日本の文様 解剖図鑑

著者 :
  • エクスナレッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767826424

作品紹介・あらすじ

「文様」とは、模様の中でも、使用する季節や意味などを特別に指定されてきたもののことをいいます。
街を歩けば、今でも建築や食べものに文様があしらわれていることがわかるでしょう。
千年以上の時を超えて愛される文様の世界を、この本を通してじっくり味わってみてください。
(「はじめに」より)
Contents
§1:わかると楽しい日本の文様77種
松,竹,梅,桜,藤,菊,葵,椿,牡丹,桐,鶴,亀,鳳凰,龍,虎,麒麟,獅子,蝶,蜻蛉,魚,貝,海老,太陽,月,星,雲,霞,波,雪,雷,稲妻,流水,熨斗,結び,文字,宝尽くし,傘,扇,蓮,杜若,紫陽花,桃,柘榴,楓,秋草,唐草,葡萄,宝相華,瓢箪,千鳥,雁,雀,馬,狐,兎,鹿,犬,猫,矢羽根,楽器,縞,格子,石畳,網目,鱗菱,亀甲,麻の葉,卍,紗綾,円 etc.

§2:日本全国 文様探し
The Okura Tokyo,東京都庭園美術館,CAFÉ KITSUNÉ,東京大学総合研究博物館 小石川分館,北野天満宮,京都御所,四条通り界隈,さらさ西陣,山代温泉古総湯,成巽閣,出島,秘窯の里・大川内山 etc.

感想・レビュー・書評

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  • 着物や、和の建物などで見たことのある意匠を、図鑑風に解説。
    わかりやすく、見ていて楽しい本。

    冒頭には、ざっくりとした歴史を学べる漫画が。

    図鑑部分も、豊富なイラストと端的な説明で、とてもわかりやすい。
    系統立ててあるので、勉強になる。

    写真ではなく、精緻なイラストなところが、見やすかった。

    和のアイテムは勿論、一見洋風なもののなかにも、日本の文様はあちこちで活かされていることがよくわかる。

    学ぶだけではなく、文様を楽しめる建物やスイーツの紹介があるのも、よかった。
    実際に行ってみたり、食べてみたくなる。

  • 私の目論見が外れて、私にはあまり役に立たなかったが、見方を変えれば力作であり、大変面白いと思う。しかも、オールカラーでこの値段ということは、案内役の「うめモン」ちゃんだけでなく、ここに出ているあらゆる「文様」を筧さん独りで描いたということでしか説明がつかない。いくら芸大出身だからといって、恐ろしいほどの力技だと思う。

    第1部「日本の文様77種」に平均4つのイラストを配置したとして約300、その他いろいろで400-500の文様を正確にトレースしたはずだ。表紙を見たらわかるように、ひとつひとつが、ほとんど絵画だ。

    しかし、残念ながら、日本と世界の文様の比較や、歴史から来るその大きな特徴、また、弥生時代の流水紋は現代まで生き残っているのだが、それは何故か等々の考察はほとんどされていない。ただただ、どんな文様(意匠)があるのか、分類して紹介しているだけなのである。目論見が外れたと言った所以である。

    もちろん、着物を説明して「貝尽くし文様夜着」と聞いてどんな着物か想像できたら楽しいだろうし、京都四条通界隈に錦天満宮の梅、1928ビルの星、京都大丸の八芒星、先斗町入り口の千鳥、松竹南座の松竹等々の意匠を見つけたら楽しくて仕方ないだろう。

    この本を持って、古い街に行き日本を感じる、そういう使い方がよく似合う本だと思う。

  • 注目新刊:筧菜奈子『日本の文様解剖図鑑』エクスナレッジ : ウラゲツ☆ブログ
    https://urag.exblog.jp/239352177/

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    日本美の象徴、伝統文様の世界をイラスト大解剖!!私たちの暮らしの様々なシーンで使われている伝統文様。本書では『めくるめく現代アート』(フィルムアート社)が大好評の筧菜奈子氏を著者に迎え、その意味と歴史、デザインの仕組み、そしてそこに込められている日本人の美意識を、すべてイラストで徹底図解していきます。第1章は、著者ならではの写実的かつユーモラスなイラストによる、文様の歴史を辿るマンガ&文様の事典パート。「文様」とは何なのかを楽しく学ぶことができます。そして第2章では実践編として、「日本全国文様探し」と題し、1章で得た知識を生かしながら、神社やお店、その他歴史的建造物など、実際に文様が見られるスポットに出かけていきます。千年以上にわたって愛されてきた日本の文様の世界を愉しみ尽くせる1冊です。
    https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784767826424

  • “文様”とは模様の中でも、使用する季節や意味を指定されたもの。
    世界中に風土に合わせた文様が作られている。

    うめモンが案内役。

    ・文様の歴史
    身近なものを使った素朴なもの→呪術的なもの→異国のモチーフ→日本独自の文様→和洋折衷

    ・日本の文様77種
     モチーフごとに、意味や由来を紹介
     ☆五百円玉には“桐”(吉兆や慶寿を意味する)“橘”(不老長寿を表す)“神の依り代”の文様があしらわれている。格の高い御守りだわ!
     ☆面白文様・江戸時代『小紋雅話』山東京伝1790ー文様のパロディ本
      “鼻毛絞り”…バカボンのパパみたい。
      “藁人形”…丑三つ時の着物の文様ですね。わかります。

    ・文様のつくり
     向きを変える:分ける:増やす:組み合わせる:囲む:似せる
    ・レイアウト
     単体:わく取り:反復…など

    ・文様探し
     ☆寺社仏閣、城郭だけでなく、近所の建造物やお菓子や身の回り品の中に文様を見つけて、なぜその文様を使ったのかな?と推理をはじめてしまいそう。
     ☆髭皿…お皿の髭剃り!文様とは関係ないですが。
     ☆お皿や着物は文様によっては使える季節が決まっていたものも。贅沢だ。

    文様も品物もオールイラスト!美しい。

  • 菊→古来より中国では菊を浸した水を飲むと長生きするとされ、奈良時代に日本に伝来した際もますまは薬用として広まった。桐→五百円硬貨の裏には大きく乱れ桐の文様が入っている。葡萄栗鼠(ぶどうりす)→葡萄畑にリスがいたことに加え、リスも多産であるためという説。武道、律す、と読めることから武具につけられることもあった。

  • 友人から頂いた本。家紋のモチーフに込められた意味に関する書籍はいくつか持っていますが紋様に関してはデザインの参考本しか持っていませんでした。家紋と被る記述もありますが目新しいものが多くとても楽しく読めました。
    全ページフルカラーで構成も読みやすく、色々と参考になる一冊です。

  • キリンビールの鬣の中の”キリン”今度探そ~~~~

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/730766

  • 978-4-7678-2642-4
    C0070¥1600E

    日本の文様 解剖図巻
    2019年6月29日 初版第1刷発行

    著者:筧菜奈子(かけい ななこ)
    発行所:株式会社エクスナレッジ

    ---------------------
    カバー袖より
    日本独自の文様は
    いつ生まれ、どのように使われてきたのでしょうか。
    千年の時を超えて愛される文様の世界をこの本を通じてじっくり味わってみてください。
    --------------
    「文様」「模様」
    文様とは使用する季節や意味などを特別に指定されてきたものの事をいう。

    建築ネタを得意とする出版社
    モチーフ(松、梅 鶴 龍 )の季節や意味合い
    現存建築物に見られるタイルや欄間などの紹介

    --------------------
    今 欄間や天井など一般住宅にそれを見ることはかなり少なくなってきて、その価値は自分にはよくわからない。古い日本家屋で一般公開されているような豪商や武家屋敷などを見学するときの参考にはなりそう。
    そういえば廃墟になっていた料亭には季節で入れ替えていただろう器がたくさんあって、紅葉の柄や梅の小鉢とかが放置されていた。衣替えのように食器や掛け軸を変えてゲストを迎えていた日本の文化の一端。代々同じ仕事を受け継ぎ、武家らしさ、商家らしさが表現されていたのだろう。

    随所にイラストで説明があるんだけど、これはちょっといただけない。理解しずらくて悩んだw

    一通り開いて見た。手元にもいらないし、買うこともない。

  • 文様を軸にした日本文化史事典。イラストやおもしろ説明が重点的で、後半半分は文様を重視した名所案内になっていて、突っ込んで知りたい人より初心者向けに感じました。
    全ページフルカラーでふりがなもたくさん振ってあるので、文化史に興味のある小学校高学年から、興味を持った大人まで楽しめると思います。

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著者プロフィール

東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。東海大学教養学部芸術学科講師。専門は現代美術史、装飾史。
研究のほか、イラスト執筆やデザイン提供など幅広い領域で活動している。
著書に『めくるめく現代アート—イラストで楽しむ世界の作家とキーワード』(フィルムアート社)、『ジャクソン・ポロック研究—その作品における形象と装飾性』(月曜社)、『日本の文様 解剖図鑑』(エクスナレッジ)、翻訳書にブルック・ディジョヴァンニ・エヴァンス『みつけて!アートたんてい—よくみて、さがして、まなぼう!』(東京書籍)、共訳書にティム・インゴルド『ライフ・オブ・ラインズ—線の生態人類学』(フィルムアート社)などがある。

「2022年 『いとをかしき20世紀美術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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