新編「男の作法」 (サンマーク文庫 い 2-1)

著者 :
制作 : 柳下要司郎 
  • サンマーク出版
3.76
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本棚登録 : 251
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763160058

作品紹介・あらすじ

男をみがく。生き方を考える。文豪が説く「粋」の真髄とは。男をみがくとは、どういうことか?「食べる」「住む」「装う」「つき合う」「生きる」-それぞれの場面で文豪が説く「粋」の真髄を、数ある池波作品から収録、再編集した新編・作品対照版。味わい深い言葉の数々が、作品中の人物や出来事や風物と呼応する。池波ファンはもとより、読んだことのない方の入門書としても最適の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 偏りあり。
    ただし、随所に印象に残る箇所あり。

  • 冒頭に記述してある通り、女は亭主が出かけるときに靴を磨くなど、時代の変化によって、今では受け入れがたい内容も多少はある。しかし、昔も今も変わらずに心に留めておくべきことが食や住居、人との付き合い方に至るまでの様々な話の中に散りばめられていた。自分の傲慢さや無知を認めて謙虚さを持って人と接すること、休日などの自由な時間に何をして過ごすか、その積み重ねが数年後に違いとなって現れることなどの話は、背筋が伸びた。私は女だが、勉強になった一冊で、書の中の"男"を"人"と読み換えて咀嚼した。

  • こう振る舞うべきと考えさせられる本

  • 【作法とは神経の配り方】
    特に他人に対していかに神経を配れるか、ということが作法の神髄なのではないかと感じた。

    飲食店で、
    ・てんぷらは揚げたそばから食べなさい
    ・寿司屋でわさびは醤油に溶かすな
    と説くのは、食べ物を一番美味しい状態で食べるという店主への心配りから。
    チップ、心づけは、店員への心配り。
    年賀状に必ず自分で書いた絵を入れるのは出す人への心配り。

    逆に、いい女性を語るときも、電話ですぐに切らない女がいい女。それは男への心配りだ。

    最後に、自分への心配り。
    ・結果への努力だけでなく努力するプロセスも大切にすること
    ・若いうちは何でも手を出してみること
    ・男の顔をいい顔に変えていくことが、男を磨くという事
    ・理屈では通らない中間を信じる
    ・占い、迷信はそれが自分のいい癖につながるなら信じて損はない
    今の世の中では、黒か白かではっきりするものしか信じられないという場面も多い。しかし、中間色のものも自分の人生を豊かに生きられるなら信じてもいいのではないかという池波正太郎のメッセージは心に響いた。

  • 前回よんだ「男の作法」の新編集版。
    池波氏のエッセイだけでなく、池波氏の小説、他のエッセイ等から場面やセリフを選りすぐり場面場面に散りばめている。
    「男の作法」の真髄は「みっともないこと」「恥ずべきこと」をいかに自戒するかだ。

  • 今迄、彼の作品は読んだことかない。
    鬼平、梅安などの作品はすべて映像で知ったもの。
    その物語の世界観、映像美に魅了されてました。
    そろそろこの方と正面から向き合いたくて本書を拝読。
    もっと早くに読んでおいた方がよかったですね。
    美について考えるよい機会を得ました。

    死を意識することで、仕事、金、時間、職場、家庭、男と女の
    様々な人間関係、衣食住の全て、男のみがき砂として役立たないものはない。

  • 必須。

  • 自分にもこういう父親がいればなぁ、というのが正直な感想である。自分のダメなところを隠さず、価値観を信じて行動することの大事さを思い知る。
    男尊女卑の記載がみられるが、作者の年齢を考えれば仕方ないとは思うがたいへん残念だ。

  • 人生哲学とか大仰な事を言うつもりはないけど、しっかりした生き方をしている人のエッセイは重みがあるなぁ
    説得力があるといっても過言ではない

    一番共感したのは「時間の約束を守る」ってところでしょうか

  • 人生を美しくする心について書かれた本。死を意識して、有限を意識して生きることで、相手と自分に対する敬意が生まれると思った。人の人生も一回だけ。それを意識して行動しよう。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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