戦争をやめた人たち -1914年のクリスマス休戦-

著者 :
  • あすなろ書房
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本棚登録 : 558
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751531136

作品紹介・あらすじ

『この絵本の「あとがき」の絵を描いている時に、プーチン大統領のウクライナ侵攻が始まりました。まだ「戦争」を始める人間がいる現実に愕然としつつ、戦争よりも強い人のやさしさと想像力が描きたくて、絵を完成させました。』(鈴木まもる「制作ノート」より)


今から100年以上前の1914年、7月。ヨーロッパをはじめ、多くの国をまきこむ戦争がはじまりました。第一次世界大戦です。これは、戦争がはじまった5か月後の12月24日の夜に、フランスやベルギーにせめこむドイツ軍と、むかえうつイギリス軍との最前線で実際に起こったお話です。

感想・レビュー・書評

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  • 本当にその通り。
    この世界に戦争はいりません。
    相手と友達になれば戦争なんて馬鹿げていると気づけるはず。
    それに気付けないのは愚かな指導者。
    戦争を始めた当人同士が戦ってみればいい。

  • この本に描かれていることは、実際にあったことだという。戦争はやめられるのだ。世界中の人に読んで、忘れないで欲しい絵本だ。

  •  第一次世界大戦初期の12月24日。最前線のドイツ軍の塹壕から、ドイツ語の「きよしこの夜」が聞こえてきた。対するイギリス軍も、英語で歌い始め……。


     図書館本。
     内容が気になって手に取ったら、「黒ねこサンゴロウ」の画家さんじゃないか! 意外な出会い。

     この逸話は全然知らなかった。
     Wikipediaによると、本書の内容は、違う場所で起こった複数のエピソードを1つにまとめたもののようだ。
     ドイツ側が優勢だったため、クリスマスを祝うだけの余裕があったらしいとも。
     この出来事を美化してはいけないという主旨の論説文もあったりして、なるほどと考えさせられもした。

     どうも、第一次世界大戦初期の出来事だというのがポイントとなるようだ。開戦後わずか5ヶ月では、厭戦感もさほど生まれてはいないのも頷ける。
     ジョン・レノンが「Imagine」で言っているような、ラブ&ピースな意味合いの停戦ではないということらしい。
     この辺はネット情報だけでなく、もう少ししっかりした書籍等で読んでみたいところ。

     だからといって戦争が馬鹿馬鹿しいことに変わりはない。大戦はこの出来事の後も4年間続く。敵国との勝手な交流に出る兵は撃ち殺せ、というお達しまで出たそうだ。情報漏洩防止なのだろうけど、なんだかなあ。

     第一次世界大戦だと小学生では実感がわかないかもしれないが、この絵本を読んで、戦争について考えてみてくれればと思う。

  • 実際にあった、とてもいい話なのに100年以上経っても繰り返されていることに虚しさを感じてしまう自分がちょっと嫌になる。

  • 第一次世界大戦が始まった5か月後の、12月24日の夜。イギリス軍の兵士はドイツ軍との銃の撃ち合いで、疲れ果て、ざんごうで休んでいた。すると、ドイツ軍のざんごうからクリスマスの歌「きよしこのよる」が聞こえてきた。ドイツ軍の兵士が歌っているようだ。「こっちも、歌おうか」とイギリス軍の兵士たちも歌い始める。そのうちに、両方のざんごうから、クリスマスの歌が流れた。
    12月25日の朝、一人のドイツ兵が手を振りざんごうから出てきたので、イギリス兵も出ていった。二人は、「メリークリスマス」と握手した。そして、銃を持たずに、出ていった兵士たちは楽しく交流し、サッカーをした。その後、この兵士たちは、相手に銃を撃つことはなかった。友だちになったから。相手にも家族があることがわかったから。
    ※この話は、実話だ。あとがきに、「ほかの命のことを思う想像力と行動する勇気があれば、戦争をやめることができると思う。」と書かれている。本当にそうだ。でも、ウクライナ侵攻から、3か月がたった今。私たちができることは何だろうかと思い悩む。ウクライナで戦争が起きていることに慣れてはいけない。そして、日本が戦争をしても仕方がない、始めても仕方がないという状況にしないことだろうか。

  • 素晴らしい!
    日本人の作者とは思えないパステルの画風で、好きです。内容もとてもいい!
    最後の絵を描いている時に、ウクライナの侵攻が始まったとありました。そして、願いを込めて描いたと…まさに今にふさわしい絵本だと思います。

  • 第一次世界大戦(1914年7月-1918年11月)がはじまった年の12月24日、塹壕で睨み合いを続けていたドイツ軍兵士とイギリス軍兵士とのクリスマス休戦が描かれた絵本。 戦場に駆りだされた兵士たちの心情、人間本来の優しさ、まごころが、敵味方を問わず発露された、ひと時の戦場の奇跡に心打たれる真実の物語。

  • 戦争することよりも強い、人の優しさと想像力が描きたくて、絵を完成させたそう。

  • 図書館にて読了
    実際にあったおはなし。
    国籍や文化が違うけど、お互いの尊重していくべきなのに簡単にはいかないのは分かっている。
    戦争を絶対に起こしてはいけないと心の中に刻んでいこうと思った。
    あとがきにハッとさせられた。
    また読み直そう

  • 背ラベル:E-ス

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著者プロフィール

1952 年、東京都に生まれる。東京芸術大学中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を、『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞を、『あるヘラジカの物語』で親子で読んでほしい絵本大賞を受賞。主な作品に「のりものえほん」シリーズ、『ティラノサウルスのはらぺこないちにち』、『せんろはつづく』、『みずとは なんじゃ?』、『としょかんのきょうりゅう』、『戦争をやめた人たち』が、鳥の巣研究家として『鳥の巣いろいろ』、『ツバメのたび』、『鳥は恐竜だった』などの著書がある。静岡県在住。

「2022年 『三日月島のテール 行くぜっ! 海の宅配便(全5巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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