ロシアの挿絵とおとぎ話の世界

制作 : 解説・監修 海野 弘 
  • パイインターナショナル
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本棚登録 : 202
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756242938

作品紹介・あらすじ

不思議な魔法にみちたお話、ゆかいな動物が活躍するお話…。あたたかくてどこかなつかしい、ロシアのおとぎ話と挿絵がもりだくさん。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年発表。


    どこか郷愁を誘う
    ロシア民謡も好きやけど、
    とにかく沢山の動物たちが登場する
    ロシアの童話に惹かれます。


    熊や羊や馬や豚や
    兎に狼に犬に鳥に蛙などなど。
    (「チェブラーシカ」も有名ですね)


    特に自分が愛して止まない猫は
    ロシアでは賢い動物の典型と捉えられてるようで、
    沢山の、
    猫をモチーフにしたお話が存在します。
    (その逆にキツネはいつも物語の中では悪役なんスよね笑)


    どの話も
    風刺とユーモアに満ち溢れていて
    グリム童話のような
    残酷さを含んでます。


    表紙にも描かれてる
    キツネが猫の大事にしている雄鶏を
    言葉巧みに奪い取り
    食べようとする話、


    バーバ・ヤーガという
    人食い魔女が物語に必ず現れたり、


    「イワンの馬鹿」に代表される
    純朴で愚直な男が
    最後には幸運を手にするという
    ロシアのお約束も、

    日本人の感性に近いからこそ
    そこに共感し学びとなるんですよね。



    そしてロシアの童話や絵本の
    最大の特徴は

    なんと言っても
    その挿絵のレベルの高さなのです。


    緻密で鮮やかな色彩が特徴の
    ロシアの絵本には欠かせない
    イワン・ビリービン。

    動物たちをユーモラスに描いた
    ユーリー・ヴァスネツォフ。

    日本では『てぶくろ』でおなじみの絵本作家
    エフゲーニイ・ラチョフ。

    暖かい絵柄の
    ウラジミール・レーベジェフ。


    この本は
    そんなロシアの童話に使われた
    約270点もの美しく暖かい挿し絵が
    大きなカラーで掲載された、
    ロシアの絵本の歴史を一冊にまとめた
    世界で初めての画期的な一冊です。



    おとぎ話の宝庫と言われるロシアの
    どこか懐かしい民話の世界にどっぷり浸れる
    読み物も充実してるし、

    絵本好き、
    動物好き、
    ファンタジー好きなら
    ただただボーっと
    挿し絵を眺めてるだけでも
    ニヤニヤが止まらなくなりますよ(笑)(*^o^*)
    ↑止まらなくなってる人

  • どの国にも歴史、文化はあるけれどそんな普遍的なこと以上に「現在」が取り沙汰されているロシア。
    その国の絵本たち、その本や昔話にはもちろん何にも罪はない。描かれた時代、地域にも何にも罪はない。なのに、『ロシア』というとつい眉をひそめてしまいそうになるのは切ないこと。
    この画集を開くと素朴で罪なき人々、可愛い動物たちの息づかいまでもが感じられるのに、世界は何故か違う方向に向かって行ってるのではないのか、絵本を開いてもう一度みんなが考えなければならない時代になっているということ、わかって欲しい。

    本来、彼の国は美しく、文化、芸術に秀でていて建築物もしかり、領土にしてもあれだけ広大で…なのに歴史を紐解くと何度も何度もあらゆる事ごとを覆してはきているのですが。

  • 昔ならではの美しい挿絵の数々。
    ロシア絵本は世情絡みのものが多いのに、いやそれ故にでしょうか、優れた絵本の多いこと。
    高校生の娘も「きれい!」と言っていたので、世代を超えて普遍的に魅力的な挿絵なのだと嬉しくなりました。
    それにしてもこの本の充実した内容…監修者・
    海野弘さんに感服です。

  • おすすめ資料 第190回 (2013.6.7)
     
    ロマン・ヤコブソンによると、「ロシアの民話はずっと長いこと文字に書きうつされなかった。ゆえに豊かな民話が伝えられてきた」のだそうです。(本文より)

    宗教的な記述文学との狭間で、厳しい時代もあった口承文学の世界。
    現在では素晴らしい絵画とともに楽しむことができます。

    この本はその導入にぴったり。
    手に取って、あなたのお気に入りをみつけてみませんか。

  • ロシア童話は動物色が目立っていておもしろかったです!内容解説共に読んでロシアの文学にも少し触れられて嬉しいメルヘンチックの作品が多くて良かったです!

  • 次々出るなぁ~(お財布がピンチを通り越しました)

    パイインターナショナルのPR
    「ようこそ、かわいい挿絵とおとぎ話の世界へ
    個性あふれる動物が活躍するお話、不思議な魔法にみちたお話。かわいらしくてどこかなつかしいロシアのおとぎ話と魅力的な挿絵約270点を贅沢に収録した1冊です。 」

  • ロシアのおとぎ話の要約付きで挿絵を紹介してくれている。
    色使いがとても綺麗で美しく、眺めるだけでもわくわくする。
    ビリービンを始め、好みの挿絵画家に沢山出会えたことに感謝。
    何度でも開いて眺めることになるだろう。
    ずっと大切にしていきたい一冊。

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