思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ

著者 :
  • かんき出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761275143

作品紹介・あらすじ

いつもの絵本が、子どもの能力を伸ばす最高の教材に変わる!

「読み聞かせ」と聞いて、あなたはどんな光景を思い浮かべますか?
親が絵本を読み、それを子どもが静かに聞いている。
多くの人がこんな光景を思い浮かべることでしょう。
じつは、こんな「いつもの読み聞かせ」に、あることをプラスするだけで、子どもの能力が飛躍的に伸びる方法があります。

それは、読み聞かせの最中に親子で「やりとり」をすること。

たったこれだけのことで、「自分で考える力(思考力)」や「読解力」「自分の意見を言う力(伝える力)」など、社会を生き抜くために必要なさまざまな子どもの能力を育むことができるのです。
「ネットやテレビで言っていることは本当なのだろうか?」「この情報は自分にとって役に立つものなのか?」と、情報を読み解き、自分で考える力、そして、その考えを相手に論理立てて主張する力は、現代の子どもたちに求められる必須スキルです。
本書では、ハーバード大学をはじめ、アメリカの大学で長年研究されてきた、子どもの能力を伸ばす絵本読み聞かせのメソッド「ダイアロジック・リーディング」を紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • 絵本の読み聞かせをしていて、1歳を過ぎた頃から随分反応も返ってくるようになってとても楽しい。
    そんな時にこの本のことを知って読んでみた。

    本書で紹介されている日米の絵本の読み聞かせの対比がとても興味深い。日本では親は絵本の文章をひたすら読んで、子供はそれを黙って聞いている。けれど、アメリカでは親子ともに質問をするなどやり取りが多い。

    日本式が悪いわけではないけれど、本書では子供の「思考力」や「伝える力」を育む読み聞かせとして、ダイアロジック・リーディング(アメリカの研究者が提唱している子どもと対話しながら行う絵本の読み聞かせ)を紹介している。

    私自身は絵本は静かに聞いていたいし、物語に没頭しているときに話しかけられたくないので日本式の読み聞かせが大好き、と思っていたけれど、無意識ながら同じ絵本を何度も何度も読んでと言ってくる子どもに対して、結構書かれている文章以外のことを話したり問いかけたりはしていた。
    ただ、それは無意識に行ってきたことだから、年齢が上がっていくにつれて、子どもが静かに話を聞けるようになるにつれて、やらなくなっていたと思う。

    初めて読むときや、没頭しているときに子どもとやり取りをする必要はない。
    けれど、何度も読んでいる絵本を通して子どもとやり取りをする中で子どもの理解力などを知って世界を広げていくのはとても魅力的に思えた。

    2~3歳のうちは「見る力」「聞く力」「知識・語彙力」を積極的に高め、4~5歳以降は「考える力」「伝える力」を重点的に伸ばしていくといいでしょう、との記載も大事なポイントでしょう。

    私自身、対話は得意な方じゃない。
    字のない絵本は、うまく読めないから避けていた。でもあまり堅苦しく考えずに、子どもの反応を見ながら読んでみてもいいのかもなぁと思った。
    具体的に絵本の紹介と併せて、こんな問いかけもいいよと提示してくれてるのでわかりやすい。子どもが言葉をもっと喋るようになってきたら、また楽しいだろうな。

    紹介されている本も興味があるので読んでみたい。
    *『絵本で育てる情報分析力-論理的に感がる力を引き出す』『絵本で子育て 子どもの育ちを見つめる心理学』

  • ダイアロジックリーディングとは、子供と対話しながら行う絵本の読み聞かせです。
    日本とアメリカでは絵本の読み聞かせの認識が違うらしい。アメリカでは、言語教育を意識しており、日本では、親子の絆を重視しているらしい。
    日本は物語の創造性、倫理観を養ってほしいという気持ちがある。
    親と子の相互のやり取りがないのが日本。親が一方的に喋り子供は静かに聞く。よって、聞く力が高まり、質問力が低下する。
    うるさいぐらいに子供が喋るのがアメリカらしい。
    これが、両国の積極性に違いを与える。
    この本で紹介されていた「大きな木」という作品。本屋で立ち読みしたがすごい作品だった。買っても良いと思った。
    子供の頃にどのような育てられ方をするかによって、本が好きになるか、高い理解力、質問力、考える力に違いが出るらしい。20代の私は、どうすれば理解力、質問力、考える力を高めることができるかを知りたかった。
    しかし、現在子供を育てている親、これから、父親、母親になる人に勧めたい一冊。

  • 絵本を読み聞かせるときにやりとりをすることで、語彙力や伝える力が伸びるということがとても理解できた。
    普段からもやってはいたが、「本人が集中しているのを邪魔しているのではないか」「勉強っぽくなっているのではないか」とこれでいいのか迷いがあったので、堂々と続けようと思う。
    まずは子が3歳の間までは語彙を伸ばすことをメインに、4歳以降は考える力と伝える力を意識して問いかけてあげようと思う。また、小学生以降も読み聞かせ継続するぞ〜!

  • 【キーメッセージ】
    ・ダイアロジック・リーディングをすることで、思考力、読解力、伝える力、自分の意見を言う力、すなわちこれからの社会を生き抜く力を身につけることができる
    ・ダイアロジックリーディングとは、アメリカで生まれた、言語教育を目的とした絵本の読み方。

    【アメリカと日本の読み聞かせの違い】
    ・アメリカの親は、絵本の持つ 「言語教育」効果に
    対する期待が高い。
    ・アメリカでは、日本より約1年はやい0歳4〜5ヶ月頃読み聞かせをはじめている。
    ・日本では、絵本を通じ「倫理感」を、 アメリカでは、「言語」を教えようと している。(日本では子供が大きくなるにつれて読み聞かせ、言語教育をするという意識が低くなっていく)

    【ダイアロジックリーディングの基本のやり取り】
    ・以下のPEERシーケンスを一巡する。できれば1回目は通して読み、2回目は1ページに1巡する。
    ・P:prompt(促進)本について何か発言するように促す
    ・E:evaluate(評価)子供の発言について褒める
    ・E:expand(拡張)子供の発言について話題を広げる
    ・R:repeat(反復)理解促進のために大事な単語を繰り返したり、要約したりする

  • 普段から絵本をただ絵本通りに読むのではなく、「あ、ぞうさんだね。パオーン。」などちょっと追加してるので、それが良いということがわかった。まだ子供が1歳で言葉のやり取りはできないので、これからことが出るようになったらダイアログ・リーディングを駆使したいところ。

  • 絵本の読み聞かせは、子どもに考えさせるために対話型にすべき、という内容が書かれた本。

    納得できる内容だったし、記載された中でこれまで実践できていた内容は今後も続けたいと感じたし、「何故〜しているか」「〜だったらどうする」等といった問いかけは節々で行ってみたいと感じた。

  • 読み聞かせは、子供がその本を覚えて馴染んでくれるようにいつも同じトーンや抑揚で読むのがいいと思っていたが、全く逆だった!「促進→評価→拡張→反復」を早速実践してみようと思う。同じ質問ばかりになりそうなので、まずは親の方の訓練が必要だなぁ。

  • 我が子がかなりの絵本好きで、私も本好きなので
    ただ読み聞かせるよりも何かプラスアルファがあれば
    と思い参考にした本。
    アメリカと日本の絵本の読み聞かせに対する違いを用いて、どちらが良い悪いではなく、
    両方の良いところを紹介してくれている。

    新しい教材を買うことなく今すぐ実践できることが沢山あって、
    しかもそれが想像力や豊かな心といった絵本で育ちそうな情操教育などだけでなく、
    情報分析能力や注意力など様々な能力に働きかけるというから実践する側としての(言い方は悪いが)お得感も感じる。

  • 論理思考はライフスキル!自分も鍛えたいし、子どもにも身につけさせられるなら、こんな素敵なことはない。読み聞かせながらの子どもとのやり取りを真似してみようと思う。

    この本とは直接関係はないが、
    子どもに身につけさせたい力はまず親である自分自身が身につけようと努力していきたいと思った。論理思考トレーニングのための学びを続けていこう。

  • 読了。要約すると「共感力重視の一方通行の読み聞かせではなく、対話型の読み聞かせにすることで、思考力、読解力を鍛える」という内容。全く難しくない。我が家でも導入できる。妻は保育士の資格を持っていますが、そこでは一方向性の読み聞かせが良しとされていました。私は特に意識なく双方向型で読み聞かせをしていたのですが、そのことを妻に指摘されて「実際、こういう読み聞かせはどうなんだろう?」と本書を手に取ったのでした。
    読みやすい本。あと大切なのは「読み聞かせはいつまでも続けていい」という指摘。これは真理だわ。世にはナラティブが溢れているもの!

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著者プロフィール

大阪女学院大学・短期大学学長/大阪女学院大学国際・英語学部教授。Ed.D(教育学博士)。ボストン大学を経て、ハーバード大学教育学大学院(教育学修士・博士)に入学。同校で、本書のテーマである「ダイアロジック・リーディング」に出合い、研究を重ねる。1998~2001年、フルブライト奨学生。専門分野は「言語習得」と「最新テクノロジーを活用する教育」。
現在は、「子どもとことば」「絵本を通してのことばの発達」を研究課題としており、絵本の読み聞かせにおける母子のやりとりや読み書き能力の発達に関する親の意識調査などを行う。一方で、教員を対象とした「子どものことばを育てる読み聞かせ」ワークショップも行うなど、日本における「ダイアロジック・リーディング」の第一人者として普及活動に尽力している。
季刊絵本新聞『絵本とことば』(H・U・N企画)への寄稿や、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)に過去3度出演するなど、メディア出演多数。本書が初の著書となる。

「2020年 『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ 最高の読み聞かせ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加藤映子の作品

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