幕府海軍の興亡:幕末期における日本の海軍建設

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766424218

作品紹介・あらすじ

▼近代海軍の端緒、その13年の航跡を辿る!
軍事組織としての活動実態を、実証的に明らかにする力作。

本書は、幕末期に江戸幕府が創設した近代海軍、いわゆる幕府海軍の実態を解明するものである。
明治期以降に偏重していたこれまでの海軍研究とは一線を画し、本書では幕末期の海軍建設と、明治海軍との連続性、非連続性に焦点を当てる。
伊勢の豪商竹川竹斎、幕臣勝麟太郎(海舟)ら近世日本人の海軍認識、咸臨丸米国派遣の成果と課題、鑑船運用や経費執行の状況、人事システムの構築、第二次幕長戦争における戦闘の様相、明治政府への移管など、幕府海軍の軍事組織としての活動実態を、広範な史料を駆使して明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 海上自衛官で戦史の専門家である著者が、幕府海軍について書いたもの。調査が精緻で、学術的である。幕府海軍は、歴史的にはわずか13年間の存在であり、陸上戦闘が主体で、海上からの防御は台場を中心として考えられていた時代に、沿岸海軍として運用された。艦隊行動を起こすこともなく、ましては軍艦外交やシーパワーを具現化する主体となっていく海軍思想は持ち合わせていなかったわけではあるが、ゼロからスタートし、薩長との戦いつつ、その存在感を示すようになっていった幕府海軍は、大日本帝国海軍の礎的存在であったことが、よくわかった。

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著者プロフィール

1952年生まれ。
上智大学文学部新聞学科、及び、法政大学文学部哲学科卒業、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程(日本学専攻)修了。
岡山大学文学部助教授、横浜国立大学教育人間科学部教授を経て、現在、目白大学外国語学部教授。横浜国立大学名誉教授。
博士(文学)。

主な著書
『近代大阪語変遷の研究』(和泉書院、1998)、『留学生の日本語は、未来の日本語―日本語の変化のダイナミズム』(ひつじ書房、 2008)、『日本語教育のためのタスク別書き言葉コーパス』(ひつじ書房、2014〈編著〉)、『SP盤演説レコードがひらく日本語研究』(笠間書院、2016〈編著〉)、『SP盤落語レコードがひらく近代日本語研究』(笠間書院、2019〈編著〉)、『日本語の乱れか変化か―これまでの日本語、これからの日本語』(ひつじ書房、2021〈編著〉)。

「2022年 『スキマ歩きの日本語学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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