見えない違い 私はアスペルガー

  • 花伝社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763408655

作品紹介・あらすじ

マルグリット、27歳。
本当の自分を知ることで、私の世界は色付きはじめた。

アスペルガー女子の日常を描く、フランスでベストセラーになったアスペルガー当事者による原作をマンガ化!

「アスピー」たちの体験談と、医師による日常生活へのアドバイスも収録。

大好評『マッドジャーマンズ』に続く、欧州発社会派コミック第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい漫画を通してアスペルガーの著者の見ている世界を知ることができる。
    アスペルガーとして生きる戸惑い、苦しみ、悔しさ、何に癒しや救いを感じるのかをわかりやすく伝えてくれる。
    私自身アスペルガーなので、共感できる所も多かった。特に周りにアスペルガーについていくら説明しても伝わらないもどかしさ。私も何度も落胆し、孤独を感じてきた。
    そしてマルグリットから勇気ももらった。自分に合わない環境に固執せずに、心地良い環境は自らの手で切り開いていくべきなのかもしれない。
    そして先進国であるフランスのアスペルガーに対する理解の遅れに驚いた。
    この本は多くの人の理解を得る手助けになると思う。

  • 周囲とのコミニュケーションが上手くいかない、習慣が崩れるとパニックになる、といった苦しみを抱える女性が、自身がアスペルガーだと知り、アスペルガーについて発信するようになるまでを描いたバンドデシネ。
    キュートな絵だけど、彼女の困難はきっちり伝わる。
    巻末には強い口調で他国に比べたフランスのアスペルガー認識の遅れを述べているが、日本は更に後ろにいるのでは。

  • マルグリットが本当の自分を理解し,自分を大切にする権利が自分にあることを知るまでの道のりが,漫画として描かれています.

    最初のうちは絵の色は淡く,一つ二つの物に色が付いているような状態でしたが,マルグリットが自分や自分を取り巻く環境を知るうちに,マルグリットの住む世界がどんどん綺麗に色づいてきます.

    マルグリットのように,世界中のアスピーたちが自分を愛し,美しく色づく世界を満喫できるようになるためには,世の中の人たちの理解が不可欠だと思います.

    この本のように漫画で描かれていると,発達障害のことをあまり知らない読者も,深刻になりすぎずに読みやすく,とても良いと思います.

  • 精神科の分野は、医師の間でも、そのほかの人々の間でも、理解にバラツキがあって、容赦ない偏見・自己流の見方を伴った言葉で、患者を傷つける。
    ひとりひとり生まれつき違って、育った環境も違うのに、どうして内気や鈍感さは治すことができる・治すべきものと思われてしまうのだろう?
    私が理解できなくても、共感できなくても、見えない違いを尊重したいと思った。

  • フランスで暮らすアスペルガー症候群の27歳の女性マルグリットの視点に立って進む、コミック形式の本。
    アスペルガーについて、第三者が解説をする本はよく見かけるが、このコミックの様に、当人が感じている「世界」がどのようなもので、何に不安や辛さを感じ、どのように傷つけられ、どんな危険に巻き込まれやすいのかを、知ることができる点が、非常に良書だと感じた。
    後、コミックのイラストや色使いがとても愛らしいです。スキ・・・・。

    最終的には、診断を受けて、診断がおりることで、自分をありのまま認めて愛することができるようになったマルグリット。
    読んでいる私も嬉しくて、目から水が出たものです。

    世界は、いわゆる定型発達と呼ばれる人たちが心地よく感じるものを規範として見えないルールができており、そんな定型発達とは異なる人たちにとっては、合わない靴をずっと履かされている様な、大変な苦痛を受けているのだろうと思います。

    「違い」を互いに認め合い、少しずつ「こうあるべき」「これが普通」をツルハシで叩き割って行ければ良いなと感じました。

    巻末に、フランスは他国に比べ、アスペルガーに対する認識や、彼ら(彼女ら)のための環境整備が40年程度遅れているということを知ってびっくり。
    日本も「アスペ」が悪口として使われている現状を見る限り、似た様なものだと思うので、逆に先進的な国ではどの様な受け入れ態勢が有るのか、気になりだした今日この頃。

    この本は、これまであまり発達障害に関心を持っていなかった人にもぜひとも読んでほしい一冊。

    それにしても「発達障害」って呼び方どうにかなんないのかなー。
    全然しっくり来ないのですよ。

  • アスペルガーで悩んでいる人にはおすすめ。「こんな自分、」と思うときのある人にぜひとも勧めたい。私はこの本を読んで、周りに潰されないように、折り合いをつけていくことの大切さを学んだ。マンガになっているので、短時間で読み切ることができる。

  • Twitterで見かけて気になったので読んでみました。
    イラストからもストーリーからも強いメッセージ性を感じます。「悪い」「おかしい」じゃなくて「違う」だけ。これはアスペルガーだけでなく、ジェンダーや障がい者差別問題全体に言えること。理解のある人が増えるといいな。

  • イラストかわいくて、つらさやしんどさや気持ちが視覚化されてわかりやすくて、とてもよかったです。

  • 当事者なので共感できることが多かったです。
    小さい頃から苦手なこと、得意なことのの凸凹があって理解してもらえないことがありました。心ない言葉をかえられ傷つき、今でも思い出してまた同じようなことがあるんじゃないかと人と接すると怖くなって、疲れることが多いです。
    多数のメディアで取り上げられるようになって、認知はされてきていますが、周りにいる人がどのようにサポートしていったらいいのかや、仕事場や教室の環境を変えることはこの本のように難しく、まだまだ進んでいないことがあるように思います。

  • 過去に働いていた会社の専務がアスペルガー(疑い)だと仮定して昔小説を書いていたが途中執筆が止まり、今一度アスペルガーについて勉強しようとチョイスしたのがこの本。
    見えにくい女性のアスペルガーの苦難な生活をとても分かりやすく表現しており、周りの不理解がどれだけ不幸なのかを上手く伝えていた。当人が自覚していないことで周りも不幸になる事には触れていないのが少し残念だったが、それはいろいろ特殊なケースが相まっているのでここは割愛。
    惜しむらくはこの本の色彩感覚。色難でなくともこの本の文字は読みにくい。赤く塗りつぶされた吹き出しの中に赤文字のセリフ。監修は伏字を意図しているのか?とさえ思った。
    全体の構成はパーフェクトなのに青地に青文字、黄地に黄文字とかアホか?と星1減点した。

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著者プロフィール

ナント在住の社会心理学博士。27歳のときにアスペルガー症候群と診断された。自身が運営するブログとYouTubeチャンネルは、累計で150万ビュー以上を誇る。

「2018年 『見えない違い 私はアスペルガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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