真説 真田名刀伝

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412773

感想・レビュー・書評

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  • 題名は真田名刀伝、だけど、主人公は真田じゃなくて、?って感じだけど、まぁ、そのほうが聞こえがいいし、関わりはあるということで。物語自体は名刀「茶臼割」はストーリーの要というほどではなく、それを使う兵法者であり海野の城主の庶子で三男坊という主人公が戦国初期にどう生きたか、というお話で、前半はなかなかいいテンポで進むものの、中盤から後半、戦国の世が進むにつれ、よく知られた戦国の合戦エピソードにはさほど関わらないため、どうしても小粒な印象になってしまった。

  • 海野三兄弟、海野能登守輝幸が持つ名刀茶臼割りの数奇な運命を描く。この名刀は、海野輝幸より、海野一族から出た真田昌幸、真田幸村へと受け継がれていく。
    乱世を力強く生き抜いた武将達の生き様が、大変興味深い。

  • 真田信繁(幸村)の最後の刀となった「茶臼割り」という名刀の話。真田家の歴史を刀でどう語るのかと興味津々ではあったけれど、良い意味で裏切られた。メインは持ち主の海野能登守。なかなか題材にならない人物が主役の本が読めることは嬉しい。
    上杉・北条・武田らの大名に囲まれた信濃・上野の小さき国衆らの生存競争を海野視点で描ききる。そして幸隆、昌幸親子が、他者視点で描かれると非常に嫌な謀略家として描かれることが多いが、本作もそうだったりする。外様で信玄に重用されるためには謀で何とかするしかなく、仕方ないのかもしれない。時勢を読む目と、小競り合いのような争いを繰り広げて、目まぐるしく戦国は動いていったんだろうと思うと感慨深い。
    様々な史料に当たったうえで、淡々とした語り口に迫力があり、期待を裏切らない。
    武器に詳しい作者ならではの情報量は圧巻で、刀剣類の薀蓄には、ただ脱帽する。

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著者プロフィール

東郷隆/横浜市生まれ。国学院大学卒。同大博物館学研究員、編集者を経て、作家に。詳細な時代考証に基づいた歴史小説を執筆し、その博学卓識ぶりはつとに有名。1990年『人造記』等で直木賞候補になり、93年『大砲松』で吉川英治文学新人賞、2004年『狙うて候 銃豪村田経芳の生涯』で新田次郎文学賞、12年『本朝甲冑奇談』で舟橋聖一賞を受賞。その他著書多数。

「2022年 『妖変未来記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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