- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763136886
作品紹介・あらすじ
スタンフォードで必須とされるリーダーシップ講義。
心理学者が学生たちに教える「人心の科学」とは
★スタンフォード大学医学部で開講される
「人心原理」から「支持の仕組み」を読み解く授業、
独占・初公開
★展開されるのは、心理学×脳科学×緻密な企業調査で算出された
「超・現実的な組織論」と「超・具体的なやるべきこと」
★「集団心理」がリーダーに牙をむく。
残酷な部下心理に立ち向かう、エビデンスベースの具体策の数々
★ハーバード、東大、スタンフォード……
世界のトップ大学で教鞭を執った著者が
そのエッセンスを1冊に凝縮!
世界最高学府・スタンフォード大学で「必須」とされる
リーダーシップ論の授業。
それを受け持つ心理学者が
「支持が生まれる仕組み」と「最高の求心力が身につく方法」を、
科学的なエビデンスを総動員して分析!
・人は、「優秀な人」が嫌い
・一人の声が「全員の総意」になり、「悪評」が定着する
・リーダーには「努力賞」は存在しない
リーダーが日々対峙するチームメンバーに働く「集団心理」。
集団心理を分析して見えてきた、求心力あるリーダーに必須の資質「アサーティブ」とは?
アサーティブ・リーダーの実態、
そしてアサーティブ・リーダーになるために必要な「4つのリーダーシップ」を
身につける具体的な方法を科学的根拠とともに紐解く。
現職のリーダーも、これからリーダーになる人も、
全組織人が「知っておくべきこと」と「具体策」をこの一冊に凝縮――。
感想・レビュー・書評
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総評
「We are the leaders:私たちは皆リーダーである」の考えをベースに、世界屈指の教育機関であるスタンフォード大学で実際に講義として提供している内容が盛り込まれているため、事例とロジカルのバランスがよく、丁寧に理解しながら読み進めることができます。心理学の専門家である著者らしく「人はシステムやロジックだけではなく心で動く。心理への洞察こそが肝心である」という考え方が終始大切にされているため、読み進めながら自身の心も熱くなります。本書への向き合い方として認知行動療法に関連づけて、知識を得ることだけでなく、行動を起こすことで考え方も行動も変わる好循環につながる。「知の書であり実践書でもあります」という心理学の専門家としてのメッセージが込められています。組織からプレイングマネージャーとしての成果を求められているリーダーの方々には必読の一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アサーティブ、、、アグレッシブとパッシブの間、個人の所感では限りなくアグレッシブに近い
変容性リーダー、対してfixedリーダー、左派と右派
Googleでも部下と相談する時間をよく持つ
部下に号令をかけ自分が前に出るのではなく部下を前に出して活躍させる 例、アパルトヘイトから人類を解放した南アフリカ大統領 -
チーム作りに必要なリーダーシップのあり方を学べる本です。
リーダーも人間です。リーダーになったからといって、そこから何でもできるようになるわけではありません。
強みを生かして、どうメンバーの心をつかみ、信頼を得て、チームに良い変化を起こせるかで、関係が持続できるかが決まってきます。
リーダーとなったが、どう振る舞ってよいか戸惑っている人などに、心構えと、実際に効果的な手法を教えてくれる1冊だと思いました。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「リーダーシップを発揮するには、まず『内容』が大切。次に来るのが話し方。難しい言葉を用いず、わかりやすく話しても、その奥にその人独自の知恵と知性が感じられる人が、求心力あるリーダー。」
「リーダー自身が『変われる』と信じる。『弱さを見せる勇気を持ち、リスクを取ってチャレンジする姿勢』でいれば、成長のマインドセットを育むことができる。人は『環境』によっても変わる。リーダーになって、埋もれていた部分が、突然伸びることもある。時として、役割が人を育てることがある。」
「成果を出し続けられるチームとは、人と人とが壁を超えて付き合っていける、最良の人間関係を長く続けられるチーム。リーダー自ら壁を知り、お互いの『違い(多様性)』を尊重しつつ、壁を超えて協力し合うよう働きかければ、チームのメンバーは長期的に良好な関係を築くことができる。」
→リーダーとして、チームの中でその人にしかない「強み」を生かす。自らがリスクを取ってチャレンジする。時としてチームを俯瞰し、チームの課題に気付き、解決する。創業における起業者が大事にすべきことと基本は同じなのだな、と感じました。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
○リーダーシップの原則
・心理学は社会科学の1つで、人間の心と行動の結びつきを知るための学問。心理学者は、「心についての知識」を得ただけでは意味がなく、「心についての知識+心を持つ人間がどう行動するか」の2つを知っておかなければならない。
・「リーダーは人を動かさねばならず、人はシステムやロジックではなく、心で動く」。人を動かすために必要なのは、人間の心理への洞察。だからこそ、心理学というフィルターを通じてリーダーシップを考察する意義がある。
・リーダーシップを備えた人がお互いに影響を与え合う職場は、組織として強くなる。一人ひとりが「自分が今、何をすべきか」を決定せねばならず、全員がリーダーシップを発揮して、その決定をシェアして、最終的な判断を下し、最善の道へ一体となって進んでいくことが、仕事の現場で最高のパフォーマンスを発揮するということ。リーダーシップを発揮する働き方は、その人個人を成長させる。
・考えると同時に行動することで、考え方も行動も変わっていく好循環が起きる。
○リーダーを取り巻く現実
・リーダーとは完璧な人間ではない。失敗も間違いもするし、弱点もある。そのような自分の弱さを認められることこそ、本当の強さ。率直さ、潔さ、正直さが「人間として信頼できる」という実感を部下にもたらす。
・リーダーシップを発揮するには、まず「内容」が大切。次に来るのが話し方。難しい言葉を用いず、わかりやすく話しても、その奥にその人独自の知恵と知性が感じられる人が、求心力あるリーダー。
・リーダーは、自分のメリットだけを確保するのではなく、全体のメリットについて心配りができる。必要なのは共感する力。リーダー個人の成果ではなく、「チーム全体の成果」にリーダーが焦点を合わせることで、結果的に何倍もの成果が生み出される。
・言葉を用いる考えの伝染に時間がかかるのに対し、感情の伝染は、まったく意識をしなくても、自然に、あっという間に広がってしまう。チームの1人が抱いたリーダーへの不信感も、ほかの人に伝染していく。
・人は変化を怖がる。特に「変化を与えられる者」にはその心理が強く働きやすい。ひとたびチームがリーダーに対して嫌悪感を抱くと、その評価は「集団心理」と「現状維持バイアス」が掛け合わさってなかなか覆らない。
○求心力ある先導者
・自己と他者の両方をバランスよく尊重し、ウィンウィンを目指すリーダーになるには、自分自身と相手の心を理解することが必要。リーダーが自分を知らなければいけないのは、自分の心を知ることで相手の心がわかるようになるから。共感はリーダーシップの大切な要素。
・他者の感情を感じて、客観的でいることが必要。一緒に泣いていたら、共倒れになる。正しい距離を保ち、言うべき指摘はきちんとする「積極的な思いやり」を持つ。
○人心を掴む「土台」を築く
・①「弱さ」を認める、②常に「初心者の心」を持つ、③「人」と比べない、④自分の「生涯の大きな目的」を見つける、⑤マルチタスクをやめて「超・集中状態」になる、という5つで「自己を知る」ことができ、結果として「他者を知る」効果もある。5つは連動していて、1つがうまくいけば、別の方法もうまくいく。
・日常的なことから「言っていること」と「やっていること」、言葉と行動を一致させていく。小さな約束を守る。むやみに約束をしない。まずは、何があっても「時間」を守る。
○本物の「信頼」をたぐり寄せる
・リーダーが部下に話す時は、語るのではなく、質問する。部下に関心を持つと、相手も自分に関心を持ってくれる。常にポジティブな面に注目する。ネガティブな失敗の中にも、必ずうまくいった部分はある。自分の考えや経験を押し付けて誘導する質問は、部下が萎縮する「やってはいけない質問」。
○チームに「変容」をもたらす
・リーダー自身が「変われる」と信じる。「弱さを見せる勇気を持ち、リスクを取ってチャレンジする姿勢」でいれば、成長のマインドセットを育むことができる。人は「環境」によっても変わる。リーダーになって、埋もれていた部分が、突然伸びることもある。時として、役割が人を育てることがある。
・モチベーションを引き出し、成長という変化を起こす。①共感を呼べる、自分の失敗談を含む物語を語り、②価値観を共有するため、チームがどうあるべきかを語り、③チームの緊急の課題や問題点を語る、という3つのストーリーが役立つ。人はだれでも「自分は変われる」と信じたい。変わるためなら、リスクを取ってチャレンジできる。
・苦手でもフィードバックをすべき。部下を成長させ、変化させるには有効。頻繁で具体的なフィードバックは、「安心して働けるチーム」という文化を育み、部下の満足感、仕事への没頭度合い、パフォーマンスを高める効果がある。部下「個人」がどう働いていくかをフィードバックし、認めると、部下は自分の価値を実感し、より仕事に打ち込む。
○持続的な「最良の関係」を確立する
・成果を出し続けられるチームとは、人と人とが壁を超えて付き合っていける、最良の人間関係を長く続けられるチーム。リーダー自ら壁を知り、お互いの「違い(多様性)」を尊重しつつ、壁を超えて協力し合うよう働きかければ、チームのメンバーは長期的に良好な関係を築くことができる。
・人間一個人が持つ壁は、①文化・慣習(政治信条、宗教を含む)、②行動様式、③前例、の3つに分類できる。個性という「良い壁」にも、自分の成長を阻む「悪い壁」にもなる。それぞれ、生まれ育った地域や環境、ビジネスなどで違う。
・ビジネスの現場では、①パワー(権力)、②男女、③世代・年齢、④ステレオタイプ、の4つの代表的な壁がある。必ずしも悪いものではないが、対処法を間違えるとチームを断絶する原因ともなる。
・人はビジネスの場で、①権力、②成果、③親和、の3つの欲求を持つ。①と②が強すぎると、旧来型の強権的リーダーになってしまうので、③の親和欲求をうまく使うべき。「感謝すること」が、個性を尊重しながら団結できるチーム作りに有効。
○リーダーの特権と責任
・真のリーダーシップとは、自分の人生を自分でコントロールするために、自分を知り、自分のリーダーになる「勇気」。そこから、真のリーダーへの変容が始まる。まずは、自分自身の可能性を引き出す。自分の仕事と生活をより良くすることを、ほかの人々の仕事と生活をより良くすることにつなげると、組織、社会貢献につながる働き方となる。
・ポジションゆえの「権利と特権」があっても、それは、チーム一人ひとりをより良く導くという「責任」でもあることを忘れないこと。 -
率直に自分の弱さを認める。
必要なのは共感する力。
全体のメリットを考える。
毎日毎日努力をし続けること。
誰かがちょっと話しかけただけでも、不安から解消されパフォーマンスは向上する。
謙虚な気持ちで人に奉仕する。
成果は部下のもの。
自ら変わろうとする主体性を持つ。
人の長所に注目する。 -
( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 )
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職場だけでなく夫婦間や子どもに対してもとても参考になる
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「スタンフォード式」とやや眉唾的なタイトルはサンマーク式であると理解して(英語タイトルはThe Way of Ultimate Leadership)、リーダーシップ論の書籍としては分かりやすく実践的、取り組みやすそうで包括的、といった非常に質の高い内容であった。
著者はリーダーシップ理論の研究者であり教師でもあり、またカウンセラーとてしての姿もあり、本の随所にとても真摯で誠実な人間性が滲み出ていた。自身の出自や青年期の葛藤などの経験も織り込み、リーダーシップは誰かどこかの偉い人達だけのものという誤解を解き、一人一人がリーダーシップを発揮することの大切さが説かれている。
本書は名古屋商科大学MBAのリーダーシップの授業で取り上げられていると知人から紹介され、果たして日本のMBAでどのようなリーダーシップが説かれているのか興味を持ち読んでみた。内容は自分が海外のMBAで学んだリーダーシップ論と大きな変わりはなく、分かりやすい日本語で書かれている分、文献としては非常に役に立つものだと感じた。リーダーシップ論もひとつの学問領域として国際的な研究が進んでいるので、世界のどこでも基本的な内容はある程度合意が達成されているのだと実感した。 -
冒頭に「私たちは、皆リーダーである」という
書き出しで始まります。
自分自身の中にリーダーシップを探すのがこの
本の主題です。
つまり「リーダーという人は、これこれこう
いう能力を発揮しなくてはならない」という
内容ではなく、「ビジネスパーソンとして
こういう考え方、行動は必須である。そして
これこそがリーダーシップと呼ばれるもので
ある」と結論付けます。
それは組織人として為すべき課題の再確認
でもあります。
小手先の技よりも人間性に主眼が置かれた
指南書です。