覇道の槍 (ハルキ文庫 あ 27-2 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 99
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439725

作品紹介・あらすじ

阿波国の戦国武将・三好元長は、将軍家の血筋に連なる足利義維、三好家の主君筋に当たる細川六郎とともに、戦のない世を作ろうと誓いを立てた。元長は類い稀なる才を活かし、時の政権に代わる堺公方府の樹立に貢献した。畿内支配体制を確立すべく活躍をみせたが、その後、主君・六郎との対立の末に壮絶な人生を歩むことになる-。大いなる野望の先に、男がみた夢とは!?第十九回中山義秀文学賞受賞作家が、悲運の武将・三好元長を描いた渾身の戦国史小説、遂に文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 天下を平定し、日の本を民が安んじて暮らせる国にする。
    将軍家の足利義維、主君筋の細川六郎とともに、この志の実現を目指した、阿波国の戦国武将・三好元長をえがく。
    裏切り寝返りの連続で、ごちゃごちゃしがちな話だけれど、メインの3人、対立していく柳本と神五郎など、主要な人物がしっかり描かれていたので、読みやすかった。
    理想に燃えた3人がすがすがしかったからこそ、後半はせつない。

  • 三好元長(三好長慶の父)の物語である
    戦のない安寧の世を作ろう・・・信長物と同様の志

    宿敵細川高国が細川澄元と家督争いをする中で祖父
    三好之長を弑され阿波で主君の子六郎(後の晴元)
    と足利義賢(後の義維)の成長を待つ元長
    三人は兄弟の如く育つが年若のため焦る六郎が空回
    り、兄とも慕う元長の大きさに嫉妬を覚えて悲劇に
    繋がる(三好本家を奪おうと対立する同族もいる)
    物語を進めていくのに便利アイテム忍者w
    戦場で助けた久一郎がラストに松永久秀として出て
    来る(ネタバレなので内緒である(-。-)y-゜゜゜)
    登場人物が凄い
    忍びに諸国同姓を探らせる元長に高国が香西元盛を
    誅殺した知らせがあり丹後蜂起で雌伏の時が終えた
    (丹後の有力国人波多野植通の弟・柳本賢治の兄)
    丹後守護代内藤国貞の離反を画策、洛中一揆を扇動
    (フィクションです)
    桂川の戦いで将軍義晴共々高国を都落ちさせて堺へ
    着いた六郎の元に悲劇を起こす元凶の可竹軒周聡が
    毒を吹き込む「(元長と)主従の別をわきまえよ」と
    他にも六郎の御前衆(三好神五郎・木沢長政・茨木
    長隆)と元長派で公方府は対立し争いが尽きない

    結局、六郎の小さな嫉妬心が肥大して争いとなり、
    一向一揆を引き起こしたものの暴走してしまい本人
    も淡路へ落ちぶれ、阿波の三好長慶が親の仇である
    六郎(晴元)を救う皮肉な運命になった(´・ω・`)

  • 三好元長の小説。理想だけでは、新しい世は作れない。そして、油断大敵。侮ってはいけない。人生は有限なのだから。

  • 素敵な人物を知れる作品でした。
    https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12156284082.html

  • 三好長慶の父「元長」かっこいい。

  • 織田信長が登場する二世代くらい前の時代ですね。応仁の乱から織田信長登場までの100年くらいはあまり馴染みのない時代だからか、キャラが立ってくるまでに時間がかかった。
    しかし、後半は一気に読ませる。
    ホント血で血を洗うろくでもない時代。人間の嫉妬というのは恐ろしいものよ…。まあ、史実とはだいぶ異なっていると思いますが、読ませる物語に仕上がっています。

  • 天野さんの作品は、堅苦しくなくて、かつ登場人物たち、ひとりひとりに心が込もっていて好きだが、今回ばかりは複雑な戦国の夜明けと呼べる室町末期を描くのはハードルが高かったかも知れない。一回読んだだけでは話が理解出来ない。主人公の三好元長をはじめ、一般的に有名な人物が殆ど出てこない本作は上級者向けかも。

  • 実は気の進まない室町末期というか、戦国時代直前あたりの名前の似た足利将軍や、豪族レベルの武将達がわさわさ出てきて、ゴチャゴチャ勝ったり負けたり騙したり騙されたりするパターンのやつ。わかっちゃいたけど、作者に期待して読んでみた。つまらなくはないし、前半、中盤までそれなりに興味を持って読めたけど、やっぱり最後は息切れしてしまった。作者は悪くない。室町がいけない。

  • 素材はいいけど武将らしさなし。ラノベかゲーム脚本みたい。途中で読み投げ。

  • 期待してたけど、ちょっと合わんかった。
    時代が合わんのかな。
    でも後半からラストにかけては、面白くなってきた。

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著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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