- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435406
感想・レビュー・書評
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Kindle版読了。
生前、殺人・放火など多くの凶悪な罪を犯し、地獄の責め苦に苦しんでした男・犍陀多(かんだた)。
そんな彼でも一度だけ良いことをしていた。路傍の小さな蜘蛛の命を思いやり、踏み殺さずに助けていたのだった。
そのことを思い出したお釈迦さまは彼を地獄から救い出してやろうと考え、地獄に向かって蜘蛛の糸を垂らした...
(あらすじ)
超短編でしたw
Kindleで表示される読了までの時間で表示されたのは5分。
何かの間違いか、と思いつつ読み進めると、あっという間に読み終わりました。
仏教か何かの経典かと勝手に思っていましたが、調べてみるとこの話の材源は、ドイツ生まれのアメリカの作家、ポール・ケーラスが書いた「カルマ」(日本語訳「因果の小車」)の中の一説だそうです。
キリスト教の伝承が元になっている類似の話が各国になるとか。
そういった話を分かりやすく短編にまとめたもの、ということなのかな、と思いました。
教訓めいた話ですが、難しく考えずに読めます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分さえ幸せになればいいという人は不幸。
蜘蛛の糸だったら私も同じことしてたかもしれない。このまま上に行けなくなったら。糸じゃなくてしっかりした縄ならそのまま下からついてくる人は気にしないと思う。
蜘蛛の糸という糸のチョイスよ。 -
青空文庫にて
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小学校の時に読んでなんとなくずっと印象に残っていて、大人になって再読。シンプルで分かりやすい。
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芥川龍之介の有名作品
めっちゃ短いのですぐ読める。5分くらいで。
内容もシンプルでいいですね。
主人公の犍陀多の「犍」は漢検配当外、JIS第3水準という激ムズ漢字でした〜。
加えて音読みは「ケン」もしくは「コン」とあるのに「カン」と読ませているのはなぜなのか。 -
収録作品:鼻/芋粥/蜘蛛の糸/杜子春/トロッコ/蜜柑/羅生門。 蜜柑が読みたかったのですが、他も読みました。蜜柑は読んだことなかったのに、情景が見えるような作品でした。突然の爽やかな気持ちになれたことにびっくりした。 芋粥はすんなり理解できなかったのだけど、解説読んでなるほどそういうことかと。そう思うと非常に罪深い話なのだなと思ってしまった。
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重罪を犯した地獄の罪人: 犍陀多が、過去に蜘蛛を助けた善行のお陰でお釈迦様から地獄より這い上がれるチャンスをもらうも、持ち前の浅ましさによってチャンスを逃すお話。
「ぷつり」と蜘蛛の糸が切れる音は絶望的。
犍陀多はきっと今も、蜘蛛の糸が切れたのは沢山の罪人たちが蟻の行列のように登ってきたせいだと信じて疑わないだろう。
絶えず極楽に良い香りを漂わす蓮のように、性質は変わらない。
また、この一連の出来事を昼飯前にするお釈迦様の圧倒的偉大さを感じた。 -
はるか昔に読んだけど未だに詳細まで覚えてた短編。
そういえば今作を知ってから蜘蛛を殺さなくなったし、そんな日本人結構いるんじゃないか?
自己中心的に利益を求めて他人を顧みないと良いことが起きないよという教訓的なメッセージを分かりやすく伝えてくれているので現代にも根付いている我々の道徳観に実はめちゃくちゃ寄与してたりするんじゃね?芥川先輩やっぱり凄い人なんじゃね?などと思いました。 -
感想:この本を読んでお話の展開にびっくりしました。私がこの本をおすすめする理由はこの本を読んでいる間、主人公に対する感情の変化がたくさん感じられたからです。はじめは悪く思っていたのが、良い人に思うようになり、また悪い人だと思うなど色々な思いがありました。