麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること

著者 :
  • かんき出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761274498

作品紹介・あらすじ

「子育ての本当の目的」って、なんだろう?

宿題、定期テスト廃止。固定担任制も撤廃。服装・頭髪検査はおこなわない。
公立中学校とは思えない数々の学校改革で注目を集める
千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長が、
子育ての「当たり前」について考えてみたのが本書です。

・友達は多いほうがいいはず。でも、うちの子は友達が少ない……。
・学校には行かなきゃならない。でも、うちの子は不登校になってしまった……。
・親子は仲良くなきゃいけない。でも、親子関係がうまくいっていない……。
・成績が悪かったら、いい学校に行けない。でも、うちの子は授業についていけない……。

多くの親御さんは、日々、さまざまなことに悩みながら
お子さんと向き合っていることでしょう。

でも、きっと大丈夫。
一番大事なことは何かを考えたら、そんなに気にすることじゃないかもしれません。

本書には、麹町中でなくても実践できる、子育ての心構えを詰め込みました。
不安を抱えて育児に奮闘する皆さんの心を、ふわっと軽くする1冊です。

感想・レビュー・書評

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  • ☆話題の工藤先生。
    親視点で書いてるのがいいなと思って。

    1 「この人に信用されたい」と思うような信頼関係を作る

    2 子どもを変える「タイムマシンクエスチョン」
    20歳になった君は、どんなことをしている?

    じゃあ、高校生なら・・

    じゃあ、いつ頃君はその行動をやめるの?
    で、将来を自覚させる。
    なるほどね~他の本でもそうだったけれど、そういう子どもに響く言葉をいくつも知っているんだろうなあ。

  • 自律に向かって。
    学校の仕組みをどうすればいいのか?を考えて中学校を運営してきた校長先生の子育て論。

    失敗していいんだ、と思える場があると子供は安心して大きく成長する。
    親も教師も完璧じゃなくていい!失敗して構わない。子供は感じとる。善意の上での悪の話。

    未熟な子ども。トラブルがあって当然。いろいろな子どもがいることで沢山の学びがある。問題があるから、学びがある。生徒指導は学校の規則に合わせる事が目的ではなく、その子がこの問題をどう自律するための学びに繋げるかを指導する。
    発達障害の生徒にもそう。学校の規則にはめ込む支援ではなく、その子が将来生きていく上でどう環境を整えてあげるかを支援する事が大事の話。
    子どもは大人に叱られてその行為を止めるのではない!「じゃあ、いつやめるの?」未来を想像


    学校は選択肢の1つ、不登校問題。いじめはある。親と学校が一枚岩になる!学校問題の話。

    みんな違っていい!でも全員を大切にするよ。
    違いを認めてリスペクトする!自分達で企画運営実行。自律に向かって成長した。生徒達の素晴らしい話。

    学校を改革するなら対話しかない。なくそう!でななく進化させましょう!っで無駄を少しずつ縮小。巻き込んで対話。学校改革話。

    大変勉強になりました!

  • 親として、教員として、とても勉強になった。
    どのトピックを読んでも、自分の視野の狭さ、「~すべき」という思い込みに気付かされた。初任のときには、「伝統と違ったっていいじゃん」と柔軟に?思っていたけれど、その後、ぶれない指導をしたい一心で、思考を固めすぎていたと思う。もう一度、これを読んだ上で、どんな言葉で子どもと語り合うか、考えたい。
    メモしたいフレーズがすべてのページにあるような感じで、ちょくちょく読み返したい。子どもの横で一緒に考え、けっしてきれいごとでないところがいい。

  • これを読み、今子育てで不安に思っていること、例えば勉強できる子にしなきゃ、スポーツできる子にしなきゃ、お受験するのかな、英語やんなきゃ、プログラミングやんなきゃ、ゲーマーになったらどうしよう、いい大学入れなきゃ、等々の悩みがどーでもよくなる。著者は公立校の先生というのもあり、最大公約数的な教育論なのかもしれないけど、基本のキを気をつければ親としての責務ははたせるなと思えた。

    個人的にバシバシささったのは。
    不幸になるなら理想の教育論はいらない。
    子供の問題は大人が勝手につくっている。
    あえて言葉にしないほうが、うまくいくこともある。
    親が社会を否定してはいけない。ようは人のせいにしない。

    目からうろこだったのは。
    叱りつけるより信用し信用される関係づくり。
    叱るときは子ども基準で考える。兄弟でも能力差があるし、伝え方を考える。
    偽善者でいい。
    好き嫌いあっていい。
    友達が多いか少ないかはたいした問題ではない。
    家庭学習の習慣は子どもの時間を奪うだけ。

  • いろいろな子育て・教育本を読んでいると、なんだか共通したものに行きつくなと思う。それが、子どもを尊重すること。教育の目標は、自律できるようにすること。そのためには、子どもに任せる部分を増やすこと。親はいい加減でよくて、ダメなところも見せて良くて、家族みんなが笑っていることが最高だよね。っていうメッセージが心にすとんと落ちました。この本の中では、前半がとくにそんなメッセージだった気がします。だんだんに先生としてかかわってきた中学生のことも絡めて・・・となっていたように思います。自分は大したことがない人間なのに、子育てしていると、子どもにはあれもこれもできてほしいと思ってしまうんですよね。思うようには育たないということを本当に肝に銘じて、サポーターになっていけたらと思えました。

  • ・手をかけないほど、子どもは自律する
    ・子どもは思うようには育たない
    ・親はいい加減なくらいでちょうどいい

    いいヒントをたくさんもらいました。

  • 世界で学べを読み、日本の教育システムに絶望しかけていた時に、この本に出会えてよかった。日本にもこんなに素敵な考え方の先生もきっと沢山いるんだと思わせてくれた。
    沢山、感動する事、なるほどと思わされることが書かれていたのでメモがかなり長くなった。


    ★「本当の厳しはとは信用」この人には信用されたいと思わせること。信用し信用される関係を築く事。信用は大人の世界でも長い時間の積み重ねで少しづつ作り上げるもの。そしてやっと作り上げた信用もわ一瞬でなくしてしまうもの。フィクションに感化され子どもに、つい信用していると簡単に言ってしまうが、信用はそんな簡単につくれるものではない、そんなことも子どもには隠さず伝えたい。
    ★叱るより、子どもに未来を選ばせる
    タイムマシンクエスチョン 問題行動を起こす子に 20になった君はどんなことをしていると思う?→バイトしてる。彼女できてる。等→じゃあその頃君は今のような行動するかな?→しないよ→何故?→格好悪いから→じゃぁいつ頃君はその行動をやめてるの? 将来自分の意思で問題行動をやめている自分がいるのを自覚。道を示したり強制することは意味がない。自分で考え、自分で決める。

    ◆子ども達は子ども同士のトラブルから、自然と多くの社会性を学び、自分で解決する意識をもつ。やりとりを見守り様々な声をかけすぎない。ただ、現代は、子どもを自律させようという目標の合意形成がなく、その場でトラブルが起きないことが目的になっている…。
    ◆家庭が安心安全であることで自信がつき、挑戦してみようの気持ちがうまれる。失敗しても大丈夫という環境
    ◆メタ認知能力 自分の行動思考パターンを俯瞰視できる→自分の感情の動き予測可能に→さらにその予測を言語化できれば自分をコントロールできる
    ◆挑戦し続けるために必要なのは気力や頑張る力の精神論ではない。自分のネガティブな行動思考パターンを客観視し、言語化する、そしてそうならない仕掛けをしルーティン化する。ネガティブな無意識をポジティブな無意識に書き換えること。 
    ◆固定化された価値観から解き放ち視野を広げてあげるのが大人の役目
    ◆子どもは大人が気にすることを気にする。
    ◆どう生きるかは子どもが決める。親の意見や通った道が必ずしも正しいものではないと親自身が認識すること。
    ◆当たり前を疑う習慣を持つ。親や先生の言われた通りでなく、何故やるのか?効率的なやりかたはないか探る力が必要。
    ◆大人が問題だと定義するから問題になる。子どもが気にしていないことはあえて指摘しない。子どもが転んだり失敗して、あわてて駆け寄ったり反応せず、笑顔で見ていると、子どもの中で大した事ないと認識される。
    ◆成長するには挫折や失敗が必要。子どもが挫折感を味わっているときに大人が淡々としていることも重要。学んだ事があるんではと視野を広げてあげたりただ近くにいてあげたりすること。
    ◆そもそも上手くできないのが当たり前なんだよ。工夫して変えていかないとね、どうすればいいと思う?
    ◆みんな仲良くという理想論を押し付け苦しませるより、心と行動は切り分けられる。だからこそよい行動をすると伝えたい。
    ◆子どもがゲームに熱中→これ攻略するのにどんな工夫してるの?で子どもの強みを引き出す
    ◆社会とはそもそも矛盾だらけ。矛盾も意見が違う人が沢山いるのも社会の中では当たり前にある。悩んで悩んで最後は自分できめろ。自分で選んだ道なら失敗も学びになる。 

  • いや、もう、ほんと、そうなんだけどさ…
    わかるんだけどさ…
    やっぱりダメダメだなー私、って思ってしまって、苦しくなっちゃったよね。

    要は、自分で考えて決められる子供にするために、親はサポートしていかなきゃいけないってことなんだけどさ、、、そんな簡単にできたら苦労しねーよって話で。

    子供と共に親も成長していかねばならないってことだな。精進します。

  • 麹町中学校の校長先生がどんな考え方なのか知りたくて読んだ本。

    内容も特別なことが書いてあるわけではないけれど、愛情をもって子供に接し(ただし言葉にしないと伝わらないのでちゃんと伝える)、過干渉になりすぎず、子供の自律を促すように親や教師や周りは見守る姿勢で子育てをする

    ようことが書かれている。

    こういう考え方の校長先生の学校なら公立でも子供を通わせたいな、と思ったけれど残念ながら今年で定年だとか。

    今まで通り四角四面な教育スタイルではなく、こうした子供の自律を促すような柔軟な教育スタイルがこれからの日本の多くの学校に広がればいいなと思った。

  • 不登校に関しての記述がいくつかあり、中でも大学が最終目標なら、高校に行く必要性はないという言葉にはっとしました。確かに。。他の章でもなるほどと思える声かけの例や親としてほっとできるような言葉が多く読んでよかったです。

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著者プロフィール

【工藤 勇一】(くどう・ゆういち)
 横浜創英中学・高等学校長・堀井学園理事/前東京都千代田区立麹町中学校長 1960年山形県生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県中学校教諭、東京都中学校教諭、目黒区教委、新宿区教委等を経て2014年4月より2020年3月末まで千代田区立麹町中学校長。2020年4月より現職。麹町中での教育改革を加速させ、横浜創英中で2022年4月より中高一貫6年制の「サイエンスコース」を立ち上げる。社会で活躍するさまざまな人を学校とつなぎ、「社会に貢献する科学」を創出する新しい時代の学びを構築する。内閣府の教育再生実行会議(2021年9月に第12次提言を出し終了。後継会議が設置予定)委員。

「2023年 『社会を変える学校、学校を変える社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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