セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

著者 :
  • かんき出版
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本棚登録 : 283
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761274580

作品紹介・あらすじ

□アマゾン、ツイッター、セールスフォース、マイクロソフト、SAPも実践!
■世界最先端! 勝てる営業組織の「持続可能な人材育成」の仕組み
□構築手順、企業規模別の進め方もわかりやすく解説!
■Sansan、NTTコミュニケーションズ、セールスフォース・ドットコムの事例も紹介!

本書は、営業に関わる全ての方々に向けて、次のような悩みを解決する一冊です。

・なぜ営業能力の差は縮まらないのだろう?
・やっぱり育成は「OJTだけ」だと、成果にバラツキがある。
・どうしてもエース営業に頼ってしまう。
・せっかくトレーニングや研修を実施しているのに、効果を把握・検証できていない。
・どうしたら新人営業は即戦力になるのだろう?
・さらには人事部やマーケティング部とどうすれば効果的な連携がとれるのだろう?

大半の日本企業の営業組織では「育成は現場任せ」「営業部員全体の底上げができず、いつまで経っても一部の“できる人間”に頼りっぱなし」という状況が続いています。

どの会社も営業の数字を上げることに注力しているはずなのに、そのために営業に特化した体系的なトレーニングを提供する会社は少ないというのが現実です。
逆にいうと、ここを是正すれば、営業の生産性は大きく上がるでしょう。 

セールス・イネーブルメントは、近年着目されている「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」です。よくあるIT 業界のバズワードではなく、組織・人材開発のアプローチといえます。

セールス・イネーブルメントを取り入れることで、
① 育成のPDCAサイクルが出現し、
② ラーニングカルチャー(学ぶ文化)が社内に醸成され、
③ 育成の投資対効果を検証できるようになり、
筋肉質な営業組織をつくることができます。

本書では、セールス・イネーブルメントに取り組みたいと考える企業が、何をどのような手順で進めればいいのか、それを進めるうえで前提として整備すべきことが何なのか、について解説していきます。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は「Sales」にフォーカスしたものだけど、「Enablement」という考え方そのものが、組織開発や人材開発の観点で大切だと思う。

    本書でのセールス・イネーブルメントの定義は「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」(p.5)
    「これらの複雑な課題を解決し、成果につながる育成を実現する仕組みがイネーブルメントです。」(p.57)

    課題は、成果⇔行動⇔知識/スキル(学習) がプロセスレベル、システムレベル、組織機能レベルでつながっていないこと。

    解決策の1つ目は「顧客視点の営業プロセス」へと見直すこと。これにより、顧客の意思決定の流れに整合させて、顧客情報を流れやすくする。

    課題の2つ目は「成果起点の育成フレームワーク」。
    このためには単発研修ではなく、トレーニング、コーチング、ツール/ナレッジ の整備が必要で、実施のための体制構築や人材アサインも大切。

    何を言うかよりも誰が言うか。

    現場から外してでも適任者をセールス・イネーブルメントにあてることで、組織としての本気度が伝わる。

  • 自社のプロダクトが市場の需要に合致して「毎月営業を増員しないと間に合わない!」というようなプロダクト・マーケット・フィット状態の会社向けの本と言える。

    それにしても、元Salesforceの方々がデータドリブンな営業組織(営業のDX、SFA、MA、インサイドセールスなど)の文脈で活躍されるのをよく見かける。本書の山下貴宏さんの他「The Model」の福田康隆さん、「Sales Is」の今井晶也さん、上島千鶴さん、茂野明彦さんらが有名。Salesforce以外にも元KEYENCEも同じ界隈で活躍されている。その内ペイパル、P&G、リクルートみたいに「ナンチャラ・マフィア」と呼ばれるかもね。

    中でも本書は「The Model」「Sales Is」と並べるとSalesforceのSFAの進化を概観することができる。「営業を科学する」系譜だ。3冊ともデータドリブンな意思決定をシステマチックにしていこうという美学というか、執念がある。それでも人間が非合理である以上、どんなにシステム化しても買い手の担当者および組織も人間なのでシステムには限界があると思う。

    と、これまでは思っていたが、ChatGPT以降はこの考えが変わった。売り手も買い手もAIが自動で意思決定手前まで交渉を進める未来が見えてきたからだ。

    そう考えると、仮説精度を高めるシステム開発投資し続けられるSalesforceやKEYENCEなど(あるいは元社員)から「営業AIの決定版」が登場するのかもしれない。「日本企業との交渉は面倒」と考える欧米から出る可能性も高い。当然、購買業務に特化したAIも登場してくるだろう。

    自分の会社としては、そんな夢のようなサービスが出た後の展開を想定しておかないといけない。

  • 研修企画の参考になった。

  • セールスイネーブルメントとは「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」

    営業プロセスの定義を自社視点から顧客視点へ!!

    顧客視点とは
    「顧客が検討している背景にあるビジネス課題は何か」
    「ソリューション導入後のあるべき姿は何か」
    「関連部門のキーパーソンの意思決定ポイントは何か」
    「顧客はいつまでにこの取り組みを完了しなければ、事業場にどんな影響がでるか」

  • 表面的な理論が纏められており、あまり実践的では無いように感じた。
    もう少し具体例の記載があると運用イメージが湧くのではと思った。

    備忘録:参考になった内容
    ・セールスイネーブルメントにおいては、研修成果は営業に直接関与する指標をKPIとする(例:受注率など)

  • ぜひ真似したい内容。

  • 成果を出し続ける営業マンを排出し続けるにはどうしたら良いか。日本の営業組織と海外の営業組織との違い、時代の変化による組織の作り方の変化から、成果を出せる組織に変えていかなければならないということを考えさせられる。特に営業が成果を出すためにどのような行動が必要か、そのためにどのような知識が必要か、という成果に逆算した行動や知識、それを習得するための内部支援や体制について、インサイドセールスの必要性について学べる本。

  • 前半部分は営業組織にいれば当たり前の知識のまとめだった。終盤の事例には一定、学ぶものがあった

  • イネーブルメントKPI
    目標達成率中央値
    中途立ち上がりスピード
    平均商談サイズ
    イネーブルメント進捗マップ

  • セールスイネーブルメントとは成果を出す営業を輩出し続ける人材育成の仕組み。
    スキルの話に寄り、スタンス面に触れてない点については、私は異なる考え方。土台となるスタンスもイネーブルメントでケアすべきだと考える。
    一方、「営業プロセスを顧客の意思決定プロセスに整合させないといけない」「不足を補う研修ではなく、組織として目指す成果に対して必要な人材要件、行動、スキル知識を洗い出し、プログラム化する」という考え方はとてもしっくりくる。

    同じ説明の繰り返しが多い点が気になるが、とてもわかりやすい本だった。

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著者プロフィール

株式会社R-Square & Company代表取締役社長/共同創業者。法政大学卒業、米国 Baylor University奨学金派遣留学。

大学卒業後、日本ヒューレット・ パッカードに入社し法人営業を担当。その後、 船井総合研究所を経て、外資系人事コンサルティングファームであるマーサージャパンで人事制度設計、組織人材開発のコンサルティングに従事。その後、セールスフォース・ドットコム入社。セールス・イネーブルメント本部長として、日本及び韓国の営業部門全体の人材開発施策、グローバルトレーニングプログラムなどの企画・実行を統括。イネーブルメント部門の規模を4倍に拡張し、グローバルトップの営業生産性を実現。

2019年同社を退社し、セールス・イネーブルメントに特化したスタートアップ、R-Square & Companyを立ち上げる。以来、大手企業から中堅企業まで数々の企業のイネーブルメント組織の構築に尽力している。セールス・イネーブルメントをテーマとした講演実績多数。イネーブルメント分野の日本での第一人者。

「2019年 『セールス・イネーブルメント世界最先端の営業組織の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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