晩夏 東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-40)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 390
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758438674

作品紹介・あらすじ

台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから他殺体が発見された。遺体が発見された船室には鍵が掛っていて…。東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、被害者の身元確認を始める。一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場でのパーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、安積の同期で親友の速水直樹警部補だった-。安積は速水の無罪を晴らすことができるのか!?大ベストセラー安積班シリーズ、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • やった安積班長編だ!

    分かりやすくて読みやすいのに深みがある
    この相反することをサラッとやってるのが今野作品の魅力なんだよなぁと改めて思いました

    今作は安積班の面々はちょっと出番控えめ
    そのかわり我らがヘッド速水が全編に渡って大活躍です
    いわゆる「今どきの若いの」をどうやって導いていくか?ってお話しだったと思う
    そして速水のアプローチは特段構えず普通に接するということ
    安積のアプローチは手本を示すってことだったように思う
    そしてどちらも自分に自信がないと出来ないことだなぁと思いました
    自分自身が当たり前のことを当たり前にやれる人間であることを放棄している「今どきの大人」が多すぎる気がするなあ

  • 犯人を捜すミステリーというより、臨海署安積班の安積以下班員のひととなりを書き綴る警察を舞台としたお仕事小説の感があるこのシリーズ。
    今回は、安積の親友で交機隊の速水が殺人事件の重要参考人として拘束されるというショッキングな出来事と、クルーズ船での他殺死体事件に捜査本部が立ち上がり、安積が組んだ捜査一課の若い刑事の動向とで、読み応えたっぷりの長編。
    この刑事、捜査一課を鼻にかけ、安積もその対応に手を焼くが、拘束を解かれた速水が難なく使いこなす様は、読んでいて小気味がいい。
    速水が主役とも言える本書。

  • 警視庁安曇班シリーズという人気作。
    シリーズものと知らず手に取ったが、前作の背景を知らなくても楽しめた。
    ただ登場人物が多く若干混乱してしまったので、初回作から順に読んでいきたいと思った。

  • うぁ~…速水さん 逮捕されちゃいました。
    クルーザーの事件と新木場でのパーティーの事件…二つの事件が絡んで 安積班てんやわんやですね。(((^^;)
    そこに捜査一課のめんどくさ~い矢口さんのお守りもまかされちゃいます。
    速水さんの良さがでてたり、相楽さんの良さがでてたりで とてもおもしろかったです。

  • 主人が購入した本。

    普通の刑事物&新人教育といった面など奥が深く、面白かったです。

    シリーズ物、そのシリーズはドラマ化もされたと後から知りました。
    しかし、今からシリーズ最初から読むのは、大変そうです(^_^;)

    今野敏さんの他の作品・隠蔽捜査は、昨年から、まとめ読みできましたが…

  • 台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから他殺体が発見された。遺体が発見された船室には鍵が掛っていて…。東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、被害者の身元確認を始める。一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場でのパーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、安積の同期で親友の速水直樹警部補だった―。安積は速水の無罪を晴らすことができるのか!?大ベストセラー安積班シリーズ

  • 臨海署管内で同時に二つの殺人事件が発生、しかもうちのひとつの事件ではなんと交機隊の速水が容疑者に。もう片方の事件の捜査本部で捜査を進める安積も速水のことが気がかりで集中力を欠いてしまう。

    漂流するクルーザーに死体、セレブパーティーでの毒殺と、一見無関係に見える事件であったが、安積達の捜査で関係者を洗ううちに二つの事件につながりがみえてきた。

    この”別物”と思えた二つの事件にだんだんと関係性が見えてくるあたりが本作の読みどころでしょうか。そんなところにつながりがあったか、と思わせてくれる展開が面白いです。

    身柄を解放された速水が安積と捜査一課の若手矢口とのコンビに付き合いつつ、矢口を教育していくやりとりも面白いですね、この速水の勝手気ままさも本作のお愉しみといえるでしょう。

  • 速水がからむと面白さが倍増!

  • 私の大好きな速水さんが大活躍。本庁の若造も速水さんにかかっては…タジタジ。ふん、いい気味。相楽さんもなんだかいい感じになってきて、安積班シリーズにこなれてきたように思います。今回もまた一気に読んでしまいました。

  •  おなじみ湾岸署じゃなかった臨海署安積斑のこれは長編。やはり長い方がおもしろい。一見無関係な二つの殺人事件が同時に起こって、捜査本部が二つ立ち上がったものの、関係者が共通していて実際はひとつの筋書きだったというもの。片方の重要参考人として速水が引っ張られるというありえないことが起こり、疑いを晴らすために当人が安積係長と組んで捜査に参加するという大サービス。例によって事件の構図は単純であっという間に容疑者が割り出されて終わってしまうのだが、安積や速水を中心とした人間模様がいつものようにおもしろい。捜査本部では所轄と捜査一課とでペアになるので、いつもの安積斑のメンバーは解体して脇役に追いやられ、話の中心となるのは安積とペアになった捜査一課の若造矢口、それに速水だ。生硬で高飛車な矢口を酸いも甘いも噛み分けたおじさん二人が教育していくところが読みどころ。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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