夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル

著者 :
  • 以文社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753102662

作品紹介・あらすじ

現代思想の絶対的な更新を試みる、俊英による精巧かつ狂暴なる達成!

すべては情報だなどと、なんと古くさい考え方だ ―― 圧倒的なラカン、ルジャンドル論を経て、決定的なフーコー論へと向かう、驚嘆すべき思考の道程。現代思想の絶対的な更新を賭ける、恐るべき新人思想家の登場。

感想・レビュー・書評

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  • 長くて分厚い、しかもラカン・ルジャンドル・フーコーといった哲学の中でも難解に属する思想家についての内容。にも関わらず、読ませる文章。すごい。
    特に、フーコーについては僕の理解が甘かったこともあり、かなり理解が深まったというか変わった。特徴的な文体からは書くことに対する執念を感じた。慣れれば気持ちよくすらなる不思議な感じ。
    これ読んだ後に読んだ「アナレクタ」2冊に、この本はライムスターに影響を受けていると書かれていたが、言われてみれば、そう思えなくもない。

  • 今までのフーコー観が変わる本。
    特に『監獄の誕生』の読み方は変わるかと。

    また、ラカン、ルジャンドルを読んだことがなかったけれど、
    ルジャンドルはすごく面白いと思った。

    独特のラップ調で刻まれる文体は、
    好き嫌いが分かれるところかと思うが
    (年配の人には好かれないかも)、
    「それでよい、それだからこそよい」。

  • 今まで読んだ中でもっとも〈感動〉した哲学書。こういう本――こういう文章には、滅多に出逢えない。とても値段は張るが、その価値はあると思う。とはいえ書誌情報をテクノロジーを介して手に入れたところで挑戦するのは危険といえるから、まず一度図書館で借りて読んでみることを勧めたい。

  • 佐々木中の博士論文にあたる大著。
    ラカンを敷衍しつつ、直弟子にあたるルジャンドルに拡張し補強する。
    そして、フーコーとルジャンドルの革命への親近性を語る。

    きっと、ルジャンドルで終わっているはずの論文に、フーコーを入れる必要があったのかは正直不明。
    ただ、圧倒的なフーコーの追跡は、これまで見られなかったような印象を受けた。

    虚構である<鏡>を通して主体化し、
    それぞれが<革命>を起こせ、という点は、
    「切手本」に引き継がれている。

    この佐々木の登場は、若い世代に、意味のある議論を提供している。
    東浩紀がするように<文学>の反動にすぎないという批判は不適当であると思われる。

    内省的な著述方法と、スピノザのような明晰な展開は、
    600ページ近い本文を充分読ませることのできる力をもっている。
    ぜひ、読んでもらいたい。

  • 読了としてあるが、実際には挫折。
    ラカンあたりはひたすら苦痛しかない。読むことに意義はあるのか?狂人のたわごとではないのか?
    その時間、ポパー、ウィトゲンシュタインやデネットの本を読んだ方が人生にはプラスではないのか?

  • すばらしかった。すばらしかったのに、同時に佐々木中の小説を読んだら、あまりにくだらなかった。他人の作品の解説や批評に専心すべき。

  • 河出書房がすぐに文庫化したので、お蔵入りになってしまった。メリットとしては、図がでかいことか?
    あわてて買わず、文庫を待つべきだと言うことを学んだ。
    本の内容については、文庫版のほうのレビューを参照されたし。

  • フーコー主権論をわかるためのガイドラインになった。
    なぜ、みんな(政治学徒)これを読まないのかしらん。
    いや、なんとなく理由はわかっているけども。

  • 戦おうかな。
    怒ろうかな。

  • さっぱりわからなかった。
    理解できなのがもどかしい。

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著者プロフィール

1973年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了、博士(文学)。現在、立教大学兼任講師。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。論文に「鏡・エクリチュール・アンスクリプシオン」(『東京大学宗教学年報XXI』)、「宗教の享楽とは何か―ラカンの〈享楽の類型学〉から」(『宗教研究』352号)など。翻訳にフェティ・ベンスラマ「冒瀆する羊―『イスラームの名における検閲』会議での発言」(『現代思想』2006年5月号、青土社)、ピエール・ルジャンドル『ドグマ人類学総説―西洋のドグマ的諸問題』(共訳、平凡社、2003年)など。

「2008年 『夜戦と永遠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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