【新装版】巷の美食家 (ハルキ文庫 か 17-1)

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  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441353

感想・レビュー・書評

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  • 思ったより敷居が低い、というか(笑)
    ここに来たらコレ食べないとねーというコウルササと下ネタの合わせ技。……有効!
    開高健ってこんな感じなのか。。。
    ああ、大阪人だな、と思う。(関西人ではない)

    世界にある変わった料理を紹介してくれるのだけど、味を想像するって意外と難しい。
    特に珍味系はきっと、こういう味か!となることは一生ないだろうと思うこともしばしば。

    「ジャスミンの香りなら、むしろ私は、熱い茉莉花茶の茶碗からたちのぼる、最初の優しい一撃が好きである。」
    なんて一文は、ああ、すごくよく分かる。

    「大阪生れ、大阪育ちのものがはじめて東京へでてきて、はじめてウドンを食べたときには口もきけないくらいびっくりした。その途方もないマズさにである。」
    私自身は東京の真っ黒いツユのおうどんを食したことがないんだけど、よく言うよね。

    「今日はヤバいことになりそうだと思ったら、飲むまえにトーストにバターを靴の半革くらいもコテコテ塗りつけたのを濃い牛乳といっしょにやる。そうすると胃の内壁に脂肪の膜ができて、アルコールの浸透を防いでもらえる。」
    これも例えの好きな一文だけど、飲む前の牛乳を開高健から聞けたことに、何故か笑いが出た(笑)

    時代を味わうことが出来るエッセイだった。

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著者プロフィール

開高 健(かいこう・たけし):1930年大阪に生まれる。大阪市立大を卒業後、洋酒会社宣伝部で時代の動向を的確にとらえた数々のコピーをつくる。かたわら創作を始め、「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ほかに「日本三文オペラ」「ロビンソンの末裔」など。ベトナムの戦場や、中国、東欧を精力的にルポ、行動する作家として知られた。1989年逝去。

「2024年 『新しい天体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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