- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758413152
作品紹介・あらすじ
「決して後ろに退かぬ」と言われる毛虫を兜の前立にして、伊達家中一の勇猛さを誇り、伊達三傑の一人とも数えられた男・伊達成実。だが文禄の役から帰参した後、生涯をともにすると約した政宗のもとを離れ、成実は謎の出奔をする。その秘められた意図とは?戦国末期を政宗とともに駆け抜けぬけた男の生き様を描く歴史長編。
感想・レビュー・書評
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政宗を支えた男の物語。
歴史小説は起きた出来事に目が行きがちになるけれど、人の気持ちを大事にした内容だなと感じました。(吉川さんの本はそういうのが多い気がする。)
「相手に尽くしているつもりが、自分を押し付けていた」という、いつの時代でも起こる人間ドラマ。
最後の片倉小十郎に指摘は、これまでの成実の言動が政宗の奇行に繋がっていく、推理小説の種明かしのようです!
これまでは伊達政宗と言えば片倉小十郎!と思っていましたが、伊達成実の存在がどれだけ大きかったか勉強になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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幼き日に疱瘡に罹り右目を失った政宗。その政宗の右目になるべく伊達家を支える伊達成実。
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伊達成実は、政宗とは幼少時より最も近い重臣であり、それ故になんでも諫言できるまさに政宗の失われた右目のような存在であった。
伊達家随一の猛将であり、非常に魅力的な武将ですね。 -
[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
伊達成実の生涯を題材とした物語
元服前の時宗丸と呼ばれている時代、疱瘡で右目を失った梵天丸に対し、自分が右目になると言い切った様子はとても気持ちよかった。
その後、成実と名を改めて政宗の手足となり、その覇業を支えていく様子は非常に面白かった。その中で成実と政宗の心の距離が丁寧に書かれているのが印象に残っている。
出奔した成実が帰参する場面は政宗の言葉に感動した。 -
本当に熱い漢の物語だった!最後の帰参で政宗とのシーンは泣けた。主君政宗のためにひたすら戦いそして支えた漢 伊達成実カッコイイ。擦上原の合戦シーンはもう1番燃えた!主人公である成実も言っているが政宗の右目といえば片倉小十郎だと自分も思っていたが物語を読んでその小十郎の言葉で「伊達成実こそが右目」というのが納得できた。政宗と成実似ているからこそぶつかり合い行き違いをしてしまうもののやはり強い絆で結ばれている。屋代勘解由が不気味。
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成実帰参のシーンは、思わず涙がこぼれした。
成実も小十郎も、皆が「龍の右目」なんだよ。皆で、支えていかなきゃ。