菓子屋横丁月光荘 丸窓 (ハルキ文庫)

  • 角川春樹事務所
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758444132

作品紹介・あらすじ

大学時代のゼミの仲間たちと、隣町の農園を訪ねた大学院生・遠野守人は、
その晩、友人・田辺の母の実家に泊まって、自分と同じく家の声が聞こえる田辺の祖母・喜代との再会を果たす。
古民家〈月光荘〉の管理人となり、早一年。
古い町並みの温もりに包まれ、人と繫がる楽しさを知った守人は、このまま川越の地で働きたいと考えるようになっていた。
その矢先、守人はすべての縁に導かれるように、自分の曽祖父が家の修繕を得意とする大工だったと知り……。
感涙必至のシリーズ第四作。

感想・レビュー・書評

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  • 新刊『菓子屋横丁月光荘 丸窓』 - ほしおさなえ
    https://bit.ly/3IBp76R

    菓子屋横丁月光荘 丸窓|書籍情報|株式会社 角川春樹事務所 - Kadokawa Haruki Corporation
    http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6512

  • シリーズ第四弾。

    すっかり“三日月堂シリーズ”の姉妹シリーズとなっている感がありますが、今回は朗読グループ「ちょうちょう」が登場。月光荘で影絵を取り入れた朗読会を開催して大盛況でした。
    一方、川越で働きたいと意向はあったものの、何をしてよいかわからない状態だった守人ですが、月光荘のオーナーから、今後月光荘をイベントスペースとして本格的に運営するとの事で、それに携わる業務を打診され、まさに“できすぎ”の流れになってきました。
    安西さんや愛菜さんの難しい家庭問題にも触れられていましたが、基本月光荘に関わる人達は良い人ばかりですし、彼女達が企画に携わっている時はとても楽しそうで、そういう場所があるって良いですよね。
    読むたびに川越の魅力が伝わってくる本書ですが、第三話に出てきた鎌倉にも行きたくなりました。
    かなり昔ですが、鎌倉へは何度か遊びに行ったことはあって、毎回すごく楽しかったという思い出があるのですが、「鎌倉文学館」は知らなかったので是非訪れてみたいですね。

  • 【収録作品】第一話 白い夢/第二話 影絵とおはなし/第三話 丸窓
     家の声が聞ける守人が、川越の地で古民家・月光荘の管理人をしながら、自分の生き方を見つけていく話。
     月光荘が守人と会話することで、マスコットらしさを増した感じがする。かわいすぎてずるい。町おこしも古い技術や農業の継承も大事なことだが、プラス面しか描かれていなくて、そこもファンタジー。
     第二話の朗読会に参加してみたくなる。

  • ほしおさなえの菓子屋横丁月光荘円窓を読みました。
    シリーズ四巻です。六巻を先に読んでしまったので前後する形になりましたが、良かったです。
    月光荘だけではなく、主人公のお祖父さんの事や、鎌倉が出てきたりして、また鎌倉に行きたくなりました。(^-^)

  • シリーズ4作目。
    前作で川越で生きていくことを決意した守人だったので、3作で終わるかと思ったら、想像を超えた4作目が出た。
    不意打ちでの4作目だったので、何だか拍子抜けな気分で読み始めたが、同級生の田辺の祖父母の家で偶然見つけた曾祖父のエピソードの続きと、守人がさらに川越の街の中に馴染んでいく様子が描かれる。
    「三日月堂」シリーズでお馴染みの朗読サークル「ちょうちょう」も登場し、「紙屋ふじさき」シリーズに繋がるエピソードも登場する。
    前作でも書いたが、こうして本で読んでいても、川越の街の風景が頭に浮かび、今すぐにでも行きたくなる。
    ただ、今回は守人の漱石にまつわるエピソードが多く、それがどこに向かっていくのかが謎。
    月光荘が「海が見たい」と言うので、ラストで鎌倉に向かう守人だったが、鎌倉よりも川越の話が読みたい。
    複雑な家庭環境の件も何回も出て来て、本当に複雑な家庭環境で育った人間にはうざい。
    家族に恵まれなくても、素敵な人たちに出会って、守人が明るくなって、自分の生き方を見つけて、って素敵な話にしたいのだろうけど、何だか、話がいろいろな方向に広がり過ぎている感が否めない。
    次作次第だけど、少なくても4作目は評価は低めで。

  • シリーズ4作目。

    旅先の鎌倉の海岸での場面がとても印象的。
    あたたかな読後感。

    あと、人付き合いについて話しているくだりで、ああ、もう、ほんとそうだよねぇ…としみじみ思った。
    そこの場面がすごく好き。

  • 温かな風が吹いた。自分も鎌倉に行ったみたいに。月光荘が一緒に行けたというくだり、なんとなくそうかなと思っていた。守人もいいものを作ったものだ。
    影絵のお話もよかった。安西さんや愛菜さんの家の問題はあれど、それぞれがなんとかしていかなければならないこと。そういうところがごまかされずに描かれていて、よかった気がする。

  • シリーズ4作目。シリーズのはじめの頃、主人公遠野守人は両親を亡くした孤独な青年だったけれど、川越にある月光荘という丸窓のある家に住み、様々な縁があって多くの人と関わり周囲が賑やかになる。月光荘でのイベントはどれも楽しそうだ。また、偶然、曾祖父とのつながりが分かるなど自分のルーツが見えてきてもう孤独ではなくなったようで良かった。魅力的な川越の町を散策したくなる!

  • 月光荘の管理人になったことで、人と繋がることが楽しくなってきた守人。このまま川越で働きたいと考え始める。
    大工だった曽祖父が家の修繕が得意だったことが分かり、曽祖父と家と守人が繋がる。
    守人と、曽祖父の守章がそっくりだと言う「家」。全く別人だと言う「月光荘」。その理由がリアル。
    月光荘のつたない会話が可愛い。続編が楽しみなシリーズ。

  • 三日月堂シリーズやふじさき記念館との繋がりがどんどん出て来て、とても面白い。こうやって、人は縁を紡いでいくのだなと嬉しくなる。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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