- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763408334
作品紹介・あらすじ
移民問題に揺れる欧州
ドイツに衝撃を与えた社会派コミック
モザンビークからやってきた若者たちは、欧州で何を見、何を感じたのか?
3人のストーリーが描く、移民問題の本質。
感想・レビュー・書評
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花伝社のグラフィックノベルを読むのはこれで4冊目。
モザンビークから旧東ドイツにやってきた移民の若者、男女3名の半生が白黒&黄土色の3色で描かれる。一見地味な黄土色の豊かさ雄弁さ美しさに驚かされる。
描かれるのはときに目を背けたくなるような――それこそ絵の美しさを愛でるのが疚しくなるほどの――辛い現実なのだけれども、この本の美しさはひとりひとりの命の価値に等しいのだと思いなおす。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2016年「マックス&モーリッツ賞」最優秀ドイツ語コミック賞受賞作。
1970年代以降にアフリカのモザンビーク共和国から、同じ社会主義の東ドイツに行った、移民の漫画。
インタビューした人たちの話から創造した3人で、それぞれの人生が読めるところもとてもいい。
一回離れると、故郷でも故郷と単純に思えなくなったりするのがよくわかる。いろんな背景があるし、物理的に精神的に故郷かはともかくとして、誰しも心の拠り所みたいなものは必要だなと思う。 -
BOOKMARKから。ドイツとモザンビークの関係とか、全然知らんかった。終戦後、東西に分かれたドイツの政情不安、人種差別、女性蔑視。いずれもモザンビークに根を持つ視点人物3名を通して抉り出される病巣。中でも、帰国か堕胎かっていう強制は、大きなインパクトを持つ。
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モザンビークという国名くらいは聞いたことがあるけれど、モザンビークが冷戦時代は共産主義国だったことも、朝鮮戦争みたいに米ソの代理戦争によってモザンビークの人々が蹂躙されたことも全く知らなかった。
その時期に、日本でいう技能実習生のような扱いでドイツへ渡ったモザンビーク人たちについての物語。 -
社会主義、共産主義国家での移民や労働移動について、初めて知った。東ドイツでこんな事が起きていたとは。アフリカの社会主義の行末は、混乱と無秩序か…。
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私の知らない世界の話。
もっと世界のことが知りたい。
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・移民の実情と感情(内側)を知ることができた。
・移民受け入れによる国全体のHappyの数が増えると良いのだが、どうやら移民を受け入れる側(国)はゼロサムゲームっぽい。
・マッドジャーマンズ=ドイツ製の意味。 -
帯からもっと読みにくい漫画かと想像していたが、文字が少なく構成も良かったので案外読みやすかった。また、ドイツの事情に詳しくないので知らないことも多く勉強になった。日本でも技能実習生の人権侵害が毎日のように報道されており、移民について考えなければならない時代になっている。本書では移民の視点から社会が描かれており、移民について考える良い入門書であると思う。