- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756244178
作品紹介・あらすじ
世紀末のカリスマ、幻のイラストレーターの待望の作品集!
感想・レビュー・書評
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嫌悪するほどに、毒々しく、エロティックで、そして、前衛的で、一度見たら忘れられない強烈な個性を放つモノトーン画。
ワイルドの小説「サロメ」の挿絵などで知られる、19世紀末の挿絵画家オーブリー・ビアズリー(1872〜1898)の作品群が、彼の人生や人物相関図まで含めた詳細な解説とともにたっぷり味わえる画集です。
たった25年の生涯の中の、10年にも満たない創作期間の中で、一躍時代の寵児となり、そして、疎まれ、追放され、それでも仕事がある限り死ぬまで書き続け、自分のスタイルを築き上げたビアズリー。
その悪魔的魅力は現代でも明らかですが、どうやら、小説のイラストレーターとしては、中身のストーリーを無視した要素を盛り込みまくって「ビアズリー色」をつけすぎてしまうため、ワイルドをはじめとする原作者からは微妙に歓迎されない向きもあったよう。
確かに、改めてみると、「サロメ」の挿絵なんかも、ストーリーと全く関係ないものが結構ある…。
逆に、その絵があまりに強烈すぎるため、ワイルドが男色の罪で逮捕されたときに、ビアズリー自身は男色家ではないのに、「あのサロメの絵描き=男色」と勝手に決めつけられて、当時持っていた雑誌の仕事がなくなるという、とんだとばっちりというか、自業自得というか、とにもかくにも憂き目を見るわけですが…。
そんな怒涛のエピソードも、数々の作品とともに、章立てられて丁寧に解説されていています。
B5大サイズで多くのビアズリー作品や資料が掲載されているので、画集としての質が高いのはもちろんのこと、読み物としても、とても良く出来た作品集です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ビアズリーに魅せられた画家たちに私も魅せられています。クラーク、ニールセン、バルビエetc.。
装丁も素晴らしい。圧巻。 -
「サロメ」を読んで気になったので読了。
ところどころ「これはさすがにこじつけすぎないか?」と思うような説明・解釈があったが納得出来る部分も多く悪魔的で魅力的な作品の数々に圧倒された。
「作品とあまり関係ない挿絵を時折描いていた」という部分に悪戯心と現代の二次創作に通ずる遊び心を垣間見ることが出来た気がする。 -
サロメからピアズリーを知ったのですが、これはまたミステリアスなのに仕事の細かさにも目を惹かれ、どの絵も面白かった。
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オーブリー・ビアズリー、二冊目。
全部集めたんじゃないかってくらい充実している。また、画家の生い立ちと家族、周囲の人々も紹介されていて、輪をさらに広げられそう。
図書館で借りた本だけど、これはいつか購入したい。 -
図書館
これ一冊でビアズリーの作品がかなり堪能できて大満足。 -
妖しい魅力満載です
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作品もさることながら解説・背景に歴史や関係者まで、わたしのような初心者にもわかりやすくおもしろかった。
しかし解説読んだらあらゆるものが猥褻物にみえてくる罠…