- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759820577
作品紹介・あらすじ
動物のなかでヒトだけが自殺する.それは「他者が考えていることを考える」心が進化したためなのか−−鬱で自殺の危機を経験した著者が,周囲にも破壊的な影響を与えるこの重いテーマを,進化心理学の立場から分析を試みる.その科学的理解が,自分のおかれた過酷な状況から抜け出す手がかりになるかもしれない.『ヒトはなぜ神を信じるのか』『性倒錯者』に続くベリング三部作の最終章.
感想・レビュー・書評
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自然科学や心理学を背景にしたエッセイ的論考。読みなおしたが、たいへんおもしろい。ロイ・バウマイスターへの取材がおもしろい。
ケイ・ジャミソンさんやアンドリュー・ソロモンさんなんかもそうなんだけど、この手の鬱や自殺に魅了されれてる人々のおもしろいよな。現代的な(非専門的)哲学ってこういう形になるのかもしれないとも思わされる。 -
おもしろかった!
インターネット・SNS、宗教、人がもつ道徳的価値観など視点が変われば、自殺という行為の良し悪しがどう変化するのかが具体的に書いてある。
人は他殺でしぬことよりも自殺でしぬことを嫌がるというのは意外だった -
新聞の書評で見て買ってみましたが、自殺に関する考察が多岐にわたってて、すごく読み応えがありました。暗い感じかなと思ってましたが、決してそうではなく、すごく客観的で、人の心の動きの複雑さとか、そういうのがよく分かりました。
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【書誌情報】
著者:Jesse Bering
訳者:鈴木 光太郎
2,700円+税
出版年月日:2021/01/25
9784759820577
4-6 372ページ
動物のなかでヒトだけが自殺する.それは「他者が考えていることを考える」心が進化したためなのか−−鬱で自殺の危機を経験した著者が,周囲にも破壊的な影響を与えるこの重いテーマを,進化心理学の立場から分析を試みる.その科学的理解が,自分のおかれた過酷な状況から抜け出す手がかりになるかもしれない.『ヒトはなぜ神を信じるのか』『性倒錯者』に続くベリング三部作の最終章.
〈https://www.kagakudojin.co.jp/smp/book/b553181.html〉
【簡易目次】
1章 無の誘惑
2章 火に囲まれたサソリ
3章 命を賭ける
4章 自殺する心に入り込む
5章 ヴィクがロレインに書いたこと
6章 生きる苦しみを終わらせる
7章 死なないもの
8章 灰色の問題 -
2階心理学 : 145.7/BER : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410168659
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冒頭の筆者の自慢話が長くて読むのをやめてしまった。
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ちょうど「自殺」というテーマに関心があり、こちらも手に取りました。
分かりやすく面白い内容だと思います。専門家との対話が含まれてるのも興味深くて良いです。
「自殺」というものが、どういったものか理解が深まった気がします。 -
自殺をめぐるさまざまな科学的知見や筆者の個人的体験など。
内容:1 センセーショナリズムに走って職を失い、自殺企図にいたる自分史。
2 動物の自殺とされる記録は多いが、フェイクが多い。
3 進化論的な考察。血縁者を助けたほうが遺伝子が残りやすい場合がある(血縁淘汰)。このような利他行動の延長線で自殺がとらえられる。
欝は適応的(最悪の可能性にフォーカスを当てることによって大問題を適切に対応)
自殺企図は親族(遺伝的利益保有者)の態度を変えるための強力なてこ
4 ロイ=バウマイスターの6段階
期待値に届かない
自己への帰属
自意識の高まり
否定的感情
認知的解体 具体思考による事務的な遺書
抑制解除 恐怖を乗り越える
6 伝染、ネット
7 死後も意識は残る(錯覚)というのがデフォルト
子どもでの実験
自殺者の魂は汚される?
事故物件を避ける心理(ジャージー効果)
8 倫理、哲学、的考察。クローゼットの棒の撤去が自殺を減らした話