- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760152063
作品紹介・あらすじ
性別を売る「性転師」。彼らは天使か。悪魔か。
性同一性障害の当事者に「早い・うまい・安い」が売りのタイ・バンコクでの性別適合手術を斡旋、仲介する、通称「アテンド業」。彼らはいったい何者なのか? なぜ彼らは生まれたのか? 性転換ビジネスにおける陰の実力者である性転師たちの実態に迫るノンフィクション。
性器の摘出/形成をおこなうこの性別適合手術(かつては「性転換手術」とされていた)を日本で受けるには、高額な医療費がかかり、医師が少ないため手術まで1年以上待たなければならない。「手術難民」化した当事者の需要をビジネスチャンスととらえ、外国・とくにタイ王国での手術を斡旋、仲介しているのが「アテンド業」とよばれる斡旋業者だ。
本書は、この「アテンド業者」たちと「性転換ビジネス」の実像を描き出す。
アテンド業者には個性的な人々がそろっている。バブル期にトラサルディーのジーンズで一世を風靡したこともある、アテンド業の草分け的存在の商売人、駐在員から転身したタイ在住最古参、手術を受けた「元客」でYouTubeやオフ会を通じて安心感を提供するやり手営業マン──バックグラウンドが異なる業者たちが「性転換ビジネス」に従事し、日々しのぎを削っている。そして、アテンド業が生まれた背景や日本国内の手術事情の深層にも迫り、性転換手術の問題点、課題を洗い出していく。
感想・レビュー・書評
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「医療の技術は日本の方が上だと思うし、世界に評価されているのも日本の方だから、(性転換手術は)日本で受けるべきですよね、先生!」
「いや…、タイに行けるんだったら、タイに行きなさい」
「性転換ビジネス」に従事する日本人たちを取材したルポタージュ
日本で出遅れた性転換手術はある事件がきっかけだった…
タイで性転換手術がメジャーになった理由
アテンドと呼ばれる人々の存在
性転換手術はボランティアかビジネスか?
そして、非難もありつつも性転換を希望する人に寄り添った和田医師の存在
刺青でその悩みに沿おうとする人など…
自分の性に悩む人々に様々なかたちで関わってきた人々の存在が描かれている。
今でこそ性同一性障害が多くの人に知られるようになったが、まだそんな言葉がない中、悩み苦しむ人も多くいた。
性転換はいろんな意味で「生死」に関わる手術であり、生きていく決意だと思う。
特に心に残っているのは和田医師の言葉
「医療は誰のためのものでしょうか?極論を言えば、私は患者一人ひとりの苦しみからの救済、手助けのためにあるのであって、国や法律や宗教などは一切関係ないと思っています。たとえ違法だろうが、患者は苦しみから救われる権利を人として当然有しており、誰かに不当な迷惑をかけるわけでもない限り、医師は患者に救いの手を差し伸べるべきだと思います。」
医師としての言葉は本当に深い。
訴えられても、警察に逮捕されても、真摯に自分のできることを追求した医師の信念は尊い。
この本は決して手術を推奨しているわけではない。
そして、筆者が言うように「自分は『外側』の人間だった…」という感覚は私にもあるかもしれない。
自分の性で悩んでいる人、悩んでない人…いろいろな人にぜひ一度読んでほしい
そう思った一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いくつか取材したことを羅列してるだけ。
取材メモレベル。