名画の中の料理

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767824031

作品紹介・あらすじ

ピカソのスパニッシュ・オムレツ、アレン・ギンズバーグのボルシチ、セザンヌの焼きトマト…。巨匠たちの作品や日記、手紙から再現されたレシピの数々を、食にまつわる詩や文章を交えてつづった、香り高きエッセイ。文学、美術、料理のジャンルを横断する、味覚と芸術のマリアージュ!

感想・レビュー・書評

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  • (書評)『名画の中の料理』 メアリー・アン・カウズ〈著〉:朝日新聞デジタル(有料会員記事 2018年4月21日)
    https://www.asahi.com/articles/DA3S13460739.html

    図書館員のおすすめ本(日本図書館協会) 読書人WEB
    https://dokushojin.com/review.html?id=7415

    Mary Ann Caws
    https://www.maryanncaws.com/

    X-Knowledge | 名画の中の料理
    https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767824031

  • 絵画の解説ではなく、絵に描かれた料理のレシピです。また、絵とは直接関係のな現代の作家や詩人達が綴った食べ物にまつわる文章(コラムみたいな)が一緒に掲載されています。

    絵画の解説と思って見始めたので、目的と違いましたが、海外料理のレシピは新鮮でした。

  • 印象派から現代絵画までの作品に、画家たちの文などから
    再現されたレシピ、加えて食にまつわる文学や詩を交えた、
    フルコースの料理を味わう、エッセイ。
    第1章 前菜  第2章 スープ  第3章 卵
    第4章 魚  第5章 肉  第6章 野菜
    第7章 つけ合わせ  第8章 パンとチーズ  
    第9章 果物  第10章 デザート  第11章 飲み物
    文献一覧、出典、図版クレジット有り。

    画家が描いた食材と料理。画家が愛したレシピ。
    料理にまつわる文学や詩、写真、ポスターなど。
    そして、画家が食べた料理とその場所にまつわるエピソード。
    それらをフルコースの順番の中に盛り込む、
    グルメなエッセイです。例えば、
    リキテンスタインが描いた「ブルー・フィッシュ」の絵。
    ゴッホのアンコウとムラサキイガイのシチューのレシピ。
    ホックニーのイチゴケーキのレシピ。
    リー・ミラーがミロに振舞った、セサミチキンのレシピ。
    ヘミングウェイの『移動祝祭日』で描かれる、牡蠣の味わい。
    ユイスマンスの『さかしま』で語られる、酒の蘊蓄。
    サティーの『梨の形をした3つの小品』からの楽譜の抜粋。
    ジャン・ルノワール監督の『ゲームの法則』の
    スチール写真とポテトサラダのレシピ。
    文章と画像、料理を交えて味わう、ユニークな内容で、
    レシピ自体がエピソードだったりして、興味深かったです。
    だが、エッセイと引用の線引きが微妙なこと、
    自分としては知らない画家や文学作品が多く、
    よくわからないまま飛ばし読みしてしまった箇所もありました。
    日本人画家では宮脇綾子の作品が、掲載。

  • ページ左に絵画、右に文章。文章は絵にまつわる詩や小説の抜き書きとレシピ。しかし左の絵、そのものと対比されていないので、絵を中心にみると、なんともわかりずらい構成。

    著者は文学者で、読書と料理を同時に楽しんでもらおう、との意図。順番を、前菜、スープ、卵、魚、肉、野菜、つけあわせ、パンとチーズ、果物、デザート、飲物、としたところがにくい。フルコースの順番に素材にまつわる絵と文を味わうというわけなのだ。

    やはり目につくのは絵で、目にとまったのは、
    卵:「皿のない皿の上の卵」1932 サルバトール・ダリ
    魚:「ロブスターのある生物」1972 ロイ・リキテンシュタイン
    野菜:「亡霊」1981 C・W・レーリヒ 空に浮かぶ巨大なキノコ。
    果物:「3個の梨」1879 ポール・セザンヌ セザンヌの果物はやっぱりいいなあ、と思った。
    果物:「林檎」1921頃 ジョージア・オキーフ オキーフは輪郭がくっきりしているイメージだったが、この林檎はやわらかい。
    デザート:「果物鉢、シャルロット、グラス」1924 パブロ・ピカソ これは絵と対にシャルロットの作り方が載っている


    2018.3.2初版第1刷 図書館

  • 料理そのもの、あるいは食材が描かれた絵。
    画家たちのレシピ。
    美味しいものはもちろん食べたいが、目で見て「食べる」のも心が満たされる。
    腹は膨れないとしても、美しいものは、美しい。

    自然とはなんて偉大なのだろう!
    かくも美しく、深く、美味しい物を提供する。
    料理とは想像であり、創造だ。
    絵を描くことも、料理をするのも、似通っている。

    さて、一方で、「第6章 野菜」における131頁の<亡霊>という絵が何を示しているのか、この国の人ならわかるはずだ。
    できることなら、すべての国の人が、この絵画が示したことを恐れて欲しいと思う。
    自然の美しさが作り出したそれと、人間が作り出したそれは形は似ていても、行く道は全く違う。
    一方は生を与え(中にはそうでないものもあるが)、一方は死しか与えない。
    前頁では、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホのレシピで癒されていたというのに!
    舌なめずり、それがこれほどまでに意味を変えるとは。

    229頁の<グルメな猫>の絵は生きる歓びに顔がほころぶ。
    247頁の<アブサンを飲む女>(これは有名な絵画)に人生の悲しさや虚しさを見る。
    かつて、悲しくて苦しくてやりきれなかった時、それなのにグウと鳴った私の腹!
    その時、私は、だからこそ食べねば、と思った。
    私は食べ物という、なにものかの命で生かされている。
    だから、こんな苦しみなど超えてやろうと思った。
    命を、繋ごうと思った。

    だからきっと画家は描くのだ。
    食べ物が、そうさせずにはいられない力を持っているから。

  • 料理・食べ物をモチーフにした芸術作品と聞いて、一番に思いつく作品はなんですか?私はピエール=オーギュスト・ルノワールの「桃」を最初に思い浮かべますが、みなさんは違う作品だったのではないでしょうか。芸術作品といっても、絵画だけではありませんよね。詩・文学・写真などあらゆる媒体で料理は人気のモチーフとなっており、数多くの作品が発表されています。料理に関する作品にふれると、その料理を食べたくなったり作りたくなったり、はたまた実際に食べたような気持ちになったり…。なんだか幸せな気持ちになりませんか?今回はそんな気持ちを存分に味わうことができる『名画の中の料理』を紹介します。

     本書では、左ページに絵画や写真、右ページに文学や詩の引用・画家や詩人に関連したレシピが記載されています。著者が英文学、仏文学の研究者ということもあり、ほとんどが西洋の作品・レシピとなっています。絵画や詩・文学は誰もが知っている作品だけではなく、現代の作品も多く紹介されています。
    レシピについては、ピカソのスパニッシュオムレツや、ゴッホのタマネギのカラメル和えなど、様々なレシピが紹介されており、巨匠が食べた味を実際に作って食べることができます。前菜→スープ→卵→魚とコース料理と同じ順番で章が進んでいるので、読みながらコース料理を味わったかのような気持ちになれます。また、章ごとに1品ずつ決めて自分で作り、自分だけの芸術家フルコースを作ってみるのも楽しいですね。
     
    絵画や西洋の文学作品にふれたことがない人でも、「料理」という我々にとって身近なモチーフであれば、なんだか興味がわいてくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。読んでみて気になった料理があれば、ぜひ教えてください。
    (へろへろ隊員 さわむら)

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/616714

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/776944

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50121877

  • ちょっと期待しすぎたかも?
    よく考えてみれば、そこまで料理の印象が強い絵とか、そんなに知らないw
    料理再現目的で見ると微妙だけど、たくさんの絵をパラパラと眺めるのであれば、悪くないかなー

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