おいしくて泣くとき

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.31
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本棚登録 : 1855
感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413503

作品紹介・あらすじ

貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
その店のオーナーの息子、中学生の心也は、「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、そして、ある事件に巻き込まれ……。
遠い海辺の町へと逃亡した二人の中学生の恋心と葛藤。無力な子どもたちをとりまく大人たちの深い想い。
“子ども食堂”を舞台に、今年いちばん温かくて幸せな奇跡が起こる! 
決して色褪せることのない人生の「美味しい奇跡」を描いた希望の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物の視点で、複線的に描かれた心の動き、見えるものが、どれも繊細で美しい。ストーリーに合わせて、登場人物に合わせて揺れ動く自分の心に、時折深呼吸が必要となった。ラストは涙が自然と溢れていた。もう一度、読み返したい。

  • 森沢さん連続の3冊目。
    貧困や、家族の死や、中学生ならではの校内の出来事などあらゆるテーマが入っている、
    家庭でご飯が食べれない子供達が電話で予約して食べられる子供飯食堂…なんか辛い。。

    とにかく主人公の心也くん、かっこいい!
    中学生なら、私も間違いなく好きになるわ笑
    海のシーンも、とにかく優しい。

    人の幸せは、学歴や収入で決まるものではなく、自分の意思で判断できたかどうか。
    というフレーズあり、そうなんだけど子供の頃って自分で決めれないし、心痛むシーンも多かった…

    ただ、大人になった時の心也くん、夕花ちゃんが出てきた場面では、なるほどー、わあーいと、ミステリーの伏線並に!!幸せな気分に。展開は予想外でした、それがまた良かった!
    それぞれの人目線で語られていく構成です。

    私だけかもですけど、最後の方まで、ゆり子さん誰??なんの繋がりあるんだろ?この方とお店は!?と疑問のままでした、、なるほどね!!

    焼きうどん&ビール 私も食堂で頂きたい!笑

    • Manideさん
      なんなんさん、こんにちは。

      私は今朝読み終わりました!!
      なんなんさんの感想にすごい共感です。

      読むのは辛いし、ゆり子さんはだれ?だし、...
      なんなんさん、こんにちは。

      私は今朝読み終わりました!!
      なんなんさんの感想にすごい共感です。

      読むのは辛いし、ゆり子さんはだれ?だし、
      ほんと、ざわざわな感じでしたが、
      最後は、「わぁーい」てした。

      すごい泣けたけど、最後は微笑みしか残らなかったですね。
      この作品はよかったですね!!
      2022/09/17
    • なんなんさん
      Manideさん、こんばんは!

      この作品良かったですー!
      最後のラストも予想外で٩(^‿^)۶

      森沢さん、素敵ですね。
      Manideさん...
      Manideさん、こんばんは!

      この作品良かったですー!
      最後のラストも予想外で٩(^‿^)۶

      森沢さん、素敵ですね。
      Manideさんのレビューも拝見させていただきました!!

      他の作品も楽しみです★
      2022/09/18
    • Manideさん
      なんなんさん、返信ありがとうございます。

      森沢さん、いいですよね。
      私は少ししか読めていないですが、
      出版順に読むのがベストなようなので、...
      なんなんさん、返信ありがとうございます。

      森沢さん、いいですよね。
      私は少ししか読めていないですが、
      出版順に読むのがベストなようなので、
      少しずつ最初から読んでいきたいと思っています。

      なんなんさんの森沢さんレビューも
      勝手に注目させていただきます |・`ω・´)チラリ!!
      2022/09/20
  • いいですね。。。
    温かい気持ちになり、足湯に浸かっている様な気分でした(*'ω'*)〜

    このまま話が終わってしまっては、物足りないと思って読んでいたのですが、ラスト明確な程良い伏線に、嬉しくなりました

    心也のお父さんのキャラが良かったなあ
    あとは、石村が夕花の義父と喧嘩した後、大丈夫なのかと気になって仕方がありませんでした
    結果報告まだあ?って

    初めから面白い様にサクサク読めました
    難しい本を読みたくない時だったので、良かったです
    森沢明夫さんの作品は初めてだったのですが、癒されるんですね〜

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      ほん3さん、おはようございます(^O^)
      皆さんの森沢明夫さんの作品のレビューを沢山読んできたので、初めてだという違和感があります 笑
      私は...
      ほん3さん、おはようございます(^O^)
      皆さんの森沢明夫さんの作品のレビューを沢山読んできたので、初めてだという違和感があります 笑
      私は読むのがあまり速くはないのですが、これはあっという間に読めました
      機会があればどうぞ=(^.^)=
      2023/10/11
  • フォロワーさんの方々のレビューを先に拝見していて、子供に食事を無料で提供する、子供食堂の話だという先入観があって、(他もレビューにあったと思うのですが忘れていました)まさかこんな展開をするとは思ってもみなかったので驚きました。
    よかったです。みんな幸せになれて。

    子供食堂を経営する家の中学生の息子の心也と、子供食堂に食べにくる幼なじみの夕花と隣のクラスの石村。
    <偽善者のムスコ>と呼ばれる心也も嫌だろうけど、多感な中学生の時期にタダでご飯を食べて<ビンボー野郎>と言われる石村もつらいだろうなと思いました。

    夕花が義父に暴力を受けて、逃れるために心也と一日だけの逃避行をして二人で電車で海辺へ行って一晩歩くところが一番せつないところでした。
    心根の優しい心也と、可愛くて勉強のできる夕花。
    二人の永遠の別れののところでは「ええっ!これで終わりなの!」と思ってしまいました。
    夕花の出世払いで、いつか本当に、銀座でお寿司が二人で食べられたらよかったのにと思いました。



    以下ネタバレですが。
    ハッピーエンドです。
    読了して、なんで気が付かなかったのだろうと思いました。
    銀座のお寿司より嬉しかったかもしれません。
    みんな幸せでよかったです。

    • くるたんさん
      まことさん♪おはようございます♪

      これは見事な構成、読後感でしたよね〜(●︎´ω`●︎)
      森沢作品の中でも上位にきます♪
      まことさん♪おはようございます♪

      これは見事な構成、読後感でしたよね〜(●︎´ω`●︎)
      森沢作品の中でも上位にきます♪
      2020/08/19
    • まことさん
      くるたんさん♪おはようございます。

      そうですね。なんでゆり子がでてくるのか最初さっぱりわかりませんでしたが、こういうことだったんだ!!...
      くるたんさん♪おはようございます。

      そうですね。なんでゆり子がでてくるのか最初さっぱりわかりませんでしたが、こういうことだったんだ!!と思いました。
      森沢作品、まだ初心者ですが、これからも読んでいこうと思います(*^^*)
      2020/08/19
  • 貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
    その店のオーナーの息子、中学生の心也は、
    「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
    7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、
    そして、ある事件に巻き込まれ…。

    一部の人には「偽善」と陰口を叩かれながらも、貧困家庭の子供達に
    無料で食事を提供する「大衆食堂かざま」
    一人息子の心也は「偽善者のムスコ」と言われ悔しく辛い重いをしていた。
    心也の幼馴染でこども飯にご飯を食べに来ている夕花は、学校でいじめられ
    家では働かない義父から虐待を受けていた。
    心也はそんな夕花が気がかりだった。
    そして、もう一つのこども飯をしている「カフェレストラン・ミナミ」のお話が並行して進んでいく。
    「カフェレストラン・ミナミ」は、事故でトラックがお店に突っ込んできて大破。
    途方にくれているマスターとママの元に突然隣県の工務店から電話がかかってくる…。

    15歳の心也と夕花の無力さに胸が痛かった。
    虐待する呑んだくれた夕花の義父が憎くて憎くて仕方なかった。
    心也は無力な自分をとても責めていたが、幸せは学歴や収入で決まるのではなく、
    自分の意志で判断しながら生きているかどうかっていう亡き母親の言葉を、
    しっかり胸に刻んで育ってきたから、優しくて温かくてそして強い。
    素晴らしいよ~♪
    心也のお父さんが、またとっても素晴らしい人だった。良いなぁ。

    途中でもしかして…と思いました。
    こんな風にここまでリンクしているとは………。
    何度もウルウルして読んでいましたが、最後は涙腺崩壊しました。
    貧困家庭に虐めに虐待…。
    とっても重いテーマですが、優しさ溢れる筆力で描いてくれました。
    こども食堂大切ですね!
    やはり、胸がじんわりと温かくなりました。
    ここ最近の森沢さんの作品の中では一番良いなぁって思いました。

    桔梗の花を逆さにしたようなちょっと風変わりな形の風鈴。
    エミリのおじいちゃんの風鈴だ~

    • ひとしさん
      しのさんこんばんは♫
      私も『おいしくて泣くとき』読みました。
      スゴく良かったです!
      自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
      ...
      しのさんこんばんは♫
      私も『おいしくて泣くとき』読みました。
      スゴく良かったです!
      自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
      森沢明夫さん最高ですよね!
      これからも読者が幸せになれる物語を描いていってほしいですね(o^^o)
      2020/08/16
    • しのさん
      ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
      レビュー拝見させて頂きました。
      凄く良かったですよね~♪
      私も森沢さん大・大・...
      ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
      レビュー拝見させて頂きました。
      凄く良かったですよね~♪
      私も森沢さん大・大・大好きです。
      本当にこれからも心が温かくなって癒されて幸せになれる物語を描いていて欲しいって思っています。
      2020/08/23
  • たっぷりのせた鰹節が踊る焼うどんが食べたくなりました。子供のようで大人の入り口中三の夏、心也と夕花の海辺への逃避行。父の耕平は息子を信じてたところに、深い絆を感じました。
    ほっこり、じんわり、優しいお話。と思えば、現実社会の問題も抱えていて、ラスト、ゆり子さんが結びついた。夕花の心情に添うと、健気で痛々しくてやるせない。今は安心という時間が無くても、心が折れっぱなしでも、ずっと先には、あれを乗り越えたから今が幸せ、と思える日が来る。
    「こども飯」を偽善と呼ばれてしまう葛藤。
    大切なのは自分の意思で判断しながら生きているかどうか。自分を顧み、つくづく染みる言葉でした。耕平さんが格好いい。
    夕花とは、あっけなく。現実はそういうものだな。こういう再会もありかなと思う。

    食べてくれた人が美味しいって言ってくれたらもっともっと好きになる。母の夢であった「こども飯」、ここに結び付くとほんと泣ける。

  • 幼なじみの心也と夕花、そして隣のクラスのワルの石村。
    中学三年生の三人。
    みんな抱えているものがあるけれど、自分の力ではどうにもできない。なぜなら子どもだから。15歳にもなれば頭では色々考えられるけれど、やはりまだ親の庇護下にあってそこから抜け出せない。そしてそんな友だちを助けてあげることもできない。
    でも友だちのために戦ったり勇気を出してその場から逃げたり、今の状況を変えようともがく。
    そんな15歳の少年少女の三人。
    「人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ『自分の意思で判断しながら生きているかどうか』に左右される」
    ワルの石村の大人になった姿も見たかったな。きっといいヤツになってると思うんだけど。
    優しさにあふれた作品でした。

  • 温かさと涙に包まれた、一冊。

    こども食堂をベースに描かれていく物語。

    森沢作品にはハンカチが必須。

    今回も随所で涙腺はゆるんだけれど終盤は一気に涙腺崩壊だった。

    人って、あの時のあの瞬間があるからがんばれる、つらいことがあっても生きていけるのかもしれない。

    愛情はもちろんあの時のあの味、あの言葉はその人にとってはかけがえのない思い出、宝物。

    無力な子どもだったらなおさらだと思う。

    子供達が安心して食せる場所、増えて欲しいな。

    この物語の全姿を見せてもらった時に包まれた温かさと涙、たまらない。

    森沢マジックを感じた瞬間。

  • いるかさん、こっとんさん、まことさんなどがお薦めしておられました。
    図書館予約、やっと読むことができました。
    表紙は中学三年生の心也と夕花
    切ないです。
    貧困、暴力、いじめ、怪我、死
    様々な困難の中で、前へ進みます。
    それぞれの人物の目線で語られます。
    構成がうまくて、「?」だったのが
    ラストに「あー!」と

    オマケかな、
    ちょっぴり『癒し屋キリコの約束』なんかが……

    夢中になって、ほっとして、本を閉じました。

    ≪ 生きること 自分の判断 それだけを ≫

  • 自分の親がやってる食堂に
    無料でご飯を食べにくる同級生。
    色々物思う年代の中学生にとって
    食べるほうも 迎えるほうも
    複雑な気分になるよね。
    努力や忍耐 気遣いという
    人間の美しい部分が
    ちゃんと報われたのは
    とても嬉しい。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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