箸はすごい

  • 柏書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760147120

感想・レビュー・書評

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  • 中国人の学者による箸文化研究読み物。
    食事の仕方は3パターン、手食、ナイフ&フォーク、箸。
    世界の5分の1が食事に箸を使う。
    中国、韓国、日本、ベトナムなど。
    ただし国によって素材だったり長さだったりちょっとずつ違う。
    これを読みながら、先日携帯用の箸とスプーンのセットが欲しい(フォークは箸があれば要らん)と思って探したけど、フォークとスプーンのセットか単品しかなかったので諦めてスプーン単品買ったの思い出した。
    箸&スプーンは韓国ならデフォルトらしい。
    あと夫婦箸は神社で買うって書いてるのにすごく違和感感じたけど、調べたら授与品にあるんだね、へぇ~、と学びました。
    一瞬とんでも日本かと思ってゴメン。
    まぁ、わざわざ神社で授与してもらう人は稀だと思うけども!

    原題 / “Chopsticks : A Cultural and Culinary History”2015

  • すごく勉強になる。

  • 各国の箸事情、歴史がわかって面白い。

  • 日本の家庭では、家族のそれぞれに専用の箸と椀(ご飯用と味噌汁用)が用意されている。これは、日本以外の国ではあまり見られない珍しい風習だと聞いたことがある。本書によれば、箸文化圏(日本、朝鮮、中国、ベトナム)の中でも日本だけだそうだ。日本と違って韓国では、椀を手に持って食べるのは食事作法に反するという話をどこかで読んだことがあって、中国も同様だと思い込んでいた。本書によれば、箸文化圏の中では朝鮮だけだそうだ。日本、中国、ベトナムでは、食事道具はほぼ箸に限られているのに対し、朝鮮では、昔の中国と同様、今も箸と匙が併用されているらしい。箸の置き方が日本だけ違っていて、唐の時代までの中国と同じだということは知っていたが、いろいろと知らないことがあるものだ。原書は英語で書かれているので、日本語訳するには中国の固有名詞の漢字表記を復元しなければならないはずで、それは大変だろうと思いながら読んでいた。訳者もそれには苦労したらしいことが、「訳者あとがき」からうかがえる。クロード・レヴィ=ストロースの著書の題名が『生と調理』と訳されているが、これは、みすず書房から出ている『生のものと火を通したもの』のことかしら。読んだことはないが、よく知られた本だと思っていた。2016年7月31日付け読売新聞書評欄。

  • 箸は2本で料理を分離しつまみ上げる
    食品を手荒くいたぶったりしない
    野菜は優しくほぐし、魚やウナギの場合も静かに皮や骨を分離する

    このようにしてナイフと違った手食に近い感覚で食材のごく自然な分解方法を再発見する

    箸という食事道具は切り刻んだり切断するための用具ではない
    手際良く簡略化された動作を伴って食材の仕込みにも動員される


    箸の前では食べ物はもはや獲物ではなく、荒々しく打ち負かした動物や魚の肉でもなく、調和の取れた食材に転化する。


    難しい部分は飛ばして読んだけど、箸っていいなと思えた一冊だった

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    箸族、フォーク族、手食族が繰り広げる、世界を三分する覇権争い。東洋と西洋を行き来しながら紡がれた、箸と人類7000年の物語。

    東南アジア、中国はよくリサーチされていて面白かったけど、ちょいちょい日本がおかしいきがする。でも相対的には面白い本でした。
    巻頭の写真、本文の近いとことに置いてほしかった。

    chopsticks:A culture and Culinary History by Q. Edward Wang

  • 中国出身のアメリカ人が箸についての考察を語った本。箸文化という事で勿論、日本の箸の諸々についての記述があるが、いかんせん、「あー、外国の人から見たらこんな風に映るんだな」という表現が沢山あり、面白い。

    人は食べるものによって決まる。(ドイツのことわざ)
    中国語の「吃」は食べるという意味で「口が乞う」というのが原義。
    韓国では碗を持ち上げるのは乞食が食べ物をせがむ様子を連想させるから嫌われ、碗を机に置いたまま頭を下げて距離を縮めてこぼさない様にしている。
    だが中国では頭を下げて食べるのをブタの食べ方を想像させるので好まない。背筋を伸ばして碗を持ち上げて食べる。これはベトナム、日本でも同じ。

    箸=チョップスティックス語源は…
    チョップは広東語で「早く」の意。「棒」という意味のスティックスとくっついて出来た(1600年代に発生)

  •  中国、特に文化の中心地であった北方では、食事用具として主に使われ始めたのは匙の方が先で、箸は補助的な扱いだったとのこと(三国志で劉備が箸を取り落とす場面には実は匙もあったそうだ)。粥状の雑穀が主食であった時代には匙の方が便利だったのだろう。しかし小麦加工品の餃子や麺、そして米食が北方にも広まるにつれ、特に唐末期以降はこれらを食べるのに便利な箸が主になっていったとのこと。
     箸は中国文化の影響が強いベトナムや朝鮮にも広まり、日本に伝わったのは遣隋使・遣唐使の頃。朝鮮では匙も残り、箸ともども金属製であることに対しては、筆者は、モンゴルの影響の肉食には適していることや、美しく食べられることから体面を重んじる両班にはその方がよかったことを指摘している。またこれらの箸を使う国々では、夫婦和合の象徴であることをはじめ、箸にまつわる生活習慣や文化が多い。箸文化は日本固有と思い込まず、近隣国との類似性を考えてみるのも面白い。
     和訳については、端午節の説明や韓国語単語の表記(ジョトグラク?)等の惜しい部分もあるが、訳者もあとがきで書いているように、中国等の固有名詞が多いため大変だっただろうと思う。英語の原書はどのような層を対象としているのか、一般向けかごく限られた東アジアの専門家かも興味あるところだ。

  • 古代中国は好きだけど、翻訳が読みにくくて断念。

  •  日本人なら使うことのある食事道具の箸。そんな箸だが、英文で書かれた書物がなかったそうだ。そこで著者は、箸がどうしてつかれるようになったのか、料理に対する影響、そして箸の文化的な意味はどうなのかといった観点からこの本を執筆したと述べている。



     箸が使われるようになったのは5000年前の古代中国だ。今のように木ではなく、動物の骨を利用していたようだ。と言っても箸が最初からメインだったわけではなかった。むしろ、匙(さじ)が最初に使われていて、小麦粉を原料にした麵などが食べられるようになってから箸が主に使われるとあり、意外な事実に驚いた。



     箸を英語では「チョップスティック」と言うが、元をたどると中国の崩れたピジンイングリッシュになると著者は、語源辞典の説明を引用している。チョップスは、広東語で「早く」を意味して、「棒」という意味の英語「スティックス」の接頭辞になっていると説明されている。



     箸一つとってもいろいろなドラマが詰待って今に至っている。年越しのそばや餅を食べる際にも箸を使うので、箸の歴史に思いをはせながら食べてみるのもいいかもしれない。



     それにしてもタイトルのつけ方がすごいなあ。原題はChpsticks: A Cultural and Culinary History (箸 文化と料理の歴史 モクモク訳)なので、思いきったものだ。

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