- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767828619
作品紹介・あらすじ
日本人は何を身にまとってきたのか?
古代から現代まで、公家社会や武家社会で着られてきた、日本の「装束」の世界を徹底解剖! !
十二単(じゅうにひとえ)や束帯(そくたい)、直衣(のうし)、狩衣(かりぎぬ)、水干(すいかん)など、千年以上の昔から連綿と受け継がれてきた「装束(しょうぞく)」。
宮中や公家社会で用いられてきた色鮮やかな装束は、武家社会の隆盛や明治時代の洋装化などを経て、現代に至ります。
現代でも、即位礼などの宮中儀式をはじめ、神社や大相撲、時代劇、古典文学、絵画作品など、さまざまな場面で見たり聞いたりすることも多いはず。
そんな装束の着方や着こなし、ルールをオールカラーイラストで大図解!
「誰が何をいつ、どんな風に着ていたのか」「?どんな着こなしをしていたのか」?といったTPOもわかりやすく解説していきます。
古代から現代までの装束の変遷、古代の中国風の装束から明治以降の洋装、そして令和の即位礼まで、各時代の装束の特徴がこれ一冊でマルわかり! !
■目次
第1章 古代~平安時代初期の装束
第2章 平安時代の装束
第3章 鎌倉時代の装束
第4章 室町~戦国時代の装束
第5章 江戸時代の装束
第6章 明治時代以降の装束
第7章 現代の装束
コラム 装束の基本、装束にまつわるQ&A、文様の基本、重ね色目の基本、子どもの装束、女性天皇の装束、冠のかぶり方など
■著者
八條忠基(はちじょう・ただもと)
綺陽装束研究所主宰。古典文献の読解研究に努めるとともに、敷居が高いと思われがちな「有職故実」の知識を広め、
ひろく現代人の生活に活用するための研究・普及活動を続けている。全国の大学・図書館・神社などでの講演多数。
主な著書に『有職装束大全』(平凡社)、『有職文様図鑑』(平凡社)、『有職の色彩図鑑』(淡交社)、『詳解有職装束の世界』(KADOKAWA)などがある。
日本風俗史学会会員。
感想・レビュー・書評
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「源氏物語」の「梅枝」では明石の姫君が裳着の儀をされます。女性の成人式にあたりますが、そもそも裳が何か、漠然としかわかりません。源氏絵や図鑑を見てもいまいちはっきりしないのです。ところが、本書は明解でした。おまけに合わせて行われる髪上げ式のイメージも分かりました。解説も適切で、全編コミック風のイラストで装束史を紹介しています。ビジュアルの情報量が半端なく凄くて、侮れない一冊です。
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日本の有識故実の世界を時代ごとにイラストで読み解く。
・装束の基本
第1章 古代~平安時代初期の装束 第2章 平安時代の装束
第3章 鎌倉時代の装束 第4章 室町~戦国時代の装束
第5章 江戸時代の装束 第6章 明治時代以降の装束
第7章 現代の装束
オールカラーイラスト。説明に装束のTPOとフォーマル度。
コラム有り。日本史おさらい年表、索引、主要参考文献有り。
中国風から唐風、国風へ。天皇と貴族中心から武家の世へ。
江戸時代の禁中並公家諸法度や幕府内の服制。
明治維新での和風重視から洋装化。
そして令和の即位式での装束と、日本の有識故実の世界を
詳細に、分かり易い文章で、丁寧に解説しています。
可愛いイラストに惑わされてはいけません。
これが凄いんです。綺麗なだけでなく、詳細な描き込み。
有識文様や重ね色目まで表現されています。
特に部位についてが詳しく、襟の部分は首紙という名称、
冠のかぶり方での時代と髪型による内部の違い、
蜻蛉頭の綴じ糸が衣門道の流派で違い等、
やっとわかった事項が多く、楽しく知ることができました。
時代の変遷の中での装束の変容もまた、面白い。
身分の他、年齢による違いもあるのか。
おかげで日本の装束についての興味が広がりました。 -
古代から現代まで各時代の装束が分かりやすく描かれている。
装束に興味がある人の入門書としてもいいだろうし、創作の参考書としても活躍する一冊。 -
「解剖図鑑」シリーズ大好きですが
これはまたスゴいなぁ!
単純に有職故実の知識を得る資料でもあるし
かっちりした絵で図解してくれているから
漫画やイラストで描くときの参考にもなる。
その部分をどういう名称で呼ぶかもわかるので
小説を書く人にとっても役立ちそう。
水干の袖口の紐は飾りと思ってましたが
「袖括の緒」と言って「そで」を「くくる」
つまりキューっと絞って使うものだったのね。
他にもいろいろ楽しく学べました。 -
冠のかぶり方 が面白かった。
奈良時代〜
髪を上に結び(髻もとどり)、
巾子(こじ。髻を入れる)をかぶせ、
布で包んで結ぶ。
平安時代中期〜室町時代
巾子と冠が一体化。
髻を冠に入れて、
簪(かんざし)を冠と髻に刺して固定化する。
江戸時代
月代(さかやき)の髪型で髻が小さくなる。
冠の固定には懸尾(かけお)を使うように。
簪は形式的に残る。
明治時代
髻を結わなくなる。
冠、簪、懸尾は残る。 -
安定の八條先生。
『有職装束の世界』はどちらかと言うと歴史や着方が詳細で、装束の部位についてあまりわからなかったので、イラストで詳しく説明されてる本書はとても良かった。
時代に沿った説明と、どの身分の人がどういった時に着るのか記載されているので本当に分かりやすいし各時代ごとの比較もしやすい。
昔はプライベート着やフォーマル度の低かった服がだんだんと重要な服になっていくのが面白い…。人間はやっぱり楽に着られる服の方が良いよね。
個人的には奈良〜平安初期の唐風の装束が華やかで好き!古代って感じがする…とてもよい…。
そして令和の即位礼ではここまで装束に拘って見ていなかったが、すごいものを生で見たんだなと今更震えた。装束は楽しい。 -
私の歴史好きは、大河ドラマのお衣装の美しさと時代変化の面白さから。これ子どもの頃にもらったら擦り切れるまでページを捲ったと思う。
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枕草子に出てくる汗衫がどういうものなのか知りたくて購入しました。
全ページでフルカラーイラスト。
イラストも表紙のとおりの綺麗なタッチで統一されていて、どのページも見ていて飽きません。
古代から現代までを追うので、例えば「前代の平服が次代の礼装」になっていく流れが掴めます。
本編が100ページ位で、イラスト主体で文章も要点を押さえているので、全然詳しくない分野でしたが楽しく読み切れました。
あえて言えばインナーをどういう順番で着用するのか記述があると、束帯などは分かりやすかったかとも思いますが、最初の1冊としてはこれがベストなのでしょう。
文様についても簡単に触れているので、別の本で更に調べてみたくなりますね。 -
美しいイラスト。何時間でも眺めていられる。
古代の衣装から現代まで網羅しているので、物語を書くのに便利。 -
古代から現代までの日本の装束の変遷について分かる一冊。