- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756253217
作品紹介・あらすじ
江戸の卓越した博物画から美麗な鳥たちの姿を追う
江戸時代の動植物図譜の中でも写実性と繊細で美しい筆致で評価の高い、毛利梅園の『梅園禽譜』。本書は『梅園禽譜』から厳選した86点の図譜とともに、和名の由来・分類・学名、さらにその鳥が登場する歌集や伝承などを紹介します。江戸の人を魅了した、精彩を放つ鳥たちの姿が今よみがえります。
日英バイリンガル
感想・レビュー・書評
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江戸時代末期に描かれた『梅園禽譜』の鳥類の図譜を紹介。
春の鳥・・・白頭・鶯・山鳥・雉・海烏・繍眼児・日雀等、14種。
夏の鳥・・・翡翠・郭公・仏法僧・三光鳥・雨燕・雷鳥等、18種。
秋の鳥・・・椋鳥・雉鳩・鶉・当年・朱鷺・百舌・蟻吸等、16種。
冬の鳥・・・姉羽鶴・丹頂・黄連雀・鷽・虎鶫・尾長鴨等、21種。
飼い鳥・家禽・・・砂糖鳥・文鳥・九官鳥・合鴨・矮鶏等、17種。
カラー図譜、標準和名、異名等、解説での構成。
参考文献有り。
国会図書館に所蔵されている、江戸時代に編纂された
本草画家毛利梅園の自筆の博物画集の一冊、
『梅園禽譜』の図譜107種から、86種を紹介しています。
海外向けを意識してか、英文が併記されていることもあり、
文章は詳細でありながらも、簡潔。
カッコウ・・・郭公は鳴き声が名前の由来だが、英名Cuckoo、
フランス語名Coucou、ドイツ語名Kuckkuck等、
併記すると他国でも同様の命名であることが分かります。
和歌や俳句等の文学の中での登場、
インコやチャボ、文鳥などは、飼い鳥として輸入等、
興味深い事項も載っています。
そして図譜の絵は、繊細にして美麗。
羽の細かい描写や質感が素晴らしい。
これらを詳細に再現した印刷関係者にも、賛辞を贈りたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
激安だったので、つい買ってしまった。
定価でも2800円とリーズナブル。
先日、書いた細川版『江戸の鳥類図譜』と比べてはいけない。アプローチが違う図鑑というよりは、カジュアルに本草美術を楽しむ小冊子的な感じ。とても軽いので、そこらへんに置いておいて、ボヤーっとリラックスするために眺めたり、モチーフにインスパイアされるために眺めるのによかろうと思う。深いツッコミをしない、よく美術館でお土産に買うやつみたいな感じ。
とても魅力的です。
安いのでと、ぞんざいに扱うわけではないが、
閲覧に緊張感が伴わない画集というのは
リラックスできて良いですな。