- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757123359
作品紹介・あらすじ
ソロー、シラー、ロスなどのノーベル経済学賞受賞者を含む経済学者が、ケインズのエッセイ「わが孫たちの経済的可能性」(『説得論集』所収)にならい、これからの100年間の世界について大胆に予測する。
感想・レビュー・書評
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経済
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2015年展示「これからお金の話をしよう。」
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かつてケインズが著した「わが孫たちの経済的可能性(1930年)」にならい、アメリカの経済学者たちが100年後の社会を予想したもの。経済学者のかいたものではあるがテーマが経済とどまらず、政治、医療、気象、創薬、教育など幅広い分野を取り上げていて、現代経済学が取り扱う分野が幅広いことを物語っている。10人の主張はどれも「慎重な楽観論」となっているがブラックスワンに対する緊張感も共通している。アメリカでは教育の質の低下が深刻でそれが国力の低下につながっているという。また、それまで新興国に発注していた「モップやほうき」を、雇用対策の一環として国内の低所得者や教育を受けられなかった層が担うようになっているが、これでは生活水準の向上は望めず、結果的に格差が固定化してしまう。これは日本でも当てはまるような気がして怖い。
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権利革命=民主主義の発展
テクノロージーの進歩
たゆみない成長
不均衡な成長
就労形態と賃金の変化=二極化
健康革命=健康状態がよくなる
テクノロージーによって国境がなくなる
平和の世紀
半啓蒙主義
人口の爆発的増加、資源、環境
イギリスの「国王の王立野党」という発想=反対の立場で批判や反対をしても忠誠心は疑われない=自由な議論、民主主義の発展。
アメリカの20世紀半ばの賃金差の圧縮は、単純労働の需要が一気に増えた、ことが原因。今後、同じことが起きる可能性は低い。テクノロジーの発展で単純労働はなくあなる。
ボウモルボウエン効果=労働集約型の仕事の生産性は向上しない。その結果、公共サービスの生産性は向上せず、官僚制の費用はGDPの伸びよりも大きい。
マッチング理論
ドラッグと栄養剤の区別がつかなくなる
顔認識で瞬時に相手がわかる
医療は、成長産業
本格的な人工知能はあと100年は実現しない。
金融に関するリスクは国家間の分散が進む。
金融に関する契約は政府が変わっても引き継がれた
コンピュータに仕事を奪われる可能性は高まる -
原題:In 100 years: Leading Economists Predict the Future
編著:Ignacio Palacios-Huerta
版元:The MIT Press, 2014
【メモ】
・書誌情報
編著:イグナシオ・パラシオス=ウエルタ
翻訳:小坂恵理
解説:猪木武徳
発売日:2015.01.29
定価:2,376円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-2335-9
・NTT出版のページ
<http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002330>