走れメロス (ハルキ文庫 た 21-2 280円文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758436526

感想・レビュー・書評

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  • 5編の短編。そのなかから『黄金風景』について。

    子どものときにいじめた女中が、現在の『私』の活躍を喜んでくれている、という話。
    家から追われて小説を書いている自分なんて落ちぶれてしまった、と思っている『私』のことを、夫と子どもたちを育てているかつての女中は誇らしげに自慢しているらしい。当時の悪行も忘れたかのように。


    期待外れの現在の自分を昔の知り合いに見られたくない、という気持ちはよくわかる。
    そして、自分のいないところで自分のことを誇らしく思ってくれている、というのはとても嬉しいことだ。
    ずいぶんと都合のいい話だけど、昔からの知り合いにかっこわるいところは見せたくないのだ。すごく共感できるし、感情の卑しい部分だとも思う。

  • 280円文庫で読み直しました。この本もいいなあと、中高生に読んでくれという熱いエールを感じました。太宰の魅力も味わえ、藤谷治さんのあとがきも若者たちに読んでほしいって思いました。

  • 中学校でやった

  • 昔読んだと思うけど、大人になって読むとまた味わいがある。メロスよく頑張った!!!泣く!

  • 小学生以来に読んだ。
    スルスルと読めてしまう語彙に感服した。
    さすが、太宰治だ。

  • 天才すぎて疲れた
    小学生の頃にも読んだ走れメロス、一生忘れない気がする
    駆け込み訴えがいい

  • 黄金風景というお話が1番良かった!

  • 短編集の中の、「走れメロス」と「トカトントン」を読んだ。

    「走れメロス」
    何故かずっと犬の話だと思っていた。
    一つの信頼のために、結んだ約束のために、友情を守るために、自分が死ぬのをわかりながら全力で走る熱い物語だった。
    死に行くために死ぬ気で走るメロス。
    途中いろんな事に走ることを妨げられるが、「俺が死ぬのはここじゃない、あそこで死ななければ意味がない」って感じた。

    「トカトントン」
    この音が聞こえたら、必死だったことや夢中になっていたものが、パタンとどうでもよくなってしまい無気力になってしまう物語。
    一種のトラウマのようなもので、主人公は戦争の敗北宣言の際に聞こえたトカトントンという音から、何をやっていてもどうぜ敗北したんだという記憶が蘇り気力を無くしてしまう。
    夢中になっている事はすごく大切な事だから、冷めやすい私だけど、今はトカトントンなんて聞こえたくない。

  • 手に取りやすい価格の一冊。
    『懶惰の歌留多』『富嶽百景』『黄金風景』『走れメロス』『トカトントン』の5編。
    トカトントンのラストにツッコミを入れたい。

  • 数多いる文豪の中で、太宰治は取り立てて好きでも嫌いでもない作家である。そんな読者にとってこの280円文庫はとっつきやすいのではないだろうか。太宰の代表作ともいえる「走れメロス」や「富嶽百景」が収められている。太宰をとりあえず読んでみたいと言う人にはオススメできる1冊である。100ページあまりと短く紙質も決して良いと言えないが入門にはもってこいである。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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