科学捜査ケースファイル―難事件はいかにして解決されたか

  • 化学同人
3.47
  • (5)
  • (10)
  • (14)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 134
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759819342

作品紹介・あらすじ

200年におよぶ歴史をもつ科学捜査.実際の犯罪解決に役立てられ,ドラマや小説の題材としてたびたび取り上げられ,ある意味では身近なものでもある.しかし,DNA鑑定,指紋,毒物学,プロファイリングなどについて,どんなことを知っているだろうか.英国のベストセラー作家,ヴァル・マクダーミドは,科学捜査の現場を歩き,第一線で活躍する捜査官へのインタビューをとおして,性犯罪,放火,強盗,暴行,監禁などの事件解決に,科学捜査がどのように役立てられているかを,その発展の歴史とともに浮き彫りにする.犯行現場から法廷へといたる,科学捜査による証拠をめぐる旅.2016年アンソニー賞批評・ノンフィクション部門受賞作品,2016年エドガー賞犯罪実話賞ノミネート作品.

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 科学捜査の実例集。虫だ毒だ火傷だ血しぶきだと、食事中にはおすすめしないくらい生理的にきつい描写が多数。CSI、BONESなどの海外犯罪ドラマは主人公たちが万能すぎるにしても結構いい線ついているのが分かる。
    科学者が謙虚に淡々と事実を積み上げている時に、弁護士が人格攻撃をしてきたら、陪審員は騙されないようにしなければならない。

  • 図書館2017.11.10 期限11/24 読了11/19 返却11/21

  • 「宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019」に出ていたので。

    「小説より奇なりの現場」と副題がつけられていた。
    確かに、おっしゃるとおり、
    現実の事件とその解決への道は、
    小説やドラマよりもあり得ない感じだった。
    犯罪現場、指紋、血痕とかなじみのある専門分野ごとに
    章立てされて、面白いし読みやすい。

    以下、面白かったことを列記。
    フランシス・ゲスナー・リー、アメリカの研究者で、
    精密な犯行現場の模型を作成し、
    捜査官の訓練のために使用した。
    もちろんCSIファンなら、グリッソムを追い込んだ、
    同じような模型に心当たりがあるはず。

    ロンドンの大火で国王チャールズ2世が火事の原因を追究したかったのは、
    誰よりも多くの財産を失ったからだという話。
    そりゃ、誰よりも多くの財産を持っていたからね。

    指紋の個体性を理解した最初のヨーロッパ人は、
    東インド会社で働いていたウイリアム・ハーシェルだったが、
    彼の異動の原因、インド大反乱は銃のカートリッジに用いられる油の種類についての争いが発端だったとあった。
    なぜ油?と調べたら、牛と豚の脂を使っていると噂がたったからだった。
    そいういえば、セポイの反乱、と習った気がする。

    その後、その個体性をネイチャーに発表したスコットランド人の医療宣教師、
    ヘンリー・フォールズは、
    日本で古代の陶工が自作の壺に指で模様をつけているのを知り、
    指紋を興味を持ち、泥棒もつかまえたとか。
    古代の陶工とは縄文人のこと、自作の壺は縄文式土器のことらしい。

    爆弾魔が逮捕される時の服装が、
    ボタンをきちんとかけたダブルのスーツだとあてた伝説のプロファイリングは、
    当時としては一般的な男性の服装だったからとか、
    という解説も面白かった。

    一番驚いたのは、自分がかなり知っていることも多かったこと。
    長年ミステリーを読んで、いやCSIを見ていたから、ということか。

    そうそう、挿絵?飾り?として、クロバエがちょこちょこ出てくるので、
    虫嫌いの人は注意。

  • 指紋、DNA鑑定、解剖、復顔、プロファイリング、昆虫学、毒物学などなど。科学捜査の概要とどのように発展してきたかをたどる本。

    現代の科学捜査に興味があったので、そういう意味では期待とは違っていた。
    具体的な事件の経緯と、その操作手法の発展の歴史が主。ミステリー小説さながらに、バラバラ死体が復元されたり墓が掘り起こされたりする。鑑定の未熟さや理解不足による過去の冤罪の多さにも慄然。

    新しい手法が次々と生み出される科学捜査の広がり。「科捜研の女」が長期シリーズになるわけだ。

  • 面白かった。邦題にもうちょい捻りがあればなー

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50079981

  • 海外で行なわれている犯罪捜査、
    中でも科学捜査、こういう括りは正確ではないが、
    それに焦点を当てている。
    今まで当たり前と思っていた捜査方法が実は時代遅れだったり、そもそも間違いだったりと、ドラマやアニメに出て来る捜査方法とは大きく違う。
    刑事モノ、犯罪モノに少しでも興味がある方なら買って損はないだろう。
    現実で犯罪に巻き込まれた時の対処方法を知る、
    あるいは考案するのにも良き一冊。

  • 原題:FORENSICS: The Anatomy of Crime (2014)
    著者:Val McDermid(1955-) ミステリ小説家。
    訳者:久保美代子  翻訳家。
    装丁:時岡伸行

    【書誌情報】
    価格:3,200円+税
    出版年月日:2017/07/10
    ISBN:9784759819342
    版型:4-6 440ページ
    https://www.kagakudojin.co.jp/book/b297512.html

    【メモ】
    ・著者のサイト。
    https://www.valmcdermid.com
    ・著者ウィキペディア。
    https://en.m.wikipedia.org/wiki/Val_McDermid
    ・サブタイのみ別タイトルになった。
    “Forensics: What Bugs, Burns, Prints, DNA, and More Tell Us About Crime”
    https://groveatlantic.com/book/forensics/
    ・目次ページを開いた瞬間、私はのけ反りました。

    【簡易目次】
    献辞 [i]
    目次 [iii]
    まえがき(ヴァル・マクダーミド 二〇一四年五月) [001-004]

    第1章 犯行現場 005
    第2章 火災現場の捜査 029
    第3章 昆虫学 063
    第4章 病理学 091
    第5章 毒物学 125
    第6章 指紋 163
    第7章 飛沫血痕とDNA 193
    第8章 人類学 231
    第9章 復顔 263
    第10章 デジタル・フォレンジック 291
    第11章 法心理学 327
    第12章 法廷 369
    終章 407

    謝辞 [413-414]
    訳者あとがき(二〇一七年五月 久保美代子 ) [415-419]
    クレジット [420-423]
    おもな参考文献 [424-426]
    索引 [427-435]

  • テーマはおもしろいのに、文章構成と文章そのものが下手(原文が悪いのか、訳が悪いのか)で読んでいて苦痛だった。突然別の人物の話になるというパターンばかり。同一人物をファーストネームで書いたりファミリーネームで書いたりしてあってわからなくなり「誰これ?」とイライラ。味気ない、事務文書のような文体。これでミリオンセラー作家だというから驚く。
    サイエンスノンフィクションとしてつまらない本。

  • ミステリを読むのも楽しいがこういったノンフィクションの科学捜査の本も面白い。事実は小説より奇なりといったところか。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou25201.html

全13件中 1 - 10件を表示

ヴァル・マクダーミドの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×