ほとんど想像すらされない奇妙な生き物たちの記録

  • エクスナレッジ
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本棚登録 : 114
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767818702

作品紹介・あらすじ

アホロートル、クマムシ、イエティクラブ、モロクトカゲ…空想上の動物と同じくらい不思議な生物たちのおりなす、21世紀の幻獣辞典。

感想・レビュー・書評

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  • 生物を起点として話が次から次へと展開されている
    著者の博学さが十分に発揮されていて面白いけど、タイトルからは生物の生態に焦点を絞って綴られている作品かと思ったので期待とは少し異なる

  • 方解石のレンズという三葉虫以来の最古の視覚テクノロジーを持つ星(オニヒトデ)に見上げられているってところがあまりにも良すぎた。
    でも全体的には話があっちゃこっちゃ行って読みにくいかも

  • 実際に存在している生物たちの生態を一種の寓話としてして捉え、人間の文化や思想について論じる本。不思議な読み心地だった。
    動物の生態の話をしているかと思いきや、神話や哲学書の一説を引用しながら、着地する。着地先は「人間について」。人間のコミュニケーション能力、人間と自然破壊との関わり、人間の認識能力…等々。

    脱線を繰り返しながら話が進んでいくために、読んでいる内に困惑してくるが、動物を起点として人間を語ることの面白みも感じた。
    例えば、ハエトリグモと人間の脳の処理能力を比較した一節。「…人間もまた同様に、認知、記憶推測した物事の断片を脳内で無意識に統合することによって世界を把握している。私たちはそれを世界だと信じているが、実際には現実に起こっていることの大雑把な模型のようなものに過ぎない。 ー 202ページ」。ハエトリグモが人間よりもはるかに少ない脳細胞で空間を認識処理するために必要な情報を選んでいることに関連して人間も…という話。この一説を読んで人間を動物として相対化する気づきを得た。

    この本の中には人間にはない唯一無二の能力を持つ生物がたくさん登場する。その様子を見ると、人間が特段に特別な存在ではないこと。人間には生物としての限界があることを実感する。(群れや道具の助けを借りて克服できることもある)。

    この本は気づきを得る過程を記した本かもしれない。身近な、または図鑑で見た生物を起点に、どこかで見た物語や専門書を思い出しながらある一つの気づきを得る。その気付きは、作者と同じように、常に自分自身を取り巻く環境の事や人間の思考や生活の傾向のことに関してであって、人間を意識の外に置いたものではない。そうでないことはありえない、ということなのかも。

    この書き方なんかも、考えればそっくりな気がしてきた。

  • サイエンス

  • 生き物ごとに章が分かれているエッセイ?
    章の前半はまあ面白く読めるのですが、中盤以降は全くその生き物とは関係のないお話!!
    僕はね僕はね、と自分の語りたい方向へどんどん話が変わっていく。(→大抵面白くない)
    そしてあらゆる書物からの引用に次ぐ引用。
    読んでいて「もういい加減にしてくれ!」とうんざりするくらいの引用。
    こういう本は普段読まないのでわからないけれど、こういうものなのか?それともこの著者は特にそういうタイプ(知識をひけらかしたいタイプ)なのか...?
    引用もピンとこないものが多くてイエローモンキーの私には難解。(この人、偏りがあって差別的な印象をすごく受ける)

    もしこの人に会ったら一方的なお喋りが延々止まらない人だと思う。
    「僕はね、こう思うんだ...云々...それからね、どこそこの国の作家〇〇が□□年に発行した△△という本に書いているんだけどね...」といった調子で。
    この本はそれを延々聞かされているような本です。
    読むのも聞くのもとっても大変。

  • 世の中にはいろんな生き物がいるんだなぁ。

  • 面白い動物を紹介する本・・・ではない。
    博物誌的なものを想像していたけど、人類、生命、文化、などの洞察にあふれたエッセイ。
    人類の未来に対する思いが誠実に語られている。

    西洋人が甲殻類がそんなに嫌いなの?とか、タコやサメってそんなに嫌悪感を催すものなの?とか、素朴な発見も多かった。

  • 科学書ではなく生物をネタにしたエッセイ。記述の正確性に疑問があり、途中で断念。
    学問の領域を横断して好き勝手なことを言っている、頭の良さげな人の書く文章が好きならば。私は、この手の文を熟読するには自分に残された人生が少ないと感じる。

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