古九谷の暗号:加賀藩主・前田利常がつくった洗礼盤

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768458433

作品紹介・あらすじ

加賀藩ゆかりの焼き物「古九谷」。加賀藩第二代藩主・前田利常(としつね/1594-1658)。キリスト教において罪を清める儀式で使用する「洗礼盤」。この3つのキーワードを手掛かりに、歴史の闇に葬られた謎を解いてゆく。南蛮貿易によりキリスト教が布教され、1605年の日本の信者数は75万人ともいわれる。加賀でも高山右近の影響で多くの大名が信者となり、利常の時代にも多くのキリシタン藩士を抱えたが、「バテレン追放令」により、彼らは表向きは棄教する。利常は自分のために犯した罪(大坂の陣等)の洗礼ができるよう、キリシタンのシンボルを忍ばせた古九谷の絵皿=洗礼盤を藩士に贈り、後世には「伝世品古九谷平鉢」と呼ばれるようになった「利常の洗礼盤」。その誕生の背景や過程なども明かされ、興趣は尽きない。(オールカラー)

感想・レビュー・書評

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  • 大村、長崎と共にキリシタンが多かったという金沢。佐賀で焼かれた器の素地と、景徳鎮から追放された明の陶工を雇うことで、密貿易により古九谷が生まれたのではないか、絵柄の3つのものや水、×字、魚などはキリシタンの暗喩ではないかとする。
    絵柄についてはこじつけ感はあるが、本絵との違いがあるのは面白い。関係した前田利常を中心とした家臣団の血縁や地理的な問題など調べている感。
    陶工の動きや有田、鍋島、九谷の土質や絵柄など知るべきことは多そう。
    是非は別にしても少し周辺を追ってみたい。

  • 東2法経図・6F開架:198.2A/Ma29k//K

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著者プロフィール

1948年生まれ。金沢大学薬学部卒業。1971年に結婚後、外交官である夫と共にロンドン、モスクワ、ボストン、バグダード、オタワ、タシケント、テヘランに住む。著書に『「かぐや姫」誕生の謎』(現代書館)がある。2014年から上智大学・山岡三治教授「文化交渉学特講」(文学研究科)の講師を務める。

「2019年 『古九谷の暗号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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