日本主義的教養の時代: 大学批判の古層 (パルマケイア叢書 21)

制作 : 竹内 洋  佐藤 卓己 
  • 柏書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760128631

作品紹介・あらすじ

戦前「護憲」の降魔剣"日本主義"を解明。「右翼」「反動」のレッテル貼りで忌避されてきた一九三〇年代"日本主義"の大学批判。マルクス主義的教養の機能的代替となった日本主義的教養の担い手たち。来るべき時代を読み解く画期的論集。

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  • ◆5/24 シンポジウム「自由に生きるための知性とはなにか?」と並行開催した「【立命館大学×丸善ジュンク堂書店】わたしをアップグレードする“教養知”発見フェア」でご紹介しました。
    http://www.ritsumei.ac.jp/liberalarts/symposium/
    本の詳細
    http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b227695.html

  • 3591円購入2011-06-29

  • 蓑田胸喜という昭和10年代の赤狩り日本のマッカーシーの主人公に焦点をあて、個別の美濃部達吉、矢内原忠雄、滝川幸辰、大内兵衛、津田左右吉教授たちへの個別の攻撃が大学そのものの攻撃に移っていったその背景に迫ります。立花隆の蓑田胸喜は正に狂気だったという切捨に反論し、彼の熊本での人生から謎に迫るものです。三井甲之、松田福松、赤神良譲ら蓑田と共に活躍したという原理日本主義者についても詳しく述べられています。彼等が決して狂気ではなく、原理日本主義の純粋性が世俗的・近代的・西洋的な論理とあまりにも断絶が激しく、理解不能な狂気としか見えかったという説明には説得力があります。大正末期の帝国大学において学生の知的レベルにより4段階の格付け言説がまことしやかに流布していたという説明も確かにそうかも知れないと思いました。最優秀者が社会科学、次が哲学宗教、3番目が文学、最下位が反動学生に奔ったというのです。それが、また学生を左傾化させたというのです。これは60年代もそのような傾向が間違いなくあったと思います。きっと別の序列が今の学生の中にもあるのではないかと思われてなりません。そして彼らの批判が徐々に先述の教授たち個人に対するものから、帝国大学そのものへ向けられていったというのは面白いことです。

  • [ 内容 ]
    戦前「護憲」の降魔剣“日本主義”を解明。
    「右翼」「反動」のレッテル貼りで忌避されてきた一九三〇年代“日本主義”の大学批判。
    マルクス主義的教養の機能的代替となった日本主義的教養の担い手たち。
    来るべき時代を読み解く画期的論集。

    [ 目次 ]
    第1章 帝大粛正運動の誕生・猛攻・蹉跌
    第2章 天皇機関説批判の「論理」―「官僚」批判者蓑田胸喜
    第3章 写生・随順・拝誦―三井甲之の思想圏
    第4章 英語学の日本主義―松田福松の戦前と戦後
    第5章 戦時期の右翼学生運動―東大小田村事件と日本学生協会
    第6章 日本主義的社会学の提唱―赤神良譲の学術論
    第7章 日本主義ジャーナリズムの曳光弾―『新聞と社会』の軌跡

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