迷わず書ける記者式文章術:プロが実践する4つのパターン

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766424966

作品紹介・あらすじ

▼「速く」「正確に」「わかりやすく」書く技術を伝授。
▼「取材」から「推敲」まで記者のテクニックの全公開。
▼社内報告書や企画書、エントリーシートまで幅広く応用できる。

元・日本経済新聞記者の松林薫氏(『新聞の正しい読み方』(NTT出版)の著者)が、大手新聞で標準的に使われているメソッドを分かりやすく説明します。
多忙なビジネスパーソンこそ是非活用してほしいスキルが満載です。

感想・レビュー・書評

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  • 時々読みたくなる文章術の本。
    「プロが実践する」というサブタイトルがついていますが、難しすぎず、易しすぎず、私にとって丁度いいレベルの本でした。
    知っていることを改めて確認するくらいの気持ちで、時々、読み直してさらうのによい本だと思いました。
    少しでも人様に読んでいただきやすい文章が書ければいいと思います。
    大変読みやすく簡単なのに、新聞記者の書く文章の技術が盗める本です。
    巻末には他の文章術の本のガイドも載っているので、その中からも何冊か読んでみたいと思っています。

    著者の松林薫さんは、元日経新聞の記者だそうです。
    関西大学で担当している「ネットジャーナリズム実用」用に私家版のテキストを書き始めていたものをベースに本書を書いたそうです。

    まえがきより
    ・新聞の文章は「標準化」されている→「既成の部品」を「共通のパターン」に従って組み立てただけ。
    ・最も重要な構成もニュースは「逆三角形」論説は「三部構成」コラムは「起承転結」長めの企画記事は「起承転展結」といったように、たった4つの型に集約される。
    ・「少なくとも義務教育を終えた人にはわかる」ように書かれている。
    ・新聞で使われている文章術を身につければ、大学やビジネスで使う固い文から、ブログなどに載せるやわらかい文まで、幅広く書ける。
    ・「何を書くか」という構想を練る方法。文章に盛り込む情報の収集の仕方についても解説。

    目次より
    第1章 文章を書くとはどんな作業か
    第2章 構想を練る
    第3章 取材の方法
    第4章 設計図を描く
    第5章 文を書く
    第6章 読みやすい文章とは
    第7章 推敲する
    第8章 説得力を高める
    第9章 トレーニング編
    終章  本質を突く文章術

    文章構成の練習として「手を動かすこと」によって文章構造が思考回路に組み込まれていくというところは、なるほどと思いました。

    • やまさん
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      おはようございます。
      きょうは、快晴です。
      体に気を付けていい日にしたいと思います。
      やま
      2019/11/16
    • まことさん
      やまさん♪おはようございます。
      お天気がよくていいですね!
      こちらはどんよりとしています。
      インフルエンザが流行ってきているらしいので...
      やまさん♪おはようございます。
      お天気がよくていいですね!
      こちらはどんよりとしています。
      インフルエンザが流行ってきているらしいので、気を付けてください。
      2019/11/16
  • ☆基本的な型が書かれていて、さらに+テクニックという構成が分かりやすい。実践したくなる本。

    〇ニュースは「逆三角形」、論説は「三部構成」、コラムは「起承転結」、長めの企画記事は「起承展転結」というように、たった4つの型に集約されます。

    ☆それぞれの型の書き方を覚えておけば書けるのなら、私にも書けるかも♪

    〇具体的な情報は、単に質問を繰り返すだけでは引き出せません。
    自分から相手の言葉に共感を示し、場合によっては自分についても語る必要があります。

    ☆適度な自己開示がインタビューに必要。
    昔、ある人と話していて、なんだかすごく嫌な気持ちになったのだが、自己開示がなかったからなのかな。質問ばかりで、疲れた記憶がある。

    〇見出しの表現方法
    体言止めにすると、キーワードが引き立つ。

    ☆見出しやタイトルの工夫は、今指導してもらっている教授もずっと言っていることだ。重なるなあ。

    〇逆三角形(伝える)はじめに5W1H

    〇三部構成(論じる)序論ー本論ー結論

    〇起承転結(心を動かす)読み物
    起 京の三条の糸屋の娘
    承 姉は十八妹は十五
    転 諸国大名は刀で殺す
    結 糸屋の娘は目で殺す

    〇起承展転結(心を動かす)長めの読み物
    起 印象的なエピソード
    承 問題提起
    展 論証
    転 別視点の紹介 
    結 結論

    〇5W1Hの並べ方には「型」があります。
    ①Who
    ②When
    ③Where
    ④What
    ⑤How
    ⑥Why

    ☆こういうこと、全然知らなかった。こういう型にそって書けばいいとなると安心感。
    まずは、何度か使って、見なくても順番に記述できるようになりたい。

    〇漢字を減らす。
    漢字2字で始まる動詞を言い換える
    Ex 開始する→始める

    〇分かりやすい言葉を使うほど、読者が文章に感じる信頼性は高まるという海外の研究もある。

    ☆これだ!だからあの方の文章は何言っているのか意味が分かりにくい文章になっているんだ。
    漢字が40%超えると黒い(読みにくい)文章だといわれるらしい。

    〇語順を入れ替えるコツ
    ①対応語は近くに
    ②Whoは前に

    ☆基本を大切にしながら、あえて変化をつけると読める文章になる。

    〇読み上げれば難点が分かる。

    ☆納得。声に出すこと。そして、違和感があるところに印をつけること。

    〇自分が書いた文章は自分の人格ではない。

    ☆自分が直す立場のときも、このことを強調しておく。
    あなたの人格とは切り離して考えてください!!

  • 「実用文を、正確に、わかりやすく書く技術」を伝えることを意図した本。
    「情報を伝える道具」の使いこなし方を知ればよいのであって、美文や名文を書く必要はないという。
    そして、新聞記者によって生産される「規格品」、「標準化」された文の作り方をまとめている。記者たちが平均的にもっている能力で、用の足りる文章を書くことに意義があるということである。
    それは、既存のパターンを選択して手持ちの材料を当てはめていけば一定レベルの文が書けるということで、「実用文」ならばそれで及第点であるということだ。
    「文章の書き方」にオリジナリティを求める必要はなく、「何を書くか」の選択や、材料集め(取材)に労力を注ぐべきで、そこに個性が出るということだ。

    まったくもって素晴らしいです。
    唯一のないものねだりは、新聞記事の限界があるということか。新聞記事は、それでも文章を読める人向けのものなので、本書にはその意味での限界があると思っている。はい、ないものねだりです。

  •  元『日本経済新聞』記者(といっても、早期退職した人なので、まだ40代半ば)の著者が、記者時代の経験をふまえて書いた文章読本。

     「記者式」とあるものの、ここに説かれている文章術は、ライターから一般人(ビジネス文書を書く機会の多い会社員など)まで、すべての人にとって有益である。新聞記事を書くための文章術は、かっちりとした基本形であるがゆえに「応用の幅が広い」のだ。

     私が松林薫の著書を読むのはこれで3冊目だが、前の2冊もそれぞれよい本だった。この人の知的咀嚼力(高度な内容を平明に語る力)は池上彰に匹敵するもので、今後「池上彰の後継者」たり得る逸材だと思う。本人が後継者になりたいかどうかは別にして。

     本書は、著者が関西大学で担当する「ネットジャーナリズム実習」用に書かれたテキストがベースになっているという。それだけにとてもわかりやすい。文章術の「基本のき」から、手取り足取りという感じで教えている。それでいて、プロのライターを唸らせる深みもあるのだ。

     私はライターという仕事柄、文章読本のたぐいをかなりの数読んできたが、本書はこれまでに読んだものの中で五指に入る良書である。

     新聞記者・元記者が書いた文章読本としては、本多勝一の『日本語の作文技術』が定番の名著として知られ、読み継がれている。本書は、同書に代わる新たなスタンダードといっても過言ではない。わかりやすさや、いまという時代に即した内容という点では、『日本語の作文技術』をしのいでいる。

     ライター志望者やブロガーなどが、文章力をブラッシュアップするために読む本として、「一冊目に読むべき本」はいまならこれだと思う。

  • 文章の4つの形を解説。シンプルでわかりやすい。
    元日本経済新聞記者の松林薫氏が、大手新聞で標準的に使われているメソッドを分かりやすく説明している。
    この型を覚えれば、文章の書き方の基本が分かる。

  • ☆2.5 参考にはなるが、うすい
     前原政之さんのレヴューを見て買った。
     たしかに実用的な文章を書くうへで、基本的な要諦がつまってゐる。本書は構成など文章の大枠にも章を割いてゐる。全篇、記者式の書き方にもとづいてゐるが、記者だけでなく一般にも十分すすめられる内容。この本自体、わかりやすく書いてある。

     しかし参考にはなるが、用例がうすい。

     私も学校の国語教育ではかういふ文章の書き方を習はなかったし、いままでの小説家による文章読本は、実用文ではなく藝術文に向きすぎてゐたので、参考になった。文章読本だと個人的には小谷野敦の『文章読本X』がいいが、こちらのほうがより具体的かつ実践的か。

  • レーベルは大学関係の出版社だけれども
    大変読みやすい本で驚きました。
    そう感じたのは過去に読んだ本が
    それはそれは難しかったからです。
    (大学はそういうところ)

    よい文章を書く上ではコツがあるということ。
    一段落当たりの文章を詰め込みすぎると
    やはり頭が忌避するのでしょうね。
    わかりづらくなるわけです。

    実はこの本は最後の章がポイントです。
    メディアは~だといわれがちが原因が
    元記者側の視点から言及されています。

    それに惑わされない読者側の
    考えること、も問われるということです。

  • 2022/01/30

  • 読みやすい文章とはどんなものかなっと思い、
    手に取りました!
    新聞記事の文章スキルの解説書でした!
    たくさんの人がストレスなく
    毎日読む新聞記事だからこそ、
    どんな文章にも応用できる
    文章スキルだなと思いました。

  • 心の思うままに書こうとしていたので、矛盾が発生したり途中でダレてしまうことが多かった。
    粗めに構成を考え、とりあえず書き出してみる。その後に推敲をする、という基本的なことが、文章を書くうえで大事なんだなと改めて感じました。

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著者プロフィール

1973年、広島市生まれ。京都大学経済学部、同修士課程を修了し、1999年日本経済新聞社に入社。東京と大阪の経済部で、金融・証券、年金、少子化問題、エネルギー、財界などを担当。経済解説部で「経済教室」や「やさしい経済学」の編集も手がける。2014年に退社。11月に株式会社報道イノベーション研究所を設立。著書に『新聞の正しい読み方』(NTT出版)、『「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方』(晶文社)などがある。

「2018年 『迷わず書ける記者式文章術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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