- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758442671
感想・レビュー・書評
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家の声が聞こえる主人公と川越の街を描いたシリーズ2作目。
今作では古書店の「浮草」のご主人が余命わずかな話から始まり、紙を作る家業を継がなかった守人の先輩の後悔の話から守人が管理人を勤める「月光荘」での切り絵の体験会をやってみようと言う企画を通して、家族の絆を改めて考えさせる内容。
「浮草」も、「浮草」に出て来る「雲日記」も三日月堂から繋がるお話。はっきり「三日月堂」とは出してないけど、ファンには堪らない内容だろう。
主人公の守人はいまいちテンションが低めで、いつも自分の中の何かと格闘している、そんなイメージであまり本文に貢献している感じがしないのだけれど、後輩の「べんてんちゃん」がナビゲーション的な役割を果たしており、「三日月堂」同様、読んでいて、川越の街が目に浮かぶような描写がさすが。
コロナ禍でしばらく川越にも足を運んでないが、この作品を読んでいると、行った気になれるから、おうち時間を持て余している人におすすめ。 -
ほしおさなえの菓子屋横丁月光荘浮草の灯を読みました。
今回は浮き草の灯、切り紙、二軒家の三部作です。
家の声が聞こえる主人公遠野は、川越の月光荘に住み、慣れてきました。
古書店浮草の主人が、病気で先がなくアルバイトの女の子に浮草を継いで欲しいと願います。
切り紙は、古い紙店を閉めてしまった父親と上手く話せないサラリーマンの息子がおばあちゃんの切り紙を通して歩み寄る話です。
二軒家は10年前に、片方が家事で焼け落ちた、双子のような建物の声が、小学生の間で幽霊騒ぎになっていてそこから三作目に続くようです。
古い街の人の繋がりが温かい気持ちにさせてくれます。 -
シリーズ第二弾。
家の声が聞こえる大学院生・遠野守人が、川越の古民家・〈月光荘〉の住み込み管理人となって数か月。
グイグイ距離を詰めてくる川越っ子・べんてんちゃんのお陰もあり、知り合いも増えて街にも馴染んできている様子です。
表題作の第一話「浮草の灯」は“活版印刷三日月堂シリーズ”に出てきた古書店〈浮草〉が舞台で、水上さんの「雲日記」も取り上げられていましたし、第二話「切り紙」では、“三日月堂シリーズ”の番外編に登場した和紙店〈笠原紙店〉の話だったりと、結構しっかりリンクしている感じです。
〈月光荘〉で行われた、切り紙のワークショップも楽しそうで、こうして古き良きものを通して地域の繋がりが広がっていくのって素敵ですよね。
ところで、前作では家の声が“聞こえる”だけだった守人ですが、本書では〈月光荘〉と“会話”ができるようになっていて、その様子が微笑ましく、何だか〈月光荘〉が可愛く思えてきました。
次巻ではどんな交流や繋がりがあるのか、読むのが楽しみです。 -
三日月堂ファンとしちゃあ話がつながったのは嬉しい。でも、これはもはやファンタジーだわ。家の声が聴こえるって、まあそういうのも許すかなって思ってたけど、家と会話までしちゃうとなるとちょっとなぁ。川越の古民家が若者たちの関与で魅力的に再生されるていくのは夢がある。行政頼みではなくて、地元の人たちとともにそういう街づくりがかなうのなら理想的だ。でもって話の本筋は、三日月堂が活版印刷の魅力を伝えてくれたように、月光荘は古い地図の魅力を伝えてちょーだい。
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① この本を選んだ理由
このシリーズを読み始めたので、その続きで。
②あらすじ
3部構成。
浮草の灯、切り紙、二軒家。
浮草の灯では、活版印刷三日月堂シリーズの水上さんが登場する。
③心に残ったこと
建物との会話
④感想
前作よりこちらの方がよかった。
全体的に寂しい感じがした。
この本を読むと、家に触れて声を聞こうとしてしまう…
⑤登場人物
遠野守人
松村果歩 べんてんちゃん
木谷先生
安西明里
豊島つぐみ
他… -
おおっ
人の輪もお話も繋がっていく… -
古書店浮草、雲日記、笠原紙店。
『活版印刷三日月堂』を読み返さなきゃ。
なんか聞き覚えが…くらい記憶が薄れてしまった。
守人と月光荘の会話からふと『家守綺譚』も読み返してみたくなった。
『三日月堂』も『家守綺譚』も細かな内容は忘れてしまったけれども良い本だったことは覚えている。
内容も忘れたくはないけど、また読める喜びもある。
違った発見があるかもしれないし。 -
シリーズ第二作。
守人が川越の人たちに溶け込んできたなぁとしみじみ。
川越の家や人と関わっていくことで、過去の傷を癒やし、少しずつ成長しているのが感じられました。
家と会話が成立?!
家が正月になると人になって集まる?!
と、謎が増えてきたけど、
完結しているシリーズだから、先に進むのが楽しみ。
浮草は前のシリーズに出てくるらしいので、そっちも読んでみたくなりました。