ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊K-9

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 115
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412780

作品紹介・あらすじ

南アルプス北岳山荘を武装集団が制圧。それは国家を巻き込んだ恐るべきテロ事件の幕開けだった…。超大型台風が到来、警察も自衛隊も接近できない陸の孤島と化した山。しかし、そこには"奴ら"がいた!

感想・レビュー・書評

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  • 天空の犬、ハルカの空に続く山岳救助隊シリーズです。
    一気に国家転覆系の一大事件に巻き込まれます。思想がかなりの分量溶け込んでいるように感じましたが、一大エンターテイメントとしてとても面白く読ませて頂きました。
    自衛隊の謀反、毒ガスに小型ロケット、都民を人質に・・・。山岳救助隊と救助犬で対抗しようもないんじゃ・・・。と読みながら素で不安を覚えました。彼らの活躍も結構少な目なので犬は今回脇役で終わるのか?と思いましたが、しっかり活躍するのでご安心を。
    映像化狙っているのか?と思わせる位一気にアクション巨編に舵を切ってしまったのでこれからこの方向性なのかな。通常業務のヒューマンドラマ方面もしっかり書いて頂きたいなと切に希望します。
    主人公夏美のバディーであるメイがとにかく可愛らしい。犬が出てくるとテンションあがる。

  • 面白かった。元陸1佐鷲尾らが南ア北岳山荘に立て籠り、首都圏に向けてVXガスを搭載したロケット弾を発射するテロを決行。政府への要求はカンボジアと福島原発事故での自衛隊員の殉職の公表。テロに屈しない、首相官邸での閣僚の非人道的な作戦。一方、北岳山中では山岳救助隊、山荘スタッフとテロリストたちとの攻防。壮絶な戦いの中、テロリストの裏切りや分裂。初の自衛隊治安出動は悲惨な結末を向かえる。鷲尾のブロッケン現象に見た自分の心の中に棲む悪魔が成せた事件だが、政府の対応を鑑みると同情する。

  • うーん、前半、物事がなかなか動かない。

  • 南アルプス、北岳でのテロ
    退役自衛官がVXガスを武器に政府を脅す

  • 元自衛官たちによる国家を対象にしたテロ。彼らに占拠されたのは南アルプス北岳の山荘。。。という。山岳小説って身近なのに独特の世界観があって結構好きです。
    でもなんか思ったよりもパッとしなかったかな。ジェットコースター的に読んでる最中はそれなりに楽しんだんですが、読了してみると内容が若干薄めなわりに後味もよくないし。。。登場人物のキャラがやたらしっかりと立ってるように思えたのでシリーズものなのかな?と思って調べたらやっぱりそうだったんですね。シリーズキャラを愛するような感じで楽しむのが正しい読み方だったのかもしれん。

  • どこかで読んだことのあるストーリー
    かなり初期の段階で、ストーリー展開や結末が読めてしまう。
    文章自体は読みやすい

  • カンボジアで部下を失い原発事故で息子を失った元自衛官が抗議の蜂起。化学兵器を使って都民を人質にし身勝手で肝の座っていない政治家の覚悟を問う。立ち向かう山岳救助隊に,山が,自然が味方する。安保法制の強行制定翻弄される現場の状況に問題提起。帯に「前編,クライマックス」「超弩級のノンストップ・エンターテインメント!」とあるがその通り。在来線を乗り越し,新幹線は危うく乗り越し未遂。細かいほころびや書き込み不足が全然気にならない。傑作だ。

  • ラストの仲間割れが無く違い展開だったらベタにならずによかったのでは と思う
    山岳小説的にはかなり面白い。

  • これまでの山岳救助もののシリーズとは違ってテロリストとの戦い。
    リアルに自衛隊のPKOカンボジア派遣、福島原発事故、安保法案、特定秘密保護法、オスプレイなどがでてくるので、一気に引き込まれて読破。

  • 「天空の犬」「ハルカの空」に続く南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ第三作「ブロッケンの悪魔」。
    やはり、本作もとても面白かった。
    最期の1/3は切り上げることができず、一気に読み切った。

    山岳救助隊員星野夏実とメイが活躍するシリーズ、序章である男が出てくると、彼らが山で何かを起すのだなとすぐに見当はつく。
    話が展開していくにつれ、出てくる様々駒を、南アルプスにおいてどのように動かすのかなと考えつつ読んでいく、大まかな筋書きは外れることは無い.....

    が、面白い。
    第三話となって、すっかりおなじみになった登場人物が、その期待を裏切ることなく、それぞれの持ち味を十分活かしながら暴れまわる。
    そして、そこに常に存在するのは、南アルプスの圧倒的な自然。
    本作は、いままでの作品に比べ、救助犬たちの活躍する場面は少なかったかもしれないが、重要な場面では、しっかりいい仕事をしてくれます
    福島原発事故や政府の対応、そしてマスコミの対応までを含め、現在の状況のなか活躍する山岳救助隊K-9.
    第三作を読み終わったら、すぐに新作が読みたくなってしまうのは、私だけではないと思います。

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著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。山岳救助犬の活躍を描く「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの他、『狼は瞑らない』『光の山脈』『酔いどれ犬』『還らざる聖地』、エッセイ『北岳山小屋物語』『田舎暮らし毒本』などの著作がある。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2022年 『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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