問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761527433

作品紹介・あらすじ

メンバーを本気にさせ、チームの成果を引き出すワークショップの極意

商品開発・組織変革・学校教育・地域活性の現場を変える戦略&スキル

ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。
問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。

商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等の現場で、ファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。
メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。

感想・レビュー・書評

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  • いっやぁー、めちゃくちゃ良かった!

    facebookにひょろりと入った広告から辿ってみたので、そんなに期待してなかったんだけど。

    私は、あまりワークショップは好きではなくて。
    同じ目的を共有できていない感があるし、その流れに任せて、各人の自慢大会になってくるか、座談会になってくるか……で、まとめる時だけ適当にごまかしてきたからです。

    でも、何を問うのかって当たり前だけど、大切。
    事故目的的ではなく、本質的な問い。
    そして、色んな業界に共通する「良い問い方」があるのなら、それを構造化出来るんじゃないかと考えた筆者、すごいと思う。

    なので、どんな問いを立てると良いか、それをどうファシリテートしていくか、かなり具体的な方法が載っていて、読んでいてワクワクする。
    反対に、自分が問いを立てる側になった時、どんな動きをするか、どこで時間をかけるか、そういうデザインのイメージもちゃんと得られます。

    んー。そういう問いがあれば、自分も楽しみながらワークショップを受けられるのかな、と。
    まぁ苦手は苦手だけど。

    値段も文章の量も、ちょっと頑張らないとって感じではありますが、もう一回読み直そうと決めた本です。面白かったー。

  • 1.

    2.

    3.問いかけの作法よりも理論っぽい説明が多く、読むことに多少苦労した印象を持ちました。しかし、書いてある内容は、とても大切なものばかりです。「問い」とは自分だけではなく、相手に対してプラスな影響を与えていくことが本当の役割なのだと思いました。自分自身では気づかないことを問いによって固定観念を外してあげることや視点を増やしてあげることは他者だからこそできることです。
    これから気を付けていきたいことは「尋問にならないこと」です。つまり、自分が聞きたいことだけ言って終わることから卒業することです。自分が聞きたいことがあるのはもちろんですが、いかに相手の気持ちを深堀り、整理しながら自分の聞きたいことを導き出すことも大事です。対話を重ね、本書の言う「創造的会話」を実現し、仕事やプライベートをさらに楽しくしていきたいと思いました。

  • 岐阜市に「不登校児専門公立中」開校。除幕式で会場を涙させた京大准教授のスピーチ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
    https://forbesjapan.com/articles/detail/40608

    『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』安斎勇樹・塩瀬隆之 著 | 学芸出版社
    https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527433/

  • ちょっと仕事で必要になりそうだったので、
    ざざーっと必要なところを拾い読みしたのですが、
    そんな適当な読み方にもかかわらず、
    この本は結構なスゴ本だというのが読んでいてヒシヒシと感じます。

    残念なのは、ちょっと堅苦しそうなタイトルで、
    中々読者が読もうという気にならないところ。
    タイトルの設定が間違っているわけではないのですが、
    もっと多くの人に読んでもらってもよい本だと思いますし、
    とっつきにくそうなタイトルですが、予想外に読みやすくもあります。

    個人的にドキっとさせられたのが、
    「問題と課題の違いは何でしょうか?」というもの。
    そんなの考えたことなかった…。
    というより、同じと思っていたんですけど。。

    著者の理解では、問題と課題の定義は、以下とのこと。

    問題:何かしらの目標があり、それに対して動機づけられているが、到達の方法や道筋がわからない、こころみてもうまくいかない状況のこと

    課題:関係者の間で「解決すべきだ」と前向きに合意された問題のこと

    なるほど、著者の理解では、問題のサークルの中の一部が課題なわけですね。
    結構分かりやすい。。

    ファシリテーションに限らず、良質の「問い」を見つけることは、
    全てのビジネスパーソンにとってとても重要なので、
    多くの人の読んでもらいたいスゴ本です。

    自分もちゃんと読み直します…。

  • 【橋口】
    正しく問いを立てることで、相手から必要な情報を引き出しやすくなり、活発なコミュニケーションを生み出すきっかけにもなると思いました。どういう問いの因数で、構造的に文脈を組み立てていくのかそのワークフローやヒントがこの本に書かれているため、汎用性の高い書籍といえます。

  • 問いは非常に大事な思考の起点であり、タイトルに強く惹かれて読書。
    本質的な思考法・切り口を伝えてくれる良著

    メモ
    ・認識と関係性の固定化の病い  
      認識が当たり前となり固定化 変化の足枷に
      コミュニティにおいて暗黙で関係性固定化 ズレが固定化してしまうこと。

    ・問いのデザイン 2段階
      1.問題の本質をとらえて、解くべき課題を定める
      (課題のデザイン)
      2.問いを投げかけ、創造的対話を促進する
      (プロセスのデザイン)

    ☆問いの基本性質
      問いの設定により導かれる答えは変わりうる 
      問いは思考と感情を刺激する(問いによって過去未来、低い浅い、思考が変わる。伴って印象感情も変わる)
      問いは集団のコミュニケーションを誘発する
      対話を通して問いに向き合う過程で個人の認識は内省される
      対話を通して問いに向き合う過程で集団の関係性は再構築される
      問いは創造的対話のトリガーになる(角度を変えた具体化を進めた、背反的要素を含んだ問いにすることで深い議論につながりうる)
      問いは創造的対話を通して新たな別の問いを生み出す

    ・問いから生まれるコミュニケーション4つ
      討論 どちらが正しいかを決める
      議論 合意形成意思決定のための納得解を決める
      対話 自由な雰囲気の中新たな意味づけをつくる
      雑談 自由な雰囲気の中気軽な挨拶や情報交換

    ・対話は決着をつける必要はなく、異なる価値観に触れ、自分自身の前提をメタ認知しながらお互いに素朴な疑問を投げかけたり、違う角度から意見を述べたりしながら共通の意味を探っていく

    ・問いを通じた探求サイクル
     問いの生成と共有
     →思考と感情の刺激
     →創造的対話の促進
     →認識と関係性の変化
     →解の発見・洞察
     →問いの生成と共有

    ・問いとは人々が創造的対話を通して認識と関係性のを編み直すための媒体

    ・課題設定の罠
      自分本位
      自己目的化(トレンドからの設定)
      ネガティヴ・他責
      優等生
      壮大

    ☆問題を捉える思考法
      素朴思考 率直にわからないことをベースに
      天邪鬼思考 批判的に盲点や裏側を考える
      道具思考 関連知識・FW活用を考える
      構造化思考 構成要素の関係性を分析整理
      哲学的思考 本質を考える。そもそも論。◯らしさとは。

    ・課題を定義する手順
      要件の確認→目標の精緻化→阻害要因の検討→目標の再設定→課題の定義

    ・目標精緻化ポイント
      期間で短期中期長期にブレイクダウン
      優先順位づけ
      目標性質で成果目標・プロセス目標・ビジョンの3種類に整理

    ・目標の阻害要因
      そもそも対話の機会がない
      当事者の固定観念が強固
      意見が分かれ合意形成できない
      目標が自分ごとになっていない  
      創造性や知識が不足している

    ・リフレーミングのテクニック
      利他的に考える。
      大義を問い直す
      前向きに捉える
      規範外にはみだす  
      小さく分割する
      動詞に言い換える
      言葉を定義する  
      主体を変える
      時間尺度を変える
      第3の道を探る

    ・ワークショップの定義
      普段とは異なる視点から発想する対話による学びと創造の方法


    ・ワークショップの四つのエッセンス
     非日常性、協同性、民主性、実験性

    ・ワークショップの問いのデザインの手順
     課題解決に必要な経験のプロセスを検討
     経験に対応した問いのセットを作成
     足場の問いを組み合わせてプログラム構成

    ・問いの制約設定
      価値基準を示す形容詞を付加(快適な、豊かななど)
      ポジティブとネガティヴを示す(魅力、課題)
      時期や期間を指定
      想定外の制約をつける(想像してなかった切り口)
      アウトプット形式に制約(三つの条件は?
    起承転結で表すと?など)

    ・足場の問いのテクニック
      点数化
      グラフ化
      ものさしづくり(評価軸の議論へ)
      架空設定 もし〰なら?
      そもそも
      喩える

  • ファシリテートの本とはいえ、普段のコミュニケーションの中で使えるhowtoばかり。
    言葉の紡ぎ方によってそのさきのものは変わりうることがよくわかる。同じ意味のことでも、ニュアンスが違えばそれを聞いた人の感情や思考は変わりうる。
    好奇心とか、深い思考って人間誰もが持っていて、興味をもった大将に対してはinterestingと感じることができる。それを創発できることはとても楽しいことだし、そのヒントがたくさん詰まっている。

  • 人々の関係性の中に知が宿り、意味が形成されて、アイディアが発露してゆく。そのための問いの立て方と対話のあり方についてまとめられており、とても面白かった。ワークショップに限らず、日々の仕事やちょっとした対話でも活かしてみたいと思える考え方が多かった。

  •  ワークショップを作る人、オンライン会議などを仕切るリーダのための本である。実践者にとっても他の一流の実践者の思考法が学べるという意味でも価値がある。
     オンライン会議が当たり前になった昨今、ファシリテーション、ファシリテーターという呼び方も一気に浸透してきた。一方で、会議術の本は数多あれど当然だが対面前提のプロセス解説がほとんどなので役に立たなくなりつつある。オンライン会議は企業や個人の環境に依拠してしまうため標準的なものを提示しにくいということもある。
     この書籍では「問い」がいかにファシリテーションにとって大事かという本質を具体的な事例や学習等に関する理論に基づき解説している。かつ筆者自身の「素朴思考」「天の邪鬼思考」等のコアスキルがどう「問い」と結び付けられるか開陳されている。こういう内容は弟子になる、団体に所属するなどで受け継がれるところだとは思うが書籍で得られるというのはなんともお得な話である。
     グラフィックレコーディングを仕事にしている小生であるが一緒に仕事をしたいと思っている方の一人である。

  • こんなに実践的な内容を本で公開してしまっていいのだろうか、、、不確実な世界を生き抜くために必要な問いを立てるスキルは万人に必須なので、この本も万人に必須だと思います

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著者プロフィール

株式会社ミミクリデザインCEO。株式会社DONGURI COO。東京大学大学院情報学環 特任助教。CULTIBASE編集長。
東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。人と組織の創造性を高めるファシリテーションとマネジメントの方法論について研究している。主な著書に『問いのデザイン――創造的対話のファシリテーション』(学芸出版社)、『協創の場のデザイン――ワークショップで企業と地域が変わる』(藝術学舎)がある。

「2021年 『ワークショップデザイン論 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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