恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412889

感想・レビュー・書評

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  • “食堂のおばちゃん”が良かったので、早速続編を手に取った。
    今回は一子が若かりし頃のお話。
    人情溢れる昭和を、感じることの出来た1冊でした。
    涌井さんが思い悩んでる時代があったんだなーっと…
    あと、亮介の違う料理の道へ進むことになったことにじーんときた。
    今回もお料理の描写&末巻のレシピ良かった。
    ハンバーグににんにくや生姜のみじん切り入れるの気になった。あと、ロールキャベツをホワイトスースで煮たのも気になる!

  • 1巻から遡ることおよそ60年前のはじめ食堂のはじまりの物語
    最高に美味しくて、人情味あふれる下町の洋食屋物語

    帝都ホテルの副料理長だった孝蔵と一子のなれそめも語られる
    日本が戦後の復興を遂げ、世界と肩を並べようとする昭和40年代、東京オリンピック、新幹線の開通、高速道路や高層ビルの建設、ビートルズの来日・・・昭和の香りがいっぱいで、映画『三丁目の夕日』を思い浮かべながら読んだ

    折につけ、昭和のあの頃が懐かしく思い出されるのは、私が年をとったせいだろうか 
    読み終えるまで、とてもすてきな時間を過ごすことができた

    〜余談〜
    1ページ目を開くなり、出来立てのベシャメルソースの香り
    ベシャメルソースってなんだっけ?と考えながら読んでいると、ホワイトソースのことを言うんだって!

    さらに、孝蔵さんのベシャメルソースの作り方の斬新なこと! へえ、そんなやり方でダマにならないんだ!と驚かされる

    はじめ食堂のコンソメスープもメンチカツもビフテキも
    どれもこれも食べてみたーい
    お腹の虫が鳴きっぱなし

  • 『食堂のおばちゃん』の続編。
    といっても、時間はさかのぼり、孝蔵と一子の若かりし頃。

    和気あいあいとしたあたたかさ。
    下町の人情。

    ほっこりしたり、じーんときたり。
    昭和の古き良き世界がひろがる。

    孝蔵の料理の魅力もたっぷり。
    こんな素敵なお店が近くにあったら、と思う。

  • あっ、続きだ!と思ったら違った。「食堂のおばちゃん」の前の話だった。
    素敵な話だったな~
    料理はもちろんだけど、孝蔵さんと一子さんの夫婦が素敵。

    場所と時代も設定がいいですね。
    安心して読める本でした。

  • 下町の人情話としてもモチロン面白いけれど、大鵬が負けたりウルトラマンが流行ったり郵便番号の制度ができたりする戦後の日本の様子が一般の人目線で描かれているのが興味深かった。
    over70歳くらいの人が読むと懐かしいのかな。

  • 「食堂のおばちゃん」の舞台となった、佃 はじめ食堂がオープンした昭和40年から昭和45年までの物語。
    「食堂のおばちゃん」では昼は定食屋、夜は居酒屋だが、一子と夫・孝蔵が開いた当初は洋食屋。
    帝都ホテルの副料理長を務めていた孝蔵が手がける料理は、材料の下ごしらえ、スープの取り方、食材の火の通し方、味付けなどは超一流。
    それでいて店の雰囲気は堅苦しいところがなく、従業員はまじめ、いい常連客にも恵まれている。
    これも一子がベタ惚れした孝蔵の人柄のなせる技か。
    食堂を訪れる客たちとのやり取りを軸に語られる、仕事への情熱や家族関係…。
    おいしそうな料理の描写が楽しみなこともさることながら、繰り広げられる人間模様が非常にあたたかく、元気づけられる。

    個人的には第五話「さすらいのコンソメスープ」の赤目の変人ながら憎めないキャラクターがとても気に入った。

  • 料理をこよなく愛する人たちの物語。
    姑の一子(いちこ)と嫁の二三(ふみ)が切り盛りする物語「食堂のおばちゃん」の、始まりの物語でもある。
    孝蔵さんは、本当に素敵な人だなあ~
    そして、高ちゃんのその後も、「食堂のおばちゃん」を読んでいれば知っているわけだから、何とも切ない。
    昭和の時代も懐かしい。

    第一話『覚悟のビフテキ』
    後に従業員となる、食い逃げ未遂少年・西亮介と、腕利き心臓外科医・佐伯直(さえきすなお・女医)
    それぞれの、ビフテキに懸けた覚悟とは。

    第二話『ウルトラのもんじゃ』
    父親が、息子の自分や家庭より料理を優先しているようでさびしい、息子の高(たかし)
    料理に反発を覚えるが、亮介は、恵まれた環境なのにもったいないと、それを寂しく思う。

    第三話『愛はグラタンのように』
    早く独立して結婚したい、松方英次(はじめ食堂のチーフ)と紗栄子のカップル。
    そこに問題が…

    第四話『変身!ハンバーグ』
    孝蔵の、帝都ホテル時代の後輩で、現料理長の涌井直行がフランスの料理コンテストで三位に入賞し、一躍有名人になった。
    それが思わぬ悩みに繋がる。
    商店街では後継ぎ騒動勃発、孝蔵が粋な解決策を提示して納める。

    第五話『さすらいのコンソメスープ』
    ビールとスープしか注文しない謎の老人は、一文なしだったり、人に御馳走したりとよくわからない。
    意外な過去を持つ、哀しきさすらい人だった。

    第六話『別れのラーメン』
    料理人としての自分に悩み続けた、西亮介の、新しい可能性と旅立ちを祝う。

  • 食堂のおばちゃん
    恋するハンバーグ
    山口恵以子

    食堂のおばちゃんシリーズ②

    ∞----------------------∞

    佃のはじめ食堂ができるとこから。

    戦後まもなくの頃の話で、一夫妻は私の祖父母より少し若いくらいなんだけど、やっぱり都会の人だな、うちのじいちゃんばあちゃんとエラい違うわ。

    時事ネタも入ってるけど、全然古臭く感じない。心臓外科女医とか出てくるからか、そもそも料理がオシャレだからか、現代の話のように読めた。

    孝蔵さんは男前だし、一子さんはそれはそれは美しい方のようで、もちろん見た目だけじゃなく心意気も良い。
    厨房の見習いの人たちの関係性も微笑ましくて、応援せずにはいられない。

    2024/01/27 読了(図書館)

  • 高度成長期の東京、はじめ食堂のはじめ物語です。先日亡くなった平岩弓枝さんの昭和ドラマのような懐かしさ! 若き日の孝蔵さん一子さん夫婦が作る素敵な料理、素晴らしいですね!

  • 食堂のおばちゃんへ続く話らしい。
    下町のいい人がたくさん出てくるお話。
    家族や世間からのしがらみが多い時代ではあるが、人との繋がりがしっかりあり、それは羨ましくもある。
    人情味あふれる、昭和の下町ストーリーは個人的に好きなので、とても楽しく読めた。
    戦後の生まれていない時代の話なのに、懐かしさを感じるのは「昭和」の不思議だと思う。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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