「皇国史観の復活」キャンペーン
    1.5 1980年代の「皇国史観」論
    1.6 近年の議論傾向と本書における検討課題

    第2章 近代国体論の変容
    2.1 「天壌無窮の神勅」と近代国体論の成立
    2.2 『大日本編年史』と久米事件
    2.3 『国体論史』と大正期の国体論
    2.4 天皇機関説事件=国体明徴運動と「教学刷新」
    2.5 「皇国」理念の流布
    2.6 「八紘一宇」の国策理念化
    2.7 小括 

    第3章 「皇国史観」の提唱と流布
    3.1 高等試験改革と国史の必須科目化
    3.2 『国史概説』の編纂
    3.3 『大東亜史概説』の編纂
    3.4 文部省による「皇国史観」の提唱
    3.5 文部省の「皇国史観」認識 

    第4章 『国史概説』の歴史像
    4.1 全体の構成と基本的特徴
    4.2 『国史概説』の国体論
    4.3 「八紘為宇」の理念
    4.4 社会経済史的叙述の意義 

    第5章 『大東亜史概説』の歴史像
    5.1 全体の構想
    5.2 「大東亜」の範囲
    5.3 「大東亜」と日本
    5.4 「大東亜史」と「国史」のはざま
    5.5 『大東亜史概説』と宮崎市定『アジヤ史概説 正編』 

    第6章 国史編修事業と国史編修院
    6.1 国史編修事業の閣議決定
    6.2 国史編修準備委員会における議論
    6.3 国史編修調査会
    6.4 国史編修院と敗戦後の経過 

    おわりに――戦後への展望
    戦後における文部省の国体論
    戦後における国体論の変容
    「歴史学の戦争責任」について

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著者プロフィール

1977年千葉県生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科(日本研究専攻)修了、博士(文学)。日本近現代史専攻。現在、千葉大学大学院人文公共学府特別研究員、東邦大学薬学部・千葉大学文学部非常勤講師。
著書に、『「皇国史観」という問題──十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』(白澤社)、『地図から消えた島々──幻の日本領と南洋探検家たち』(吉川弘文館)、『近代日本の偽史言説──歴史語りのインテレクチュアル・ヒストリー』(共著、勉誠出版)、『徹底検証 教育勅語と日本社会』(共著、岩波書店)など。

「2018年 『教育勅語の戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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