スターリン時代の記憶:ソ連解体後ロシアの歴史認識論争

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  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766426816

作品紹介・あらすじ

▼スターリンとは何者だったのか

独ソ戦や、スターリン体制による市民への大規模な抑圧は、
ロシアの人びとの記憶に何を遺したのか――。
体制転換後の新生ロシアにおける
ソ連時代の歴史認識論争の実像を、
歴史教育や歴史教科書をめぐる論争から明らかにする。

ソ連解体後の新生ロシアにおいて、スターリン時代をはじめとするソ連時代の歴史はいかに議論されてきたのか――。

体制転換後のロシアにおいては、ソ連時代の過去、特にスターリンの時代(1920年代~1953年)の大規模な抑圧にいかに向き合うかという問題が社会を分裂させる大きな論争を引き起こしている。また、共産主義体制を打倒して成立したロシアでは、自国の過去の歴史のなかに、いかにして「誇るべき遺産」を見出し、何をどのように否定したり継承したりするのかが特にデリケートな論点となっている。

本書では、こうした観点から体制転換後のロシアの歴史教育と歴史教科書をめぐる論争を検討することにより、いまだ知られていないロシアにおけるソ連時代の歴史をめぐる論争を明らかにするだけでなく、大規模な抑圧や内戦といった暴力を経験した共同体が、歴史を介して、いかに国家を再建し、民主主義を構築しうるのかという問題を探究する。

感想・レビュー・書評

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  • スターリン時代の歴史的評価に対してどう推移していったかを克明に書かれている。子どもに教える上でソ連が何をしてどういったところがよくてどう悪いのか自分で情報収集して考えさせる教育をしているという辺り日本の教育の問題点が浮き彫りに。そりゃ外国にやられ通しにもなると納得。

  • 東2法経図・6F開架:238A/Ta94s//K

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著者プロフィール

成蹊大学法学部助教。
香川大学法学部卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。
主な著書に、『国民統合と歴史学――スターリン期ソ連における『国民史』論争(学術叢書)』(学術出版会、2011年)、『教養としての政治学入門』(共著、成蹊大学法学部編、ちくま新書、2019年)などがある。

「2020年 『スターリン時代の記憶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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