- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763198518
作品紹介・あらすじ
今日という日を力いっぱい生きるとき、次への夢が見えてくる。外食・介護・教育・環境・農業と幅広い分野で問題提起をしてきたワタミ創業社長が渾身で語った人生論の決定版。
感想・レビュー・書評
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私の「人生観」と「価値観」のすべてが詰まった決定版です。ワタミが今後100年企業になり、私の名前が消えても、この思いだけは残ってほしいという気持ちで書きました。パートも含め、全社員に必ず読むようにと勧めている、バイブルのような本です。
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渡邉氏は、大手居酒屋チェーン「和民」などを経営するワタミ株式会社の創業者であり、現在は参議院議員を務めています。
本書では主に、和民を立ち上げた体験から得た、経営者としての大切な心構え、考え方が語られています。
渡邉氏は幼いころに母親を亡くされており、人生の時間は有限であるということを強烈に実感したといいます。
以来、無駄な時間が一分もない、一日一日を濃くする生き方をしようと思ったそうです。
居酒屋は多くの人が集うゆえに、予想外のできごとが起きることも茶飯事です。
渡邉氏は和民を展開していく中でさまざまなできごとを体験し、そこから感じた大切なことを自ら実践しながら、お店に指導してきたそうです。
本書の渡邉氏のメッセージから、どんな物事にも本気で取り組むという揺るぎない情熱を感じ、とても感銘を受けました。
ワタミで有名な渡邉氏ですが、居酒屋などの外食産業の他に、介護事業に進出しようとしたときのエピソードがあります。
ひょんなことからある病院の経営再建を依頼され、そこで介護の現場を目の当たりにしたことがきっかけなのだそうです。
当時の介護事情における、お年寄りに対する接し方をより良いものにできないか。
思慮しているうちに、自身のご両親・祖父母のことが思い出された渡邉氏は、「自分の親を入れたくなるような施設とサービス」をコンセプトに掲げます。
介護事業を立ち上げて間もなく、ワタミで培ってきた強みが介護に大いに活きることに気づいたそうです。
お客様の喜びに奉仕する手厚いサービス、よりおいしく安全な食事、より使いやすい施設、より低価格の料金など。
外食産業で差別化を図るために強化してきたポイントが、介護事業を発展させるうえで必要な条件であるとわかったそうです。
渡邉氏は「私は介護事業をやるために、20年間外食産業でノウハウを蓄積してきたのではないか」と思えるほど、介護の仕事は天職だと確信できたといいます。
しかしながらすべてが順風満帆だったわけではないようです。
「自分の親に接するような、優しく誠実な介護を低価格で実現する」という理念を打ち出してサービスを開始した当初は、スタッフや従業員の負担が増え、3分の1の人が辞めてしまったそうです。
それでも粘り強くサービス改善に取り組み、新しく採用したスタッフの成長とともに、渡邉氏の理念が反映された介護の土台が1年ほどで築かれます。
理念を明確にすれば離れる人も出てしまいますが、その理念に共感してくれる人だけが残ったり、新しく集まったりすることで、かえって求心力が高まったといいます。
人が辞めていくのはつらかった一方、理念に理解を示し共感できる人が集まることで、それを実現する大きな力になったとも感じたそうです。
私は本書を読んで、「目の前のやるべき仕事に自分で価値をつけること」、「ビジョンを持つこと」の大切さを感じました。
仕事では、必ずしも自分の好きなことだけをやれるとは限りませんよね。
未経験だったり、よくわからないことでも、まずは目の前の仕事に一生懸命取り組んでみることで、自分では思ってもいなかった発見があったり、成長のきっかけになることが私自身もありました。
「進むべき道はいつも予想外の場所にあった」という渡邉氏の言葉は、どんな仕事にも全力で取り組まれたからこその言葉ではないでしょうか。
とても学びの多い、貴重な1冊でした。 -
・「ありがとう」を集める。
・未完成のまま完成する。
・昨日の自分より成長しているか。
リーダーシップ、父親、子育て、人材育成。
家庭も職場も関係なく、それらを切り分けること自体が無意味だと気付かされる。
「自己啓発本」と一言で表現したくない本でした。
人生の節目で再読したい本です。 -
ワタミ。
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◆「もし今日と同じ日が明日もう一度用意されていたとしても、私は今日とまったく同じ過ごし方をする」。氏は一日、一分、一秒、という人生の瞬間瞬間を、真剣に、濃密に、後悔の余地を残すことなく過ごしているのだな、と強く感じさせてくれる。人は一体どう生きるべきか、日々の仕事にどう取り組むことが成功につながるのか、という具体論が散りばめられている。
◇夢を追うプロセスで人は成長し、心を磨き、その人間性を高めていく。夢を追うことは人生そのもの
◇人生最大で最終の目的、それは人間性を高めることであり、夢とはいわば、そのための手段に過ぎない
◇静かにゆっくりと、驕ることなく、おもねることもなく、あせらず、くさらず、前向きに明るく行く人が、もっとも遠くまで行ける「強い」人
◇仕事とは人生そのもの。よく働くことは、よく生きることに他ならない。仕事をごまかすことは人生をごまかすことになる
◇幸せは外からもたらされるものではなく、自分で作り出すもの。幸せそうにしている人にこそ幸せは訪れる -
稲森和夫の著書で「生き方」っていう本があるんだけど、
その本と同じ出版社、表紙のデザインも同じ形式。
渡邉美樹も気になってたけど、
表紙のデザインが気に入って購入。
内容は和民の理念ともなっている彼の人生論。
ひねくれた言い方すると、基本みんなきれいごとなんだけど、
「おっ?!」って思うことも言ってるし、
役立ちそうなことも言ってる。
なによりその「きれいごと」を実現してきてる実績があるし、
会社も成功してる。
だから彼にはきれいごとを語る資格があると思う。
うん、割と好き。 -
人は必ず死ぬ。人間の時間は有限でありしかもその生命の終焉は自分が考えるよりもはるかに間近にあるものだ。誰と比較してもどう己を装ってみても自分は自分以上ではなく自分以下でもない。比べるなら昨日の自分。凡事が出来ない人に大事は望めない。大切なのは上手に生きるより本気で生きる事。夢を手に出来るか否かはもう駄目だと思ってからさらにあと5センチ進む粘り強さを発揮できるかにかかっている。勉強よりもまず挨拶の出来る人間になる。
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自分の好きなワタミ社長の本。
本書でも書かれているようにこの本が集大成であり、人生観については一番内容が詰まっています。
この本を読んで強く感じたのは、
彼は生きることを当たり前のことと考えず、日々を大切に生きているということです。
それが彼の強さの源泉なのではないでしょうか。
あとは下記にも出てきますが、
・90度のお辞儀をすることには意味がない。
・目の前のことも変えることができなければ、大きなものは変えられない。
というのが目からウロコもので、言われてみれば当たり前の内容なんですが、
それを当たり前のこととして意識できている美樹さんはすごいと思いました。
【内容】
(人生)
私にとって、人生とは「一円玉の詰まったガラス容器」というイメージです。
~そして、私たちが一日生きるごとに一円玉は一枚ずつ下へ落ちていきます。
~しかし、そのなかに一枚だけ金色の一円玉が交じっていて、その金色の一円玉が落ちたとたん、
残りすべての一円玉も一気に落ちてしまう。
つまり、それが死です。
(夢を追うことで成長できる)
夢をかなえるよりも夢を追うことのほうが大切なのは、その過程で、私たちの「人間性を高める」ことが可能になるからです。
なんでもいいから、ひとつの夢や目標を描く。それをなんとか現実のものにしたい。
そう思ったら、私たちは否応なく努力というものをしなくてはなりません。
どんな小さな夢でも、それを達成するには多かれ少なかれ、苦労や辛抱、がんばることやがまんすることが必要になってきます。
(マニュアル)
マニュアルの怖さもここに潜んでいます。マニュアルを遵守していれさえいれば合格点が取れる、
その「安心感」がサービスから魂【相手に対する愛情、やさしさや思いやり】を欠落されてしまうのです。
サービスのほんとうの目的はトイレのチェックをすることではなく、お客様に快適な空間で飲食していただくことにあります。
”90度1秒”のお辞儀をすることではなく、お客さまに来店へのお礼を目いっぱい表現することにあります。
(夢はあきらめるな)
夢を手にできるか否かは、「もうダメだ」と思ってから、さらにあと5センチ進む粘り強さを発揮できるかにかかっています。
(日本の農業を変える)
目の前の小さなことから始めないとどんなことも変わっていきません。
その小さな一つから変えていけば、やがて、大きな岩も動くかもしれない。
だから私は、たかだか一本の木を植えること、一個の野菜をつくることを躊躇したくないし、あきらめたくもないのです。 -
Kodama's review
先々週、財務担当取締役の〇〇さんが訪独した際に手渡された1冊。
著者の書籍は今までに何冊か読ませて頂いていますが、誠実な方だなぁといつも思います。そして、しっかりと経営の軸をお持ちで強くそれに突き進まれている印象をいつも受けます。今回も多くの刺激を受けました。
(09.7.19)
お勧め度
★★★★★