- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760152193
作品紹介・あらすじ
韓国が生み、世界が育てたボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」。いまや世界各地に熱狂的なファン「ARMY」を持つ彼らの音楽と人気を論じる初の本格的BTS評論。
米韓で活躍する韓国人音楽評論家が、2018年までにBTSが発表した全楽曲を徹底レビュー。さらに全世界を巻き込んだ「BTS現象」を、韓国音楽界の重鎮や作曲家や文学評論家、ジャーナリスト、グラミー賞投票者など各界の専門家のインタビューを交えながら掘り下げる。
感想・レビュー・書評
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なるほど。BTSがなぜここまで世界的に人気を得たのかを知りたくて読んだ。
ライナーノートがあるのもわかりやすくてよかった。
既成概念を超えて行く、アイドルヒップホップグループ。常に新しいことにチャレンジし、自分たちで作詞作曲まで手がける。ミラクルの7人が醸し出すシナジー。
ロンドンでの公演を見ていると、その人気は本物だと思える。
人は逆境を超えて新しいことに挑む若者を応援したくなるのかもしれない。
あえて加えるならば、ステージでの完璧な踊りと歌と、バラエティで見せるメンバーの明るいクセの強さとのギャップも、間違いなく彼らの魅力である。
決して批判したり文句を言ったりせず、常に癒しと励ましの存在でいるBTS。
末永く活躍してほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本を皮切りに、BTSと社会現象を論じる本が増えた気がするなあ。
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めっちゃ良かったー。
BTS、 KPOPに元々明るくない自分にはこの本の情報しかないからあれだけども、、
ソングガイドとしても最高 -
彼らの音楽性について、業界ではどういった評価がされているのか知れたのが新鮮だった。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/757033 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1378843 -
“ほかのボーイズハンドのように、普通の恋愛についても歌うが、自分自身と周りの世界にたいする省察的で哲学的なメッセージの魅力は、BTSだけの持ち味だ。彼らはとくに、アイドルの音楽ではタブーとされてきた「正直であること」にたいし、とてもオープンだ。歌詞は偽りがなく具体的で、自分の感情や弱さをためらいなく表現する。”(p.283)
“普通、アイドルは「芸能事務所によってつくられた存在」というイメージが強く、そのせいで芸術的なアイデンティティを認めてもらえない。たいしてBTSは、「みずから考える独立した存在」であり、「自分のことを自分らしく語るミュージシャン」という点をうまく打ちだした気がします。つまり、アイドルに欠けていると思われている「偽りのない音楽」をしめすことに成功したのです。”(p.182)
“꿈이 없어도 괜찮아” -
これを読む前に、「BTSとARMYーわたしたちは連帯するー」(イ・ジヘン作)を読み、
BTSがただのアイドルじゃないんだということを認識して、
彼らの音楽を聴き、MVを見て、どんどんハマっていき、
底なし沼に陥ってしまったような感覚を抱きながらも、
聞いたり見たりするのがやめられない、最近の私。
そしてずっと読みたいと思っていたこの本は、作者のBTSへの愛がすごかった。
アメリカに住む韓国人の音楽評論家の作者は、
BTSがアメリカで認知され、爆発的に人気を博していく過程をリアルタイムで見てきた。
その様子を「地殻変動は確かに起きている」と表現している。
この本は、作者のエッセイ、音楽関係者との対談、アルバムレビューと
三つの形態で構成されている。
私が何より興味深かったのは、やはりレビューで、
一枚一枚デビュー当時からのアルバムを聴きながら、作者の解説を読んでいると、
その作品ごとのテーマや曲ごとの特徴、位置付けがわかる。
これまでアルバムを思いつくままに聴いていたのだけど、
解説を読みながら順番に聴いていくと、作品ごとに音楽が洗練されていくこと、
7人のメンバーが一人のアーティストとして成長していること、
同時にグループとしても、確実にクオリティが磨かれていることを実感する。
他のアイドルグループとBTSの何が違うのかといえば、
彼らが自ら音楽制作に関わっていることが一つ挙げられている。
多くのアイドルは、「ファクトリー・アイドル」とアメリカでは揶揄されているという。
KPOPアイドルの容姿やレベルの高いダンスは、
「個性がなく似たような、つくられた音楽」という偏見を強くしたという。
BTSの人気は、メンバーが持つ音楽制作の能力を基盤して、
多くの人に受け入れやすいメロディと観るものを魅了するダンスやパフォーマンスが結びいた相乗効果なのだ。
また、彼らがヒップホップにルーツを持っていることも大きいようだ。
「自分たちの考えを荒っぽくストレートに」表現した姿勢が、
本物志向のアメリカ人に清々しく映ったのだと作者は分析する。
私は韓国語がわからないのでBTSがそれぞれの曲に込めた物語やメッセージが、理解できない。
でも、なぜか曲を聴いていると何かが伝わってくる。
BTSが好きだから伝わってくるのか、伝わってくるから好きになったのか、
自分でもどっちが先かわからないけど。 -
アメリカの音楽ジャンルである「ポップス」が、日本では「J-POP」、韓国では「K-POP」と呼ばれている……のだと思っていました。では、その区分けは、歌い手の国籍なのか、制作された国なのか。
BLACKPINKのドキュメンタリー映画でも、プロデューサーが語っていた「K-POPとは何か」という問題。
映画「BLACKPINK ライトアップ・ザ・スカイ」
https://note.com/33_33/n/n899283d10bc7
韓国の音楽評論家であるキム・ヨンデさんの書『BTSを読む なぜ世界を夢中にさせるのか』にも、“定義はあいまい”とありました。
韓国で「アイドル」と最初に呼ばれたソテジワアイドルから、数々のグループが誕生し、日本でも多くのファンが熱狂しているいま。その「K-POPアイドル」という枠組みを越えていったBTSに迫った本です。
あまりK-POPに詳しくないわたしがBTSの名前を最初に聞いたのは、2018年くらいだったように思います。
また、似たようなグループが生まれちゃったのか……!?と思いきや、なんだか何かがぜんぜん違う。
「K-POPアイドル」の原点はラップとダンスで、BTSもその路線ではあるけれど、何が違うんだろう?
そんな疑問を持っていたわたしには、「K-POPアイドル」の歴史を解き明かしつつ、BTSの特殊さを解説する本書は、とても刺激的でした。
ヒップホップ×アイドルという組み合わせから、最初はバッシングを受けたこと。ようやく進出したアメリカでも、「ファクトリー・アイドル」と揶揄されたこと。
そんな彼らが世界中でファンダムを形成し、2021年グラミー賞では、「最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス賞」にノミネートされました。2019年は最優秀レコーディング・パッケージ賞へのノミネートでしたが、今回はようやく楽曲で評価されたわけです。
多くのグループが試みた「現地化戦略」をとらず、自分たちらしさと音楽性を追求してきたのが、BTSとのこと。
「目標は、変化し続ける姿が見えるチーム」。本を読んでから、YouTubeでMVを検索してしまうこと請け合い。歌詞レビューを読みながら、じっくり世界にひたりたい。 -
世界的ポップグループとなったBTSのデビューから2018年までの楽曲のレビューから音楽的変遷、他のK-POPとの差異、アメリカや世界での評価など評論家やミュージシャンなどのインタビューやコラムを交えた徹底解説。単なるアイドルではなくミュージシャンであることが伝わる。